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ベトナムでIRC取得をせずに外国企業を設立する方法(条件あり)

ベトナムで起業するために会社を設立したのですが、その際に面倒なIRC取得をスキップできました。

備忘がてら、まとめておきます。


ベトナムで外国企業を設立するには、まずIRC取得が基本

ベトナムで外国人が会社を設立する際には、通常以下の2ステップを踏む必要があります。

1.投資プロジェクト登録 →投資登録証明書(IRC)
2.企業登録 →企業登録証明書(ERC)

この場合の手続きについては、ジェトロさんが詳しく説明しています。


IRCの取得は手間がかかる

ですが、このIRC取得が一手間です。ジェトロさんのHPによると計画投資庁に対して、ざっとこれだけの資料を提出する必要があります。

・投資プロジェクト実施申請書(所定フォーム)
・投資家の資格を確認するための証明書類
・投資プロジェクト提案書(所定フォーム)
・財務能力を証明する書類
・賃貸契約書および不動産オーナーの関連書類
・制限技術リストに該当する技術を使用するプロジェクトの場合、技術使用に関する説明書
・BCC投資形態による投資の場合、BCC契約書

当然、自力でやるのはほぼ不可能で進出サポート企業などに依頼することになりますのでコストもそれなりに掛かります。会社設立(ERC)まで含めて7,000USD以上が相場のようです。

また会社を清算する際には、ERCの終了手続きだけでなく、投資プロジェクトの終了としてIRCの終了手続きも必要になります。

今回、ベトナムで起業するにあたり、この手順で会社設立を考えていたのですが、現地の弁護士に相談したところ最初のIRC取得をスキップできる方法があることが判明しました。


IRC取得をせずに外国企業を設立する方法

具体的な方法は以下の通りです。

1.国内企業を二人以上有限会社で設立(ベトナム人二人が所有者)
2.ベトナム人所有者の所有分を外国人が買取

そうなのです・・・まず国内企業を設立する必要があるので、そのために信頼できるベトナム人が二人以上必要となります。

また外国人の所有割合に応じて、以下の注意点があります。

・外国人の買取分が50%を超える場合、IRCは不要だが、投資登録は必要。
・外国人の買取分が50%を超えない場合、投資関連手続きは不要。会社登記情報の変更手続きだけ

外国人の所有割合が50%を超えなければ、会社名、所有者、ビジネスライセンスの変更があっても普通の国内企業と同じように会社登記情報の変更だけで済みます

ですが、当然この場合、所有割合の50%以上を他の所有者のベトナム人に握られます。信頼できる相手であることが必須です。

幸い、私の場合は配偶者がベトナム人なので、妻(50%)とその弟(50%)で最初の会社設立をしてもらいました。弟の所有分が後日、私に所有者変更される予定です。ちなみに所有者変更をする場合は、登記後3ヶ月経過している必要があるそうです。

かかった費用

現地の弁護士に依頼したのと、IRCは不要だったこともあり、費用は総額600USD程度でした。これには、最初の会社登記(ERC)、外国人への所有者変更手続きが含まれています。

IRCから始めたら7000USD以上かかることを考えたら、かなりコストを抑えられました。勿論、持ち分は50%なので単純比較は出来ませんが。

メリットとデメリット

IRCを取得せずに外国企業を設立した場合のメリットとデメリットをまとめておきます。

メリット
後で会社登記情報を変更しやすい(特にライセンスの追加)
コストが抑えられる(数百ドル)

デメリット
信頼できるベトナム人が二人以上必要
外国人の所有割合が限定される


最後に

期待させておいて中々厳しい前提条件だったかもしれません。。。個人的な備忘も兼ねているのでご勘弁を。

特に信頼できるベトナム人が必要という点がボトルネックになってしまう場合が多いかと思います。この方法は、私のようにベトナム人の配偶者がいる外国人が個人事業向けの会社を設立したい場合にハマるのかもしれません。








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