見出し画像

フォルマシオン・ミュジカルを取り入れるのに必要な力

フォルマシオン・ミュジカルをレッスンに取り入れたいという先生はいらっしゃいますか? 今日はそのために必要な力を考えていきたいと思います

最低限のソルフェージュ力

最低限と書きましたが、楽器を教えていらっしゃる先生ならほぼお持ちだと思います。ここでいうソルフェージュ力は、日本で教えられているソルフェージュと同義です。音符の高さとリズムが同時に読めて、聴き取れる力です。

フランスのフォルマシオン・ミュジカルは「総合基礎音楽教育」となっていますが、ソルフェージュ力はかなり求められています。うちの子は、スメタナ作曲の交響詩「モルダウ」の冒頭を聴いて書きとるということをしていました。ソルフェージュ力は音楽をやる基礎の基礎ですので、フォルマシオン・ミュジカルでもまずはソルフェージュ力に比重が高いのは否定できません。
個人的には第二課程のソルフェージュはアマチュアなら無理にやらなくてもいいと思うところはあるのですが(それよりは第一課程で学んだ事を補強してほしい)、フランスのコンセルヴァトワールは第二課程まではプロを目指す子もアマチュアの子も同じクラスなのもあり、いいアマチュアになるためにあって無駄な能力でもないのはあります。

楽曲を読み取る力

最低限の楽典、楽曲分析の知識ですね。この曲からどういったことが学べるかを考えるにあたって、この曲ができている要素を読み取れる力が必要になってきます。楽曲分析といっても、作曲家がやる楽曲分析でもなく、音楽学の学者がやる楽曲分析でもありません。演奏するにあたって、その曲がどういった構成になっているのか? 特徴づけているものは何なのか? を見分ける力が必要になってきますが、それを初心者、初級者むけの楽曲でできるようにといった力になります。
和声の知識も大切になってきます。といっても音楽大学で受けた和声の授業のように四声体の課題を実施するという力が必要なのではありません。まずは終止形を見分ける、聴き分ける力ですね。これも子供のフォルマシオン・ミュジカルの課題に出てきています。

基本的な音楽史の知識

音楽史といっても大袈裟な話ではなく、バッハが生まれた時期とか、ベートーヴェンが暮らした国といった大雑把なことです。
同じ国の作曲家でも時代によってスタイルが違う、同じ時代の作曲家でも国によって違うということを感じ取るための指標になるものが必要なのです。

バッハのメヌエットをショパンのワルツ風に弾いたらおかしいですよね? ソナチネアルバムの作品をシューマン風に弾いたらなんかちょっと違うってなりますよね? ではなぜそういうことが起こらないのか? それは音楽史の知識があるからです。

最後に音楽を楽しむ力、楽しめるように