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君の中の点と点


『やばい、37.3℃まであがってきてる』


本格的なゴールデンウィーク前の
水曜日の夜。




おくすり手帳を見直すと、
2月、5月、10月….




【喘息だね】と、
おばあちゃん先生からの診断がおりてから、おくすりシールが貼られるのはその月だ。


『今日、座薬もらってこなかったなぁ』




ゴールデンウィークだからといって、
特に予定はなかった。



普段、週に一度しか家族でそろう曜日がないので


家にいるだけで楽しい。



でも


少なくとも、1年前は
そう思えていなかった。




育児でよく、大変だ、ということの全てを
一人育てただけでコンプリートできたんじゃないかと、


たった3年の中で思う。



コンプリートは言いすぎかもしれないが、
紙に書いてママ友とビンゴをしたら、
最初にビンゴ!は言えるくらいだと思う。


しかも、リーチ多めで。




入園前に断乳をしなかったから、
朝、玄関あけるギリギリまで片乳に吸い付いたり


ハイハイしだしたら、ひなたぼっこしながら
ランチしよう、と言われる意味がわからなかったし


泣きながら泣いている息子をお風呂に入れて、みーんなビチャビチャだったし



お迎えのあと、まっすぐ家に帰れたことはないまま、もうすぐ2年が経つ。



夜泣きがおわったのは、ワーママ1年目を過ぎてからだった。


息子に対しての考え方が変わったのは、
音声のオンラインの教室に加入してからだった。



そこでは、仕事のこと、夫のこと、育児のこと、何でも話す。何話してよい。

完全個別の秘密の教室だった。 

   



もちろん月額制で、私は主に、パートナーシップと育児の話をした。



SNSの世界で聞こえてくる多数決の意見が、自分の中の音とで和音に感じなくなることが増えてきたからだ。





お買い物という行為に興味を持った息子が、
スーパーにはまりだしてから


その様子は変わった。



食事中、座らない食べないで、保育園にいっても変わらなかった息子が



『ママがつくった』


『スーパーで買った』



と言って食べ始めたのだ。






それまでの、3年の涙や、


絨毯にへばりついた米粒、



買いすぎたのシリコンのスプーンのことは       


もうどうでも良いなと感じた。



親と見ていた世界が、線になった瞬間だったのだろう。


点をたくさん、時間をかけて書いてあげたからこそ 


線になったんだと思う。




自分が食べていたこのお肉は


スーパーにあって、


かごに入れて、


ピッとして、


車に乗って、



お家につくと



冷蔵庫があって



フライパンで


焼いたら色が変わって



ご飯にかけたら



そぼろのご飯になったんだ、と。




時間をかけて

点を書いてあげる、自分で感じることで



『スーパーで買ったお肉ご飯がおいしい』



になった







ゴールデンウィークは、
結局


熱は下がったけれど
誰も咳が落ち着かなくて



ほとんど家にいた。



でも
すごく楽しい、お休みだった。
 

育児は、点をいくつ、子供の頭の中に作ってあげるかだなと、



感じたお休みに


することができた気がしたやすみだった。



点と点が、
つながってくる。


お腹にいたとき、私と繋がっていた様に。



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