54字の物語 Vol.696〜700

696.神戸
697.嘘吐
698.浅慮
699刺殺①
700.刺殺②


【Vol.696『神戸』について】

「神戸」は、今では地名や人名にしか使われておりませんが、その読み方には色々あるのです。

こうべ
かんべ
ごうど(こうど)
かんど
ごうべ
かみと(かみど)
かど
かのと
じんご(じんこ)
じんど

地名か人名と書きましたが、元々は、神社に纏わる言葉だったそうです。
その昔、神社に寄進された封戸(ふこ)のことを「神封(じんぷ)」と呼んでいたそうですが、神封の中でも神社に奉仕する人は、特に「神封戸(じんふこ)」と呼ばれていたのだとか。

神封戸が短くなって、神戸となったそうだが、その際の読み方は「じんこ」又は「かんべ」だったと記録に残っているそうです。

つまり、神戸の正しい読み方は「じんこ」か「かんべ」になるのですが、残念ながら「じんこ」という読みはほぼ残っていない為、現在では「かんべ」が一般的な読み方とされています。
実際、「神戸」さんという苗字の方は、ほとんどが「かんべ」さんなのです。

そこから訛ったり変形したりで、色んな読み方が広まったのですが、中でも兵庫県神戸市が突出して有名になった為、「こうべ」が一般的な読み方みたいになりました。

今では、「かんべ」と言ってもまず伝わりにくいでしょう。
「こうべと書いてかんべと読む」と言わないと通じないのです。
本当なら、「かんべ市と書いてこうべ市って読むんだ!」と言ってあげないといけないのですけどね。
言葉って難しい。


※本日分を持ちまして、700作に到達しました。
未公開のストックは残り僅かしかありませんが、今後は新作を交えながら、マイペースで更新していこうと思います。
今後とも、よろしくお願いいたします。