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近代~現代哲学・思想

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2022年1月の記事一覧

オーギュスト・コント

サン=シモンに影響を受ける

ソシオロジーという言葉を初めて使う

『実証哲学講義』(1830-1842)

諸科学の性格を総括、そのヒエラルキーを体系化、独自の科学哲学を開いていく
「科学分類の方法」を用いて、諸科学の体系化を進める
学問の体系を数学から発展して物理学、化学、生物学を経て、抽象から具体へと発展する、概念から自然を経て人間へと到達するものとして構築
最終的には人間社会を対象とする学

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ジャン=フランソワ・リオタール

ポストモダンとは何かを明確に定義
その条件は、「大きな物語」の喪失

大きな物語…
歴史を理念や目的の実現過程と見なし、自分たちの存在を意味づけるもの
社会的に広く共有されている
民主主義、自由、人民解放、民族独立、共産主義、etc

カンタン・メイヤスー

新実在論
主体による認識によって左右されることのない 否定しがたい「実在」があることを、
哲学的な思弁を通じて明らかにしようとする理論

21世紀現在、実在論が問題になってきた背景20世紀の構造主義、ポスト構造主義により
「実在性」や「主体」といったものは、徹底的に根拠を剥奪された
また、それらの思想は、結構、「何でもあり」という相対主義的な態度だった

それではまともな哲学的論議をすることや、政

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グレアム・ハーマン

ハーマンの実在論は、「対象指向存在論」と呼ばれる
彼は、従来の哲学は「対象」(=実在)について
真正面から論じてこなかったことを指摘する

私たちが遭遇する対象には、
フィクションの世界にしか存在しないものや、
社会的慣習や取り決めによって存在するもの、
境界線がはっきりしないものなどもあり、
それらを物理的に実在する対象と同列に扱ってよいかは疑問

ハーマンによると、これまでの哲学が対象を扱う戦

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マルクス・ガブリエル

ガブリエルは、メイヤスーのような、物から成る偶然的秩序から
意味を排除する立場に対抗しつつ、
ハーマンのように、 対象を主役にするのではなく、
主体と実在の関係を再考する形で、 実在論を復権しようとする

そのうえで、ガブリエルは19世紀ドイツの哲学者シェリングの後期の思索を重視している
シェリングは、思考以前の存在であり、
偶然性と必然性の境界線がないカオスから、
偶然性、必然性、思考、論理、真

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