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野鳥

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野鳥についての雑記
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葉っぱの水で水浴びをするメジロのお話(かわいいね)

ヒヨドリは、庭の風呂場に毎日何度もやってくる。水浴びにやってくるのだ。鳥類きってのキレイ好きだ。 水浴びの前は、電線や庭の木にとまって、「ヒーヒーヒー!」と鳴く。水浴び宣言だ。 宣言を終えると、風呂場に一直線に下りて水に飛び込み、バシャバシャ! と派手に水しぶきを上げたかと思うと、ものの1秒で風呂からヒョイと出る。そして、羽をワサワサワサッとふるわせて、羽全体に水滴をいきわたらせる。目をキラキラと輝かせてほっぺたを赤くして、それはそれは幸せそうに見える。 ひとしきり羽をワ

めじろの水浴びのお話

ヒヨドリは、庭の風呂場に毎日何度もやってくる。水浴びにやってくるのだ。鳥類きってのキレイ好きだ。 水浴びの前は、電線や庭の木にとまって、「ヒーヒーヒー!」と鳴く。水浴び宣言だ。 宣言を終えると、風呂場に一直線に下りて水に飛び込み、バシャバシャ! と派手に水しぶきを上げたかと思うと、すぐに風呂からヒョイと出る。そして、羽をワサワサワサッとふるわせて、羽全体に水滴をいきわたらせる。あるときは、その行動を何度も何度も繰り返し、ゆうに10分ぐらい入り浸っていた。長風呂だ。 その

冬のスズメはふっくら膨れ上がってパンを待つ

ひと雨ごとに寒くなる。 この日は北風が強く、ガラス越しに見る鎮守の森の木々も大きく揺れていた。 この強い風を、スズメたちはどうしのいでいるのだろうと思いながら、暖房の効いたパン屋のイートインスペースで、朝昼兼用の食事を採った。 ガラス越しに見えるテラス席では男性が一人、こちらに背を向けて電話をしている。 と、その向こうの生垣の根元に、スズメが2羽、ふっくらふくれあがって並んでいるのが見えた。 電話の男性が、パン屑をこぼしやしないかと期待しているのだ。 男性の電話は続き、パ

スズメのほっぺ

ニュウナイスズメを初めて見ました。ほっぺは白く、あっさりした顔立ちです。 一般的なスズメとの違いは、ほっぺです。普通のスズメのほっぺは黒いのです。そう、はっきり認識したのは、近所のパン屋で見た似顔絵です。 わたしは、そのパン屋のテラス席で、スズメにパンを与えながら食事をするのが好きでした。しかし最近、禁止令が出ました。 「スズメなどの鳥が、欲しがってもパンをやらないでください」 と張り紙が3カ所に掲示されたのです。さほど広くないテラスなのに3カ所も。すごい禁止ぶりです。

シジュウカラに怒られました

近所に、栗の木のある駐車場があります。 ある日、駐車場の西側を囲うブロック塀のそばを歩いていると「、シャーシャー」というヒナの鳴き声が聞こえてきました。 ブロック塀の中で鳴いているようでしたが、覗き込んでも何も見えません。でも、ブロックの穴を一つひとつ覗き込んでいる間も、ヒナはすぐそばで「シャーシャー」と鳴いています。 と、シジュウカラが血相を変えて飛んで来て栗の木の枝に止まったかと思うと、太いネクタイをあっちこっちに振りながらけたたましく鳴きました。 「シャーシャー」の声

ハトやカラスは車を見るのが好き

車に乗っていると、道路の照明灯にハトやカラスが止まっているのをよく見かけます。きっと車が好きなのでしょう。 小さい頃、田舎のおばの家に遊びに行くと、おばは必ず「県道に車見に行こか」と私を連れ出してくれました。ハトやカラスも、びゅんびゅん走り過ぎる車を眺めるのは楽しいのだろうと思います。 車だけではなく、人間そのものを見るのも楽しいようです。 とある工場では朝、従業員が集まってラジオ体操をする様子を、チョウゲンボウが屋根の上から眺めているそうです。たくさんの人間が同じ動きを

うれしいコゲラは「ヒーヒー」と鳴く

朝、近所の林のそばを散歩していると、ヒーヒーと小さな声が聞こえてきました。初めて聞く声です。 誰かな、と辺りを見回すと、コゲラが樫木をコツコツつつきながら「ヒーヒー」と言っていることに気づきました。 長雨が止んで涼しくなって、食べ物もおいしい季節です。 うれしくて「ヒーヒー」と思わず声が出たのかもしれません。 近頃、近所に暮らすよういなったイソヒヨドリの囀りは相変わらず軽やかですが、メジロの鳴き声は粒だって聞こえるようになり、エナガは家族総出で木から木へと飛び回るよういな

