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低下する世界の出生率

日本でも出生率(女性一人当たりの子供の数)の低下、少子化が懸念されて久しいですが、世界的に見ても出生率は低下しているようです。

19世紀初頭、世界の人口は10億人という大きな節目を迎えました。
その後220年の間に8倍、80億人にまで増えました。その半分が1975年以降の増加です。

世界人口が増え続けているのは、医療や栄養の進歩があったからです。しかし国連は、出生率の低下により、2100年には人口増加が鈍化し、完全に停止する可能性があると予測しています。

世界の出生率は、1970年代以降、右肩下がりになっています減少し続けています。

2020年、世界の出生率は2.3となり、世代の人口が入れ替わり人口を維持することができる女性1人あたりの出生数2.1をわずかに上回りました。1960年の4.7から半減しています。

低下する出生率

しかし、これは世界の平均値で、実際には各国の出生率に大きな差が生じています。
国連によると、世界の人口の約3分の2が住んでいる地域では、出生率が、人口を維持できる2.1を下回っています。

出生率 下位10ヵ国

最も低い韓国は、1960年の5.95から2020年の0.84へと、ここ60年で大きく低下しています。(2022年には暫定値で0.78と、更に低下しているとの報道もあります。)
日本の1.34も決して高くないですが、韓国の今後の人口急減は極めて深刻な課題と思われます。韓国の経済にも深刻な影響が出始めているようです。

出生率 上位10ヵ国

一方で、上位の国ではまだ女性一人当たり7人近い子供を生んでいます。

アフリカのニジェールが出生率が6.9と最も高く、14位のアフガニスタンを除けば、上位30カ国はすべてアフリカの国々です。
殆どの大陸で人口増加は停滞すると見込まれている中、2100年までにアフリカでは25億人もの人口が増えると推定されています。

少子化は、様々な要因がもたらしています:

  • 避妊が容易に

  • 女性の出産以外の機会の向上

  • 子どもたちの死亡率を下げるヘルスケアの向上

かつては、乳幼児死亡率が非常に高かったため、子どもの数が多くないと、成人する子供を持つ可能性が低くなりました。
また、女性は出産や育児を制限され、避妊の機会もなかったため、望まない妊娠が増えることもありました。

したがって、出生率の低下は、多くの国にとって社会の発展に伴うものです。

出生率が低下すると、人口が減少し、高齢者の労働比率が高くなり、医療費の増加や税収の減少など、経済的に好ましくない結果を招くことになります。

短期的には移民のような解決策が有効であるものの、長期的には子育てにかかる費用を削減し、子供のいる家庭への支援を充実させることが、少子化を避けるために一般的に行われている政策です。

これまで人類は、地球規模で人口が減少していることに直面したことがありません。
人口減少が、人間の生活、価値観、将来への期待などをどのように変えていくのでしょう。
もうすぐその答えを知ることになるかもしれません。

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