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「1点入っていればね」と言われた試合

小学5年生のサッカースポーツ少年団で競う市内大会。予選リーグを1位で突破し、8チームの決勝トーナメントへ。

僕がコーチを務めるチームは昨年の4年生大会でベスト4に入り、この大会でもベスト4のその先を見据えてトーナメント初戦へ臨みました。

対戦相手はこれまでほとんど負けていないチーム。他学年のコーチも勝つ前提で次の準決勝を見に来ようとしていたくらい。

そして試合開始。
子どもたちの動きも良く相手ゴールへ向かい続ける。

  • 試合開始10秒も経たずにGKとの1対1に。打ったシュートはゴール左へ

  • ドリブルでGKを抜き、流し込んだボールはゴール右へ

  • コーナー後、ゴール前混戦から浮き球に合わせたシュートはゴール上へ

  • 毎試合のように決めていたフリーキックはゴール右上へ

  • 左からカットイン。もう外す方向がないと思ったらバランスを崩してシュート打てず

ここまですべてが前半の出来事。
相手にはシュートを1本も打たせないハーフコートゲームもスコアレスで前半終了。

この時点で嫌な流れを少し感じながらも、
「チャンスは作れている」「いつか点は入るだろう」と思い(込むようにして)後半へ
思えば、この時点で僕自身が嫌な流れを感じるとともに焦り始めていたのだろう。

ハーフタイムにはおそらくポジティブな声かけはできていない。
「おそらく」というのは何を言ったかあまり覚えていないから。

後半の子どもたち、前半よりパスミスが目立ち、シュートを打てなくなってきた。
それでも「次のプレーでシュートを打てれば」と思い(込み)、流れに身を任せるまま時間が経過。

すると後半10分(20分ハーフ)を過ぎたあたりに遠目から相手にシュートを打たれ始めた。

明らかに流れを失っているし、子どもたちの焦りがミスの多さで目に見えるようになってきた。

それでも「崩されての決定機は作られていない」と、いい面を(無理やり)探して、静観。

そして後半15分。
左サイドから蹴られた無造作なロビングをセンターバックが競れずに相手FWにヘディングされ(というより頭頂部に当たっただけ)、ボールは右DF方面へ。
目の前で弾むボールに触れられず、相手が左足で蹴った(というより触った)ボールは回転がかかったロビングになり、GKはその回転に対応できず弾いて無人のゴールへ。

失点。

子どもたちはここで負ける訳にはいかないと息を吹き返し、相手ゴール前に迫るが、バーに嫌われるなど、残り5分間でも得点できず。

0-1で敗戦。

試合内容はで9対1だったように見えるし、
「前半1点入っていればね」と言われた。
「サッカーは怖いね」とも。

でも

  • 前半の決定機・得点機に決め切る力

  • 失点シーンの相手の前で触る球際の力

これが足りないから得点できなかったし、相手に連続してボールに先に触られているから失点してる。

「1点入っていればね」ではないし、
「サッカーは怖」くなんてない。

今回の負けは決して偶然ではなく、必然。
僕がベスト4だ、次は優勝だと慢心していたのかもしれない。
4年生大会の子どもたちの頑張りを「俺はいいチームを作れている」と思い込み、日々の練習で突き詰めるべき部分を怠ってきたのだと思う

子どもたちとは小学校卒業までの旅路の途中。
今回の決定機で1点取って勝っていたら、課題を見て見ぬふりしてもっと踏ん反り返っていたかもしれない。
卒業間近に課題が蓋で抑えきれなくなって溢れ出し、改善する時間がない状況になっていたかもしれない。

5年生の6月に課題と向き合う必要性を再認識させてくれた大会になった。
試合終了時に泣き崩れていた子どもたち。
そんな子どもたちのためにも課題を一つずつ確実にクリアしていきたい。

今週末から再スタート。
もう見て見ぬふりはしない。

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