リサイタルはもうすぐ

空が白み始める朝4時過ぎ、一番鳥が鳴く。いつも聞こえてくるのは、ヒヨドリの声だ。 ヒ、ヒ、ヒ、ヒ、ヒ、ヒーヒーヒー! 音階は、「ミ、ミ、ド、ミ、ソ、ドードード!」だろうか。音感がないので何とも言えないが、だんだん音階を上げていき、興奮気味に歌い上げる。それを何度も繰り返す、朝っぱらから。その熱心さ、中高生の運動部の朝練さながらだ。 日中は、気つけばいつも、ヒヨドリが歌っている。そんなご近所シンガーを、我が家では「ヒヨちゃん」もしくは、「ヒー様」と呼んでいる。 最初は誰

ごめんね、ヒヨちゃん ~巣立ちの前に~

初夏のある日、庭のイロハモミジの茂みに、ヒヨドリが入っていくのが見えた。何か食べ物でも探しているのだろうと思っていたが、何度もやって来てはゴソゴソしている。ある時は、その茂みからヒョロリと飛び出した何かのツルの茎が、上に下にヒョコヒョコ動いていた。どうやらヒヨドリは、ここで巣作りを始めたようだ。 運のいいことに、巣はリビングの透明の窓越しに見える位置にあり、暗い室内の様子は外からはよく見えないらしい。薄手のカーテンをかけているので、派手に動かなければ彼らに気付かれることはな

庭に小鳥のお風呂をつくってみた ~シジュウカラが常連になった編~

我が家には、猫の額ほどの庭がある。小鳥が来てくれたら毎日楽しいだろうと思い、水場をつくってみた。最初は誰も気付いてくれず開店休業の状態が続いたが、3ヶ月ほど経ったある日、帰宅すると、水場の周りの石がベチャベチャに濡れていた。 やっと来てくれた!一番風呂に入った鳥は誰?その日から、気配を感じるたびに庭を見ることにした。 やがて、シジュウカラが贔屓にしてくれていることがわかった。胸に垂らしたネクタイは黒く太く、立派なものだ。雄だろう。彼をシジュ夫と呼ぶことにする。 シジュ夫

庭にスズメを集めてみた ~冬のスズメ食堂編~

スズメにとって、エサの乏しい冬は生死を分ける季節になる。そこで無事、厳しい冬を越し、美しい春を迎えられるように、朝夕、彼らが好む米を庭に置くことにした。 スズメ食堂の開業だ。 もちろん、告知も宣伝もしない。開店初日は閑散としたもので、石の上に置いた米はしばらく放置されていた。 しかし、モミのついた米しか知らないスズメにとって、脱穀した“むいた米”は食べやすく、格別だったらしい。 「あそこには、うまい米がある」 スズメ食堂の存在はたちまち口コミで広がり、地域一番店になった

父かも知れぬ ~スズメにエサをあげる理由~

夜中に雨が降った翌日、庭に据えた小鳥のお風呂で、スズメたちが賑やかに水浴びに興じていた。いつもなら、昼時に居間のテレビをつけると、「お、もう昼ご飯ですか?」と、窓越しに部屋の中を覗き見てご飯粒をねだるのだが、この日は水浴びに専念していた。それでも窓を開けると、先に水浴びを終えた2~3羽のスズメが嬉しそうに飛んで来た。 その昔、江戸っ子は銭湯帰りに蕎麦屋に立ち寄り、小腹ふさぎに1~2枚の盛り蕎麦をたぐったそうだが、スズメたちも同じだろう。窓の桟にご飯粒を置くと、水浴びを終えた

スナックは水に浸して ~カラスの食事作法編~

カラスも行水をするだけなら、これほど嫌われることはないのだろうが、彼らも生き物だ。行水でお腹が満たされるわけではない。そこで手っ取り早く、エサにありつくためにゴミをあさる。 「ゴミの日」は、彼らにとっては「ごちそうの日」だ。朝の鳴き声も、いつになくご機嫌で、近所を縄張にしている「ヘェーッ、ヘェーッ」と鳴くカラス、通称「へぇちゃん」の声も、心なしかワントーン高い。 ゴミの日は、収集車が来るまでが勝負だ。ゴミ袋にネットがかけられていない、あるいはネットのかけ方が甘い場所は、絶

カラスの行水姿がかわいくて

カラスは何かと忌み嫌われるが、観察していると、なかなか愛嬌がある。クリクリとした黒い瞳はいつも好奇心に輝いており、観察しようとすると、すでに向こうがこちらを観察している。 歩く姿や水浴びをする姿は、なかなかいい。 ある日、近所の浅い小川の岸辺をお尻を振って歩いていたかと思うと、うれしそうにピョン、と跳ねて川へ飛び込み、水浴びを始めた。ものの数秒で岸辺に上がって、再びお尻を振り振り歩き始めたが、よほど行水が気持ちよかったのだろう。「もう、我慢できない!」といった様子で、またピ