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料理写真とは? <05> 「一番難しかった撮影って何ですか?」

「これまでで一番難しかった撮影ってなんですか?」

飲食店さんでの撮影中に最も多かった質問ダントツNo.1
料理撮影歴15年以上なので過去に10万皿?ぐらいの料理を
見て撮影して来た。
おこがましいけれど今となっては難しいと思うものはほぼない。

逆を言えば全てオンリーワンなので出会った料理全て難しい。

お皿の上に盛られているだけ・・・のように見えるが
実はボクの頭の中では
(一番見せたい部分はどこだ・・・?)
(これで完成かな?さらにソースかかるのかな?)
(切り口の断面がどっち向いている?)
(ツヤ感は出るか?)
(料理の温度感はどれぐらいだろう?熱々?)
(どの角度から撮ろうか・・・?)
(汚れや余計な水滴はないかな?)
(盛り付けの違和感はないかな?)などなど

料理が運ばれてきて「わー美味しそう!」と3秒間見たら
そのあとは上記の疑問が頭の中をグルグル回っている。
このチェック項目は経験を積まないと中々すぐには出てこないと思う。

箸上げやスプーン上げ、焼肉、炭火焼き鳥、卵の黄身がとろり・・など
シズル感ある写真は難しいと思うだろうが

実は使う機材によって全て手順がある


手順さえ間違えなければ実は誰でも撮れるのは意外と知られていない。

お店のスタッフさんは今までいろいろと自分たちで撮影してみて
その難しさを実感したからこそタイトルのような質問が出るのだと思う。

美味しそうに見せるって構図、角度、明るさ、色温度、照りツヤいろいろ複雑に絡んでくる。さらには<1>で書いたようなマーケティング要素も絡んでくる。
・お店の雰囲気に合わせるか?
・影の強さは?
・カジュアルに見せるか、高級に見せるか などなど

でもじっくり考えている余裕はない。


時間をかければ料理はどんどん乾いていくし、
海苔はしなしな、青みは火が入ってしまう。

料理写真の一番の難しさは瞬時にいろんなことを考えて
瞬時に判断し、発想を膨らませて素早く撮ることなのかもしれない。

難しいこととは違う「気を遣う部分」は和洋中でそれぞれ違うので
また別の機会に書き留めたいと思う。


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