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子どもも親も幸せになれるように、一人ひとりの選択に寄り添いたい

保育士の資格を活かし
にんしんSOSの相談窓口だけでなく
project HOME「ぴさら」での支援や
小学生への「命の授業」にも取り組んでいる
まぁちゃんのお話です

子どもを守るためには、妊娠期からの支援が必要

私は、ピッコラーレの中では珍しいんですが、保育士です。
以前は、24時間保育をしている園に勤務していました。そこで、いろいろな事情を抱えた家庭があることを知りました。
虐待とか、子どもが不幸せな話をニュースなどで見ても、心を痛めていました。

子どもを守るために、自分にできることは何だろう。

福祉の資格は持っていないけれど、保育士の資格を活かせることはないかと、本当にいろいろ探しました。
探している中で、ピッコラーレの理念が目にとまり、研修を受け、子どもを守るためには妊娠期からの支援が必要なんだ、と強く思いました。
それで、ピッコラーレの相談支援員として働くようになりました。

ピッコラーレのめざす社会
児童虐待で亡くなる子どもの年齢で最も多いのは、0ヶ月0日。
生後間もない、へその緒がついたままの乳児を遺棄せざるを得なかった彼女、そして彼。そこから見えるのは、彼らの恐ろしいほどの孤独と孤立。
ピッコラーレは、彼らに寄り添いつながりたいと考えています。

ピッコラーレHP(ピッコラーレについて)より

「ぴさら」で感じる難しさと楽しさ

「にんしんSOS」の相談業務では、メールや電話でのやり取りがメインです。顔が見えない相談者さんのことを、ちょっとした言葉遣いなどから色々想像して対応します。
「ぴさら」では、実際に顔を合わせて、一緒に時間を過ごします。そこが、いいところであり、難しいところです。
「ぴさら」に来るまでには、みなさん、いろいろな経緯があります。その人それぞれに合わせた支援になるように、気を使っています。できるだけ嫌な思いはさせたくないし、心にゆとりを持って過ごしてほしいと思っているので。

例えば、利用者さんと会話が弾んだとしても、本人が楽しいからというより、大人に気をつかって話を合わせているのかな、と思ったり。
ちょっとした時間があった時に、今は話しかけた方がいいのかな?一人の時間にした方がいいのかな?と考えたり。
生活を共にする難しさというか。ささやかな配慮に難しさを感じています。

料理を一緒に作ったり、食べたり、その時に何気なくおしゃべりしたり。「ぴさら」ならではの楽しさも、もちろんあります。

でも、ふとした一言でも「この一言でこの人の人生が変わってしまうかもしれない」と考え、難しいと思うことがあります。特に、今後のことを悩まれている方と接するときには。軽々しく話せないな、と思います。

「ぴさら」は良い意味で、自由度が高い場所です。

不安や悩みは、みんなにあります。でも、ここではゆとりを持って過ごして、自分で選択できるように、自由度を大切にしています。産むか産まないか、自分で育てるかどうか、どんな選択肢でもフォローしようという場所だからです。
自立してほしいからといって、子どもっぽくしていてはいけない!という雰囲気は「ぴさら」にはありません。むしろ、スタッフがお母さんみたいに気づかって、みんなで一軒家に住んでいるような家族的な場所です。

ここで過ごしたことが、いい経験になったら、うれしいです。

「ぴさら」はproject HOME第一号
project HOMEはピッコラーレの居場所事業。居場所を失った若年妊婦に「いつでもおいで」と言える場所。2020年春、豊島区でオープンしたその第一号を「ぴさら」と名付けました。


小学生に「命の授業」

保育士だから子どもたちの対応がうまいだろうということで、「ぴさら」の近くの小学校で「命の授業」を担当しました。
想像していたよりも、ずっと子どもたちの食いつきがよかったです。後で聞いたのですが、お母さんたちからも「一緒に聞きたかった」と言われたそうです。
説明はパワポで私がしたのですが、ピッコラーレ・スタッフの妊婦さんのお腹から赤ちゃんの心音を聞いてもらったり、お人形(赤ちゃんの重さや大きさを再現したもの)を抱っこしてもらったり、感覚的に理解できるように工夫しました。
「自分が生まれた時はね〜」なんて言葉も聞けて、子どもたちが話を受け止めて考えてくれてるんだな、と感じました。
良い経験だったと思っています。

「性教育」というとグレーゾーンというか、扱いが難しいところがありますが、「命の授業」として、小さい時から子どもたちと話せるのはいいなと思いました。

子どもの幸せのために大切なことは‥

保育の仕事を通じて、子どもたちが幸せに育っていくためには、お母さんやお父さんが幸せである必要があるんだと強く思うようになりました。
24時間保育の園では、なかなかお迎えに来られない保護者もいました。生活のためにお金を稼がなくてはいけないから、という理由です。
お金に限らず、色々な理由で子どもを見られない、子どもを見る時間がない、余裕がない保護者がいます。
保育の現場では、子どもだけでなく、お母さんの様子も見る必要があると学びました。

もっとお母さんたちに余裕を持ってもらいたい、家庭での支援をしたいと思って、シッターの仕事を始めました。今もピッコラーレだけでなく、シッターの仕事も続けています。
家庭の中は、外からは見えません。
見えないところに、たくさんの課題があることを知ってほしいと思います。
家庭の中の問題は、ぱっと見では分かりません。たとえ普通に見えたとしても、中身は分かりません。
シッターなどで家庭に入ることで、はじめて、親子関係や周囲のものなどが見えてくることがあります。

世の中には、支援が必要でも、自分からは支援につながることができない人がいます。
ピッコラーレの相談でも、自分だけの力では、行政や支援になかなかたどり着けない人がいると実感します。
そういう人たちを見捨てないでほしいです。
ピッコラーレへの支援は、そういう人たちへの支援なんです。

やさしい言葉をかけたい理由

相談業務の時、私の返信メッセージが「やさしい」と仲間から言われることがあるんですが、それには理由があるんです。

実は、自分自身、妊娠葛藤の経験があるんです。
今の夫と付き合っていたころ、保育科の学生時代に妊娠したので、周囲からは出産を反対されました。
それこそ、「死にたい」とか「誰もわかってくれない」と思って、悩みました。17歳とか18歳とかではなくて、20歳を過ぎていたんですけれどね。
でも、保育科だったから知識や情報が得られたというか、いろんな支援があることを教えてくれた先生がいて、励まされました。

誰かが一人でも話を聞いて、励ましてくれるということはとても大きいことです。どんな選択だとしても、そんな大人が一人でもいてくれることで頑張れるということを肌で感じました。
だから、そういう気持ちが伝わることを大事にしたいと思っているんです。

その時の子どもが、今はもう、小学校を卒業するまでに成長しました。
話を聞いてくれて、励ましてくれた人の存在があったからこそ、今の私があるんです。

現在ピッコラーレでは、「あなたと一緒に「一人じゃない」と言える社会をつくりたい。ピコサポ150人募集キャンペーン!」を実施しています。
ぜひ、「にんしん」をきっかけに、だれもが孤立することなく、
自由に幸せに生きることができる社会の実現をめざして、
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