8日目 神戸〜明石
■5月31日(8日目)
神戸~明石 30km
【日記】
9:30 出発
10:00 パンク
12:00 修理完了、再スタート
14:30 支援@バイク乗りのお兄さん(ポカリ)
15:30 看板崩壊と修理
16:00 支援@おじちゃん(アイス)
17:00 支援@家
18:00 お風呂
19:00 夕飯(タコス)
22:00 就寝
1.初めてのパンク
昨日の助言を受けて、タイヤの空気を入れて自転車の状態を万全にしよう。
そうすればこの先、安心して旅が続けられる!
はずだった・・・。
サイクルショップの開店前。
わたしは神戸港のモニュメントで写真を撮りに行った。
神戸港まで近かったので、すぐに着きそうだ。
敷地内に入ろうと、段差を越えた。その時だった。
ガタンッ!…ゴトンゴトンッ…
ん?嫌な予感がした。
自転車を漕ぐと違和感があったので後ろのタイヤを見てみる。
パンクだ。
(ナンテコッタ!言われたそばから、パンクかよぉおおお!!!!)
嫌な予感が大的中。さっそく現実になってしまった。
(とほほ・・・。まじ最悪~。今日姫路まで行くのに時間遅れるやん。大丈夫かな)
この先の目的地まで時間通りに着くか不安になってきた。
自分でパンクの修理もできないから、どうしようもない。
ひとまず、サイクルショップが開くのを待った。
不幸中の幸いだったのは、ここが街だったことだ。山奥じゃなくて本当よかった。すぐにお店にいける距離で助かった。
10時半。
開店と同時にパンクした自転車を修理してもらうことに。
店長さんに全部分解して診てもらうと、恐ろしい現状だった。
まず、タイヤの中のゴムが薄くすり減ってもうすぐ切れそうになっていた。
中のゴムが切れるとチェーンにロックが掛かり、車輪が動かなくなるみたいだ。
車輪が急に動かなくなると、回転の勢いで後輪の鉄も曲がってしまう。
最悪の場合、本体破棄とのことだ。
どうやら自転車は瀕死状態で走っていたらしい。
(うそでしょ。甘くみてたら死ぬやん)
もし下り坂でタイヤが急に動かなくなったら?
自転車が制御不能になったら?想像してゾッとした。
自転車から放り投げだされて大怪我をするだろう。
初めて命の危険を感じた。
わたしは自転車に命を預けている。
当たり前だけど頭から薄れていた。
改めて、自転車と私は一心同体という認識を強く持った。
それから、店長さんは隅々まで丁寧に自転車をメンテナンスしてくれた。
後ろのタイヤも交換することになった。
今使っているタイヤは、ママチャリ用の耐久性が高いもので、タイヤ自体は細くペラペラしていた。
電動自転車は、電動モーターで動くので負担が大きい。
だから、もっと太くて頑丈なタイヤに変えてもらった。
(出発前にタイヤ交換してもらったばかりなのに・・・。
1周間でまた他のタイヤに交換しなきゃいけないとか悲しいんだけど!もったいな!!!)
修理代は5000円。旅の中では大きな出費になった。資金を貯めておいてよかった。安全第一を肝に銘じた。
今回のアクシデント以降、タイヤの空気を2日に1回は入れるようにしよう。
チェーンの油も気にしながら走ろう。
何事も手遅れになる前に、予防が大切なんだな。
わたしは凄腕店長さんのおかげで九死に一生を得たのであった。
2.ついに「今晩泊めてください」の夢叶う
12時。
気を取り直して、わたしは神戸から姫路に向けて再スタートを切った。
日が沈む前には何とか目的地に着きたい。
大通りを走っていると飲みのがなくなった。
どこかで補給しなきゃな~と考えていると、塾講師をしているバイク乗りのお兄さんからドリンクをもらった。
本当にこの旅では、引き寄せばかり起きている。
「想ったことは全部叶う」そろそろ本気で思い始めてきた。
それにしても、明石の海沿いは風を切って走って気持ちよい~。
正直、いつも大通りばかり走っていて飽きていた。
自然の田舎道とか、開けていて景色がきれいだと走っていて心地よかった。
先を急いでいると、「プップー」後ろから車のクラクションが鳴った。
振り向くと、50代くらいの男性に呼ばれた。窓から差し出されたアイスをもらった。
西日と海の調和を感じながら、わたしは海沿いでアイスを食べた。
(糖分最高~。あと30キロがんばれるわ~!)
一時、波の音を聞きながら癒やされる。
程なくして、アイスをくれたお父さんが戻ってきてくれた。
「まだいるかなと思って来てみたらいた」
そう言って、わたしが何で自転車で東京から福岡まで行こうと思ったのか、無一文で来た理由などをお話した。
すると、お父さんから嬉しい提案が。
「もし家で良かったら泊まっていく?夕飯にタコライス付きだよ」
待ち望んでいた展開だ!!!わたしは疲れが一気に吹っ飛んだ。
ウキウキしながら泊めてもらうことに♪
「え!!?いいんですか!!!最高!!!やったー!!!!」
実は出発前、旅人の話やブログを読んでいる中で、現地で会った家族に泊めてもらうエピソードをたくさん聞いていた。
「わたしもそれ経験したい!!!!」ってずっと憧れていた。
理想が現実になって、テンション上げ上げだ。
どんな家族なんだろう?
何で見知らぬ人を泊めてくれるんだろう?
どんな価値観を持っているんだろう?
わたしの好奇心がうずうずした。
早くお話したいし、わたしの想いも伝えたい!
お父さん、お母さん、おばあちゃん、20代後半の息子さんの4人に迎え入れられた。
どうやら、息子くんが昔バイクで日本一周をしていたそうだ。
その時にいろんな人から助けてもらった。だから、同じように旅をしているわたしを助けてくれたそう。
受けた恩を次の人へバトンを繋ぐみたいだ。恩送りを大切にしているようだった。次の世代へ恩を受け継ぐ。
ギブの循環。恩返しも良いけれど、わたしは「恩送り」という考え方が好きだ。
大学時代、わたしは体育会のサッカー部に所属していた。
あるとき、先輩が飲みに連れて行ってくれて、ごちそうしてくれた。
わたしは、申し訳なくて「払いますよ」と言うのだけれど
「大丈夫、大丈夫。わたしじゃなくて下の子達にしてあげて」と言われた。
わたしは今まで「もらったら返さなきゃ」と義務感に追われていたことに気づいた。「返さなくてもいいんだ」先輩の懐の深さに感動したことを覚えている。心がゆるんだ。
見返りを求めないギブができる人になりたい。
そのために、まずはわたし自身をたくさんの愛で溢れさせよう。
穏やかな時間が流れる中、新しい家族ができたことへの喜びに包まれながらすーっと眠りについた。
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