新しいスタンダード - QCY T17
前回、"わや - TWS"にてQCY T1Cの不具合、Haylou GT1の故障のことを書いた。そしてすぐに次のQCY T17とHaylou GT1 Plusを注文したことも。今回はその注文した中でも、その後メインとして使っているQCY T17について書きたい。それなりに時間をかけて使ってみて判断しているつもりだが、使用感についての細やかな感覚や、音においていい耳を持っていない私なので適当とまではいわないにしても、ただそういう感じ方の人もいるよね、という程度の前提で見てほしい。TWS自体わやということになってからは、ただ普通に使いたい、壊れてほしくない、と、そんな感覚に浸ってしまった。TWSは精密機械なので故障しやすいのかなとも思ったりもするが、そこは低価格帯のものばかりを好んで選んでいるという私の問題もあるだろう。低価格だから壊れていいわけではないが、それにより壊れるという可能性は高まると思っている。それにまだ、そういう新しい、若い製品だとも思っている。
TWS
いきなり
T1Cの不具合から先行して注文していたQCY T17だが、思ったよりも早く無事到着した。そしてこれにより初めての体験をすることになることがあった。それはTWSとは全く関係のないことなのだが、ネットを徘徊しているとたまに見る配送されてみると箱がボコボコだったというもの。見た瞬間は驚いた、以前も箱が多少凹んでいたりすることはあった、しかし写真にも載せているから見てほしいが、すごく潰れている。載せた写真では分かりにくいかもしれないが、ここまで潰れたものが配送されてきたのはネットでしか見たことのない初めての体験だ。何度も言うが実際は写真で見るよりも酷い。出してみると当たり前だが新品で、箱そのものと箱の中の内部包装容器が衝撃を吸収しているようで本体は綺麗なものだった。説明書が折れ曲がってるくらいだ。しかし配送されてきて、いきなりこの箱のボコボコ具合には面を食らった。
QCY T17
潰れた箱はそれとして、箱から出して初めて手にしたときに思ったのはT1Cに比べるとコンパクトで蓋がついているということだ。コンパクトとはいえ他のTWSに比べてとりたててコンパクトというわけでもないが十分に小さい。ポケットに入れても邪魔にならない感じだ。ロゴはT1Cの時に知った新しいQCYのロゴで新しさも伝わる。少し残念なのはAACには対応しているがaptXには対応していないところだろうか。充電ケースのコネクタがUSB Type-Cなのは地味に嬉しい。TWSは未だUSB Micro-Bタイプが多く建付けに不安を憶える。とはいえスマートフォンなどとは違い、そこに不具合が出るほど長持ちしたことはないのだけれど。ともあれ充電ケースもTWSそのものもオーソドックスな作りで、不満はない。装着感も悪くはなくイヤーピースをLサイズに交換したくらいだ。本体の耳への収まりは悪くはない。結構な大きさだが不満はなかったT1Cよりも随分小さく、これはこれでちょうどよく耳に収まる。
使用感
使うのは簡単で、ペアリングしていれば充電ボックスから取り出した瞬間使える。電源オンとかはなくケースから出すだけでペアリング対象とつながるのだ。操作はT1Cとは違いタッチ操作になっている。ほとんどのTWSはタッチ操作なので別にどうということもないが、物理スイッチを使っていたT1CのあるQCYだからかタッチ操作も考えられていると感じた。それはただ触るだけでは何も起きないという仕様だ。これはTWSを装着するために耳に押し込む時や、ふと触った時に何も動作しないという利点があり、これを気に入っている。他の機種の場合、触ると何かの操作をしてしまうので触るということそのものに敏感になってしまう。他のTWSによくあるタップでポーズ、プレイというものは、ダブルタップとなる。曲を飛ばす場合、先送りは右をロングタッチ、巻き戻しは左をロングタッチとなる。基本的にそれだけなので簡単だ。トリプルタップでゲームモードとか音声アシスタントの機能はあるようだが私は全く使わない。だからとても簡単で楽だ。思わぬタップによる誤動作がないのがいい。だが、ある程度以上使用して操作とは別に私にとっては問題があることに気づいた。重要な問題ではないが、私には困ったことでもある。私はEDIFIER X3の時にも書いたが、外出時は充電ケースは持ち歩かず耳に装着したまま出掛ける。そうしていてスマートフォンと離れてしまったりするとBluetoothのリンクが切れてしまったりするのだが、また近づけば再接続される。これは他のTWSでも機器でも同じだ。しかしT17は接続が切れたままある程度の時間が過ぎればスリープリモードのようになるみたいで電源オフの状態になってしまう。そうなるともうどうにもならない。充電ケースを持ち歩いてないので電源オンにできないのだ。タッチしてもタップしてもダメ。反応しない。ここがケースから取り出すだけで使えるということの、ただ触るだけでは何も起きないということの恩恵の裏返しであり、これが私が使う唯一の問題だ。しかも残念というか嬉しいことにEDIFIER X3や今まで使った有線のBluetoothヘッドフォン、イヤフォンに比べて使用可能時間はかなり長い部類だ。この小ささにどれだけ容量があるというのかとも思うが、チップセットが省電力化されているとも聞く。それらも含めて驚きはあった。スマートフォンなどとのBluetoothの接続性は悪くはないが、だだっ広い場所ではなぜか途切れることがある。最初はその周辺にケータイの基地局でもあるのだろうと思っていたが、ただ広い場所に弱い気もする。だが総じて問題はない。
音
音は凄いと思う。価格的にも特筆すべきだと思った。それは旅の終着点と称し讃えたEDIFIER X3と遜色のない音、しかもEDIFIER X3よりも随分安く二千円もしない価格だ。これがまさに以前から信頼していたQCYだ。この価格帯でこの音が聞けるのは素晴らしいと思う。もっと高いのものになればさらにいいものもあるのだろうが、Bluetoothでの接続ということもあり、これだけ鳴れば大満足だ。低音が突出しているとか、高音がキンキン鳴るとかそういうのではなく、とてもバランスが取れているような、何を聞いてもちゃんと鳴っているような、そんな音だ。満足度は高い。私が所有しているT1Cも接続性の問題はあったが音はかなりよかった。それを踏襲していると思う。しかも同じ低価格のままで。
新しいスタンダード
と、だらだら書いてきたが、私の生活の中でこのQCY T17は新しいスタンダードとなった。そんなことを言うと大袈裟だとか、もっといいものはあるよと言われるかもしれない。確かにそうだしそう思う、たがこの価格帯では物としての質感や使用感、音の完成度を含めて完成されていると思う。いや世界にはまだ上もあるのか知れないが、それに出会えるとは限らない。だから現在出会えている中では最高で、これこそが私の新しいスタンダードである。もちろん問題もある、使用感で触れたスリープモード的な電源オフだ、しかしそれ以外にはほぼマイナスポイントはない。 また壊れるんだろうか、という不安もあるが、それはまだ闇の先である。しかし現時点では健やかとしか言いようがない。未来は明るそうだ。だがTWSの旅は続く。今度は楽しくね。
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