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083_シェルターの住民

その住宅に暮らす人がどういう人か、外見から判断できる場合があります。

戸建てであればそれが古いかどうかで住人の年齢は分かります。もう日本は超高齢化社会になって久しいですから、概ね高齢者ですけどね。

昔のように屋外から家の中が見える事はありません。カーテンを閉めている家が多いです。シャッターを下ろしている家も珍しくないですが、オープンにしているところは高齢者だけが暮らしているのだと分かります。
若い世代の家は、夏でも閉め切っています。

地方の古い農家であれば縁側があり、それは大体雨戸が開いています。住人が在宅しているのか分かるようになっていて、いなければ近くの農地に働きに行っているのでしょうか。声をかければ住民とコンタクトが取れます。
それが地方でも郊外の住宅街になれば、中年以下の住人がいれば前述のように大体閉め切っています。おそらく、日本の大部分の家が閉め切ったシェルターの住民になるのでしょうね。

外から見られたくない、プライベートを確保したい、通行人の視線が気になる、騒音がイヤ、気が散る、安心できない、落ち着かない、訪問販売がウザい、宗教の勧誘がウザい、…そもそも面倒くさい
等々、様々な理由があるのだと思います。何だか言葉にすると随分神経症的ですね。

洗濯物を一切外に干さない世帯もあります。花粉など、外気の有害物質が洗濯物に付着するとか、下着を見られるのがイヤとか、そもそも窓を開けたくないとか、これも様々な事情があるのだと思います。
でも家に暮らしているのではなく、地下のシェルターに暮らしているのだと言われれば納得できますね。

中には平然と居留守を使う人がいます。自治会の役員をやっていた時にちょっと困りました。聞こえているのか聞こえていないのか、全く出る気がないのか、とにかくコンタクトが取れないんですよ。個人の電話番号を教えてくれないし(個人情報だからと言ってね)かけても出ない。
大半の人にとって、予期せぬコンタクトもコミュニケーションも煩わしいのです。

そのシェルターに暮らして、では何をしているのでしょうか? ほとんどがスマホをいじっているのだと思います。またはパソコンかゲームです。スマホもSNSも、自分の情緒を維持するためにあるのでしょうか。そうねんですね。
ご近所に数件、老人世帯でテレビを観ていてその音が超でかいというのがありますが、その真逆ですね。大音響のほとんどがニュース番組です。

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