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小学生の算数をあなどるな!| 単利的思考の呪縛

 理屈ではわかっていても、瞬時に聞かれたとき、判断を間違えることがある。しかも、小学生的な算数の問題で。

 たとえば、次のような問題。


問題1


あるピッチャーがボールを投げました。1球目は150kmで、2球目は160kmでした。1球目と2球目の平均時速は何kmでしょう?


よくある間違い


150 + 160 = 310 
310÷2=155 

よって、時速155km/h
❌❌❌


こんなふうに考えたら間違いなのに、
意外と引っ掛かる人は多い。


正しい答え


ピッチャーとキャッチャーの距離を
L とすれば、
2回球を投げれば距離は2L。

かかった時間は
それぞれ、
1球目が  L/150 
2球目が  L/160 。

よって、

2L÷(L/150 + L/160)=154 + 26/31 

およそ154.8 km/h


この問題で使えるのは、調和平均


問題2


ある都市の去年の人口が
100万人で、
今年は30%増加して
130万人になりました。
このペースで人口が増えるとき、
人口が200万人を越えるのは、
何年後ですか?


よくある間違い


1年で30万人増えたから、
来年は、160万人。
再来年は、190万人。
その次の年が220万人。

だから、今から3年後
❌❌❌


正しい答え


去年より3割増えたということは、
来年の人口は
130万 × 1.3 = 169万(人)。
再来年の人口は
169万 × 1.3 = 219.7 万(人)。

2年後には、200万人を超えている。


冷静に考えれば、さほど難しくはない。
問題としては小学生の知識である。
だけど、とっさに聞かれると意外と間違えてしまう人は多い。


なかなか「一次関数」的な思考というか、単利的な思考から抜け出すことは難しい。
指数関数って、数学の問題として与えられれば出来ても、日常生活で使えない人は多いと思う。

こういうのって、意外と理系の人でも間違える。


 


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