より正確なギターのイントネーション調整 ~⑥実際に調整 1~
ギターのオクターブ調整の考え方を一歩進め、より正確なピッチをフレット上で得るためのチャレンジです。
最初から読みたい方はこちらからどうぞ。
それでは実際に調整してみましょう。今回は2種類の方法を記してみます。まずはひとつ目です。
調整法その1:チューニングメーターを利用した調整法
フレット全域でさほど大きなピッチの凸凹がないギターへの調整方法のひとつのアイデアです。
まずは前述の開放弦実音と12フレット実音のチューニングメーター針位置を合わせるように調整した後、代表的なポジションのピッチを見ていきましょう。ピッチ的に最も安定する1度と5度を見てみます。すなわち開放弦、7フレット、12フレット、19フレットを順番に弾き、それぞれチューニングメーターの針位置を確認します。
おそらく開放弦・12フレットに対して7フレットはややフラット、19フレットは少しシャープする感じではないでしょうか。(経験則です。裏付けなどありません)。また1~6弦によっても傾向は少し異なることでしょう。
もしこの4ポジションが全て同じ針位置になるように一発で調整できれば良いのですが、難しい場合が多いと思うので、違うポイントで合わせていきます。
ここでいきなり5フレットと17フレットが登場します。オクターブ関係にあたる5フレットと17フレットが同じ針位置になるようにブリッジ駒を調整してみましょう。その状態で開放弦ピッチを確認するとおそらく少しフラットしていたりすると思いますが、ここは思い切って無視します。
5/17フレットだけでの計測が不安な場合は、3、4、5フレット、15、16、17フレットと連続したピッチを見ていくのもよいでしょう。そこでバラついたときはなるべく5/17フレットのピッチを優先します。
※重要※ この方式で調整した場合、今後チューニングするときには 5フレット押下の音程で各弦を合わせていくほうがベターです。開放弦は少し狂っているのですから。
何故?
ところで何故5/17フレットかという話ですが、これは個人的な感覚でしかありません。強いて挙げるとすればAmペンタトニックの構成音を多く有することになり、ロックミュージックの実戦に強い可能性があるということでしょうか。
それともう一つ、どこでもよいのですが、オクターブ関係にあたるフレットでの計測であるということ。今回の調整をやれば、少なくとも5フレット付近と17フレット付近は正確なピッチが出ている可能性がとても高いわけで、当初計測したときの17フレットあたりは従来シャープしていた世界とは違う響きがあります。5/17フレットについてはセーハすれば正確なピッチのコードが響くということでもあります。
選択するフレット
必ず5/17フレットが良いかといえば、そんなことはないと思います。冒頭のフレット全域での暴れ方によってどこを捨てるのかという判断にもよると思います。プレイスタイルによっては開放~12フレットまでは完全なピッチで、それ以上はどんどんシャープする設定もありだと思います。
ローからミドルフレットあたりのピッチが良いと、楽器の鳴りとして地に足の着いた力強い印象になる気がします。ただオクターブ関係の2か所か、それに加えてできれば5度のポジションあたりを見ていけばほぼ完全体かなと思います。
あと大切なのは、何フレットを見ながら調整するにしても「全ての弦を同じフレットで見ていく」ことかと思います。
音源サンプル
音源サンプルを置きます。5/17フレット方式で調整し、5フレット押弦でチューニングしたレスポールの音源例です。1、2弦を含めたパワーコードが綺麗に響いている感じがします。
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