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世界のライセンシングビジネス 独走するディズニー

ライセンス業界の業界誌「ライセンス・グローバル」によると、2022年のディズニーのライセンス商品の世界売上高は617億ドル(約9兆2000億円)で、2位のドットダッシュ・メレディスのほぼ2倍です。
ディズニーが膨大な知的財産を様々なメーカー、ゲーム開発会社、玩具会社などにライセンス供与しています。一方、アメリカ有数の印刷・デジタル出版社であるドットダッシュ・メレディスも、いくつかのライセンス契約を結んでおり、そのほとんどはベターホームズ&ガーデンズ、サザンリビング、インスタイルといった同社の有名で信頼できる雑誌ブランドを活用しています。

ディズニーやメレディスのような企業にとって、ライセンス商品は歓迎すべきものの、サイドビジネスです。
これに対し、ライセンス契約を主に収益化するために、有名消費者ブランドの買収に特化している企業もあるようです。第3位のオーセンティック・ブランズ・グループ(ABG)は、そのような企業の代表例です。数多くのアパレルブランド、有名なスポーツ・イラストレイテッド誌、ムハメッド・アリ、エルビス・プレスリー、デビッド・ベッカムなど数人の有名人の肖像権/マーケティング権を所有しており、2022年にライセンス商品を241億ドル(約3兆6000億円)売り上げています。

昨年のディズニーのライセンス商品売上の中でも、「コンシューマープロダクツ」、つまりIPを様々なメーカー、ゲーム開発者、小売業者などにライセンス供与し、自社ブランドの商品を販売することで53億ドル(約8000億円)の収益を計上しました。
これはディズニーの総収入の6%にも満たない額ですが、営業利益率は53%と高く、2022年の営業利益の23%を占めています。特にライセンスビジネスは、ほとんどコストをかけずに安定した収入を得ることができています。

玩具、アパレル、ゲーム、アクセサリーなど、考えうるほとんどあらゆる方法で知的財産を活用することで、ディズニーは非常に安定した、信頼できる収入源を得ることができています。
コロナ禍がディズニーの中核事業、特に劇場エンターテイメント、パーク、リゾート、クルーズなど多くの事業を混乱させた2020年と2021年でさえ、自社直営店の広範な閉鎖にもかかわらず、コンシューマープロダクツ事業はほとんど影響を受けませんでした。

そろそろ皆さんクリスマスプレゼントを考え始める時期ではないでしょうか?
今年もミッキーマウスからスターウォーズまで、多くのディズニーキャラクター商品がクリスマス商戦を賑わすことでしょう。



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