見出し画像

なんでも「わかる」ことが大切

料理上手な人の体の動き

料理が上手という人がキッチンに立っている様子を見ると、動きが流れるようで澱みなく、手際よく仕事を進めていきます。オーケストラの指揮者を見ているような気分になることもありますよね。
では、なぜそのようにたゆたうような動作で料理ができるのでしょうか? それはまず第一に、道具や調味料の場所がわかっていて、材料を揃えているから。次に調理の基礎をしっかり身につけていて、考えずにできるから。りんごの皮剥きひとつとっても、初めて包丁を持って皮を剥く子供と、慣れていてスルスルと剥いていく大人とでは動作の流れに大きな違いがあります。

つまり、何事もすんなり行くためには「わかっている」ことが大切になるのです。

音楽をスムースに演奏するには

料理における「道具や調味料の場所がわかっている」にあたるのは楽譜の読みでしょうか。楽譜をスラスラ読めて、次に弾く音を考えずに認識できる力、音の高さとリズムだけではなくそのほかの要素もつかみとる力ですね。「材料を揃えている」に当たるのは、楽譜と楽器の音を出す関係を把握していることかなと思います。「調理の基礎を身につけている」というのは、楽器の演奏テクニックに当たるでしょうか。
つまり、楽器で「いい演奏」をするには楽器のテクニックを身につけるのは必須の事項ですが、それだけでは足りないということです。

さらに深みのある音楽にするには

料理は文化であって、その文化に相応しい材料、調味料を揃えることでもっとそれらしい料理になります。フランスにはたくさんの「エセ日本料理屋」がありますが、味もさることながら文化的にあり得ないと思うことが多々あります。これらの料理は「日本料理からインスピレーションを受けた料理」ではあるものの「日本料理」とは言いたくないな、と思うものもあります。
音楽も文化です。音の高さとリズムが正しくて、強弱や表情記号が正しくても「その曲らしく」ならないことがあります。そこが文化的背景を知ることが大切である理由です。
メヌエットにはメヌエットの、ワルツにはワルツの三拍子のリズムがあります。そういったことを「わかる」のも良い音楽を演奏するためには大切になります。

メルマガ読者限定でプレゼント企画

メルマガ登録者にオンラインアドベントカレンダーをプレゼントいたします。
フランスのクリスマスソングを毎日解説付きでお届けします。時にはボーナスでPDFも!

今からでも12月1日からの分を全て見ることができますよ!

登録は こちら から。

フォルマシオン・ミュジカルを中心とした音楽話のメルマガは原則として毎週月曜日に配信しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?