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私は強いですが、あなたには従順です

世の中は最終的にはフィジカルがものをいう。あと、上下関係に関しては野生の世界でのしきたりを守った振る舞いを意識していると、うまくいくものである。わたしの体感でしかないが。


いま、後輩が目の前でしぼられている。

説教の内容は、「仕事が遅い」だ。ほんとそれだけ。仕事が遅いということを、今、30分くらいかけて説教されている。上司さまに、なんで遅くなったかくらいとりあえず聞いてやってもいいんとちゃいますのん。そうやって無意味な時間を無限に生み出すからこの子の仕事もどんどん遅れるんちゃいますのんか。と言いたい気持ちをこらえ、外野でもできること…として、取引先にかけなくてもいい電話をかけ、髪の毛がパーカーの素材を関通して背中に刺さっててなんだか少し痛いとかいうどうでもいい話を先輩にふり、昼ご飯足りなかったみたい!お腹すいたんだけどなんか持ってないの?と別の後輩にたかり、それでも終わらんから最終的には「いや、windowsのアップデートこんな時間かかんのかよ。今日はもう仕事終わりだな!」と独り言をいい、終始でかい声を発し続けることで、上司の怒りのやる気を削げないか工夫してみた。皆にはいい迷惑だと思うが、シーンとした空気の中で自分1人が説教されている状況は私なら嫌だし、多分良いことをしたと思う。


なんでこんなに怒られるんだろう?と思う。

私はあんまり、怒られない。というか、怒られなくなった。入社当初はぼろ雑巾のようになったこともあったが、今思い返すとここ3年くらいはがみがみいわれたたことが無い。確かに私はやる気に満ち溢れていて、好きな仕事や大事な仕事はフルスピードでやるし、言われてもいない業務にもじゃんじゃん手を出すという会社にとってポジティブな人材だが、業務中にnoteは更新するし(これは内緒ね)、経費精算等の事務手続きなど大変地味な業務は嫌いなのでやらないこともあるし、定常業務も気分じゃなければしばらくやらない。しばらくやらないでおいて、でもやっぱりどうしてもやりたくないなぁと思った仕事については、「要らないですねー!これ!」「どうしてもやるなら、3ヵ月に1回まとめてやります??」と上司に直接アタックし、嫌いな仕事を抹殺していく。客観視するとめちゃくちゃな側面もかなり強いね。仕事が遅いという理由で30分怒られなきゃいけないなら、わたしもある仕事を取り出せば、1日6時間くらい怒られても仕方ないかも、と思う。でも、本当に怒られない。怒られないし、どう考えても評価されていて、今年の春には自分より13年くらい上の先輩と同時に、同じポストについた。あと、みんな出張にいくとお土産とか、わたしにだけ個別にくれる。好かれているという認識しかできない、どう考えても。

なんでなんだ、なんでなんだ…と考える必要もない。多分最近のわたしはフィジカルが強く、それでいて本能的な部分で上司をアゲているからだ。

さてここまでが前置きです。とても長い。もう読むのやめるの?やめないでね

大事なのは、要は声のデカさ。

フィジカルとかかっこつけて書いてたけど、結局は声。

ぼろ雑巾みたいになっていた時代から、今の状態に切り替わるタイミングで、やけくそになった。何をいっても否定される、何を言っても笑われる。絶対に!私が正しいのに!?やけくそというか、逆ギレというか。別に逆でもないか。純ギレだと思う。正しいことが受け入れられないことに対する、純粋なキレ。それを表していくしかないと思った。

具体的には、不当だな、と思う扱いを受けたら、「どういうことでしょうか?」「もう一度教えていただいてもよろしいでしょうか」と大きな声で聞く。ほんとに自分が悪いなぁと思うときには、「わ!申し訳ございませんでした!ではこう対処いたします」と大きい声で詫びる。自発的にミスに気が付いたときも、「ミスしました!私が悪いです!こういうミスです!これで挽回できますか!」と、それはそれはどうどうと相談しにいく。

元々元気なタイプではあったが、さらに意識して元気に振る舞ったら、お怒りモードの上司もいたぶりがいがないな、と感じるのか、笑いながら「気を付けてね!!」で済ませてくれるようになった。意見もだいぶ通るようになった。

