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リズムよく演奏するために大切なこと

リズムと拍の違いを理解する

リズムはアクセサリー、拍は基盤となるもの。一言でいい切ってしまうとこれに尽きます。
リズムはアクセサリーなので色々な形になります。音楽に表情と生命力を与えるのがリズムの役割です。ラヴェルのボレロにおける曲を一貫して聴こえるリズムは、あのリズムの形だから曲を曲として成り立たせる役割を果たしています。それくらいリズムは大切なものです。
それに対して拍というのは一定の速さで刻むものです。いわば時計の秒針みたいなもの。時計の秒針が一定に刻まなかったらその時計は修理が必要ということになりますよね? 音楽における拍も同じ。一定に刻めることで音楽が生きたものになります。
もちろん音楽を演奏するのは人間なので、感情の変化で拍の刻みは変化します。それは興奮したら心拍数が上がるようなもので、不規則に思い立ったように打つのとは違います。

リズム感のある人は耳コピが上手い

耳コピで音楽を演奏「できる」人はリズム感がいいです。リズムを聴き取ってそれを再現できる人は、鳴っている音の高さだけを再現している人よりは確実に音楽を写し取れることになります。
ここに「耳コピだけ」で演奏することの危険が孕んでいます。楽譜を読んで演奏する訓練をある程度積んで耳を訓練した人ならば、曲によっては耳コピで音楽を演奏することもできます。そもそも音高、音大受験の聴音というのは「耳コピしたものを楽譜に書き表す」ものとも言えるわけで、楽譜が読めることと耳コピで演奏することの両方ができる人は当然の如く存在します。
だからこそ、音楽を演奏したい人はまずは基本的なことを先生について習って欲しいと思います。楽譜をスラスラ読めるかということは独学でも不可能とは言いませんが、リズムを再現できるかということは、先生に直してもらう方が断然効果的。YouTubeで説明されても自分がその通りにできているかは先生に確認してもらうことで確実なものとなります。

バレエを習っている子のリズム感

私の生徒にバレエを習っていて(コンクールに通るくらいのレベルです)、ずっと耳コピでピアノを弾いていた中学生がいます。バレエを習っているということは音楽を聴き、そのリズムに合わせて踊る習慣を持っているということ。それが生きているのか拍を維持する力があるようです。残念ながら全曲を通して一定の拍を維持することができないことがありますが、部分部分では一定の速さで維持ができていて、リズムの意味もわかっているようです。
楽譜を読む時にリズムを正しくできるかというのは「楽譜を認識する力」になるのでまた違いますが(この生徒さんの場合、譜読みの時はまだ注意を促さないとならない)、認識したものを正しく表せるかということになるとこの拍感が重要になります。
ちなみにこの生徒さん、頭の中で拍を数えてということが苦手だそうです。それでも拍を守りつつ演奏ができるということは感覚に拍が染み付いていることですよね。
楽譜が読めるかどうかも大切ですが、拍感を身体で持っていることが音楽演奏の上では大きな役割を果たすことになるなと感じています。

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