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信頼関係を築く視覚支援

『視覚支援が効いた!』の回で、カレンダーを使った視覚支援についてレポートしました。
カレンダーとは別の視覚支援、絵や文字に描いて/書いて伝える方法についてもお聞きしました。

視覚支援、その向こうに信頼関係が

日々の予定をカレンダーに示すのに加え、一日の細かい予定は絵や文字で説明しています。
棒人間と四角と丸くらいのシンプルなものですが、娘の場合は絵の方が納得しやすいです。
やりとりに使った絵を自分で持っていたりするので、それも安心につながっているようです。

たとえば、病院で新しい先生に会うときなど、「髪の毛が長い、こんな先生だよー」と簡単に描きながら話をします。
言葉だけのやりとりでは「髪の毛はどのくらい長いの?」など質問が止まらなくなってしまいますが、絵にして説明すると、それで納得してくれます。

日常場面のすべてで絵を描いているわけではないのですが、大人の都合でどこかに娘を連れて動かなければいけないときは、描くようにしています。

本人が納得できていると信頼関係を築くことができます。
そして信頼関係を築けていると、注射とか、“この日はママの帰りが遅くなる”など、大人の都合で譲れないところについても受け入れやすくなります。
そういう意味でも視覚支援は役立ちます。

納得と理解の間で立ち尽くす…

もちろん、本人が納得している、頭ではわかっているときでも、すぐに気持ちが切り替わらないこともあります。

この間、朝食のトーストをジャムチーズにするか、たらこバターにするかを娘に選ばせたときのこと。
娘がジャムチーズを選んだのに私が間違えて、たらこバターを用意してしまいました。

「ごめん!もう作っちゃったから、こっちでもいい?」と言うと
「…いいよ、わかった」と口で言いながら、ものすごく悲しそうな顔で固まっています。
「誰にでも間違えることがあるから」とまで自ら言い聞かせるようにつぶやき、聞き入れようとしてくれています。
でも、すぐに気持ちまで切り替わるわけではない。

トーストは娘の希望のものを作り直しました。

頭で分かることと気持ちが切り替わるタイミングが一致するとは限らないですね。


実際のイラストはこちら

視覚支援の例

これは、アニメ映画のストーリーについて、娘が質問してきたことの説明しながら描いた絵です。
これだけ見てもさっぱりわからないレベルだと思うのですが、口で説明しても伝わらなかったことも、書きながら説明したら分かってくれました。
本人が知りたいと思ったことを丁寧に説明するのが大事だなと思っています。


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今回のA先生のお話は、ここまで。


コミック会話(棒人間や吹き出しを書きながら状況や場面の理解、振り返りをしていく方法)の研修に参加したとき、講師の先生が次のように話されていました。

なにか問題が生じたとき、介入が必要なときにだけコミック会話を使うと、『紙&ペン=お説教/反省/注意』というネガティブな結びつきができてしまい、紙と鉛筆をテーブルに出すだけで嫌がられる。


A先生と娘ちゃんの間にあるカレンダーや絵での説明などの視覚支援は、これとは反対の方向で、

紙に書くやりとり=理解そして自信

紙を間に置いてママと過ごす時間=安心

という経験を積み重ねられているのかなと感じました。




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