多分、人はかなり雰囲気にのまれる生き物だから、どうどうとしていて強そうなやつには、あまり上からいけないのだろう。やだなんかヤンキーみたい…。いやでも、ほんとに自分を強く大きく見せることは処世術として大切。どうどうとした態度はそいつが本心で動いているな、と錯覚させるので、正直なやつだ、さっぱりしたやつだ、という人物像もでき、わりと好かれやすくもなる。

ポイント2つ目は、自然界のおきてを守ること。

自然界のことは実際は良く知らんが、イメージで良い。

例えば要件はなんであれ、上司の席にいって話をするときは、ツカツカよっていかない。さっきの話と矛盾するように思うけれど、「自分は強いし、上司は同じく強い」と思って過ごすのが重要で、「自分だけがこの森のキングだ!」と勘違いしてはいけない。それは相手を不快にさせるだけだ。

ただ、ビビるのは最低。ビビってる、と思われた時点で、もう負けている。そんなんじゃ、サンドバッグにされておしまい。だから、あなたの様子をうかがっているよ、尊重する気があるよ、というのを示していくのがよい。

具体的には、忍たま乱太郎レベルのオーバーリアクションな抜き足差し足フォームで近づく。資料は胸にしっかり抱いてアピールする。その時点で普通に歩くよりだいぶ目立つので、多くの人間は気付く。気付いて、「こいつは話があるが、声をかけて良いものか悩んで、そろりそろりと寄ってきたんだな、気を遣えるやつだ」と思う。多分ね。

それで目があったらめちゃくちゃ笑顔を向ける。「気づいてくれたんすかボス!!!!!!!!!!!!」という具合に。バレたかー!こっそり近づいてたのにー!の愛嬌も込めて、ただの笑顔ではなく、目は見開き、口は一文字に結びつつ、口角を上げると良い。自分に笑顔でよってくるやつを鬱陶しがる人はあんまりいないので、そこからはわりと良い対応をしてくれる。

抜き足差し足ムーブにも気づかない感の悪いやつがいたら、相当集中しているはずなので、撤退する。どうしても今話をしなければいけないなら「〇〇さん、ごめんなさい…。わ、お忙しいのに!ほんとに申し訳ないんですけど…ありがとうございます~!!ちょっぴりだけお時間いただいてよろしいですか!!!」と、徐々に音量を上げながら話しかける。若干ウザがられるときもあるが、大体は緊急事態を察して対応してくれる。

近寄り方も大事だけど、話すときの自分の位置も大事。向こうが座っていたら、必ず膝をつく。しゃがむ。顔の位置を向こうより上にしない。常に見上げる。お互い立っていて、自分より背が低い人だったら上半身に動きを付けて、例えば手を叩いたり「あちゃー」とあたまに手をやってみたり、うーん?と体ごと横に倒れてみたりして、とにかく相手より頭が高い位置にある状態で静止しないようにする。上から不動で見られると、絶対向こうは不快、緊張を感じてしまうから、あまり良くないのだと思う。でも、当然だけど自分の席に上司がきて話し始めたら、秒で立ち上がる。

「私は強いですが、あなたには従順です」

大切なのは、それを表現することで、今の2つのポイントを守れば、それが体現できるんだと思う。

弱弱しい姿勢でかしずいても、弱いやつが従順なのは当たり前、お前には自分の意思がないのか? ためだめな奴だな。と下に見られる可能性が有るし、強さだけをアピールしても普通に嫌われる。強くて、あなたには従順。どっちも忘れてはいけない。

もしかすると、というかおそらく営業とかをやっている会社員にとっては当たり前のことなのかもしれないが、私はそういう職種ではない。ビジネス本も嫌いで読んだことは無いので、自力でハックした。それならちょっと偉いよね、ね。


あ~~~~なんでこんなに仕事の話をしてしまったんだろう。26~50歳くらいで、清潔感があって、背が高くて、筋肉むきむきで、酒が飲めて、好き嫌いあんまなくて、金をどちらが払うか等に関する要らないプライドは持っていなくて、堅すぎないメンズと、お互いやや下心はあるが、別にどうこうするわけでも本気でどうこうなりたいと思っているわけでもなく、わいわい酒を飲むやつがやりたい。退勤!

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