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南イタリアに住む難しさ

南イタリア、カンパーニア州に夫の地元の町があり、
そこにしばらく滞在している。
毎日、文化の違いを肌で感じて、発見がたくさんある。

現在は夫の実家に滞在していて、
親戚と会話することがほぼ毎日である。
近所にすむ親戚のある30代後半の女性と話す機会があった。
3人の子供を育てていて、末っ子はまだ小学生。
その女性の旦那さんは単身赴任で週末だけ家に帰ってくる生活で、
3人の子供は幼少の頃から、彼女が一人で面倒をみてきた。
祖母のお世話もしていて、彼女は家族のために生活を支えている。

その彼女は私に、

『子供が産まれても、絶対仕事は手放しちゃだめだよ。

私は間違った選択をしてしまったから。

夫はそばにいないし、両親もそばにいないから、

一人で子供を育てるしかなかったから、

私は仕事をそのまま手放してしまった。

今子供たちが大きくなって、

教育にもお金がかかるようになったけれど、

私はずっと仕事をしていなかったから、

今から仕事を見つけるのは難しい。

特に南イタリアは仕事は簡単に見つからないし、

あったとしてもお給料は低い。

なかなか難しい状況だよ。』

とアドバイスをくれた。

日本でも専業主婦を経験した女性は
同じようなことを感じているかもしれない。
しかし、ここ南イタリアの状況は、
もっと深刻に感じる。

日本では子供が大きくなったあと、
パートで気軽に働きはじめることができる。
しかし、ここではそれすらも見つけることが難しい。
もっと状況を厳しくさせるのは、家族の考え方。
女性が働くことをよく思っていない家族が
まわりにいるということだ。
彼女は働きたいといっても、
家の仕事をやりなさいと、周りにとめられた、
というのだ。
この点には、非常に驚いてしまった。

日本では、
また違った社会問題が存在しており、
難しいところが多くある。
しかし、ここ南イタリアも、
女性に対しての考え方はとても古典的で、
女性が自分自身の力で、
自立できない現状があるという事実が見えてきた。

ここでの暮らしに慣れるのは
とても大変である。
しかし、新しい発見が毎日あり、
世界の見え方が変わっていくのを
日々実感している。

考えさせられることがたくさんあって、
非常におもしろい毎日である。




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