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こてつ
2023年3月23日 20:49
「別に浮かれてるわけやないから」 横にいる者の目も見ずに、弁解の言を垂れたのはケサランである。しばらく二人は黙ってじっとしていたのだが、しんとした場に期待を込めるようにして冒頭の言葉が呟かれたのだった。もちろんこの期待はたいへん危ういもので、なぜなら、ケサランのほうでは不本意を正したい一心で言ったのではなく、沈黙がどうにもたまらなかったので、ほんの何かの進展をと、しんとした水面に小石を投じてみ