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より正確なギターのイントネーション調整 ~①はじめに~

ギターのオクターブ調整の考え方を一歩進め、より正確なピッチをフレット上で得るためのチャレンジです。

はじめに

ギターを弾いていて、どうも気持ち悪く感じる時、または調子が悪く感じる時、まずはチューニングを確認してみましょう。

チューニングメーターであらためてしっかり確認してみると、チューニングが狂ってしまっていることがよくあります。もしくは何かの曲に合わせて演奏しているときは、その曲とギターの基準ピッチが違う(ギターは440Hzでチューニングしているのにバックの楽曲は442Hzで流れているとか)こともよくあります。

楽器や演奏に慣れていき耳が鍛えられてくると、そういったピッチの違いに対して徐々に敏感になっていきます。それはある意味、演奏家としての進歩ですので、こういう気付きや感性は大切にしたいですね。ピッチを気にしてこその演奏家って言いたいじゃないですか。

ただ、チューニングメーターでいくら開放弦のピッチを合わせたとしても、ギターにはフレットが付いていて、フレットを押さえた時のピッチが正確じゃないと意味がありません。開放弦だけで演奏できる曲はほぼ無いわけで。

一般的なオクターブ調整

そこで登場するのがいわゆる「オクターブ調整」です。ギターを弾いている方であれば一度くらいは聞いたことがある言葉ですよね。開放弦に対してフレットを押さえた時の音程を調整して合わせていく手法です。もっとも一般的な方法としては12フレットのハーモニクスと実音を合わせるやり方で、大手メーカーや有力リペアマンの説明においても、まずはこの手法が取り上げられます。

この最も一般的な方法を決して否定するわけではないです。なにより簡単ですからそこはポジティブです。ですが、この方法だけで調整したギターは私にとってはどうもうまく響いている気がしません。それが研究(というほどのものではないですが)を始めるきっかけとなりました。

そこから長年色々と試行錯誤した結果、ひとつだけの最終正解ではないものの、少なくともより良いといえるのではないかと思える段階まで、ある程度コンスタントに到達できるようになりましたので、noteとして残しておきたいと思います。

コンセプト

コンセプトとしては以下の2つを挙げておきます。

  • 平均律 vs 純正律の議論はいったん置いておき、平均律を前提としたうえで可能な限り妥当なピッチを目指す

  • バジーフェイトン(BFTS)やサークルフレット(CFS)などのシステムを装備していない普通のギターでも実現可能なアプローチとする

お断り

このnoteには、実際にギターを調整する記述が出てきますが、ギターの調整にあたっては精度が高くかつサイズが適合した適切な工具が必要です。プラス・マイナスドライバー、六角レンチ(インチサイズとミリサイズあり)などです。もしご自分での調整が失敗してギターを壊してしまっても当方は一切責任を持てませんので自己責任でお願いします。

また当方の記載する方式で調整したとして今までよりも良い響きに感じるかどうかは保証できかねますのでご了承ください。なんでもやってみる姿勢は私も大好きですが、ある程度慣れも必要な作業ですので、そのあたりご理解いただければと思います。

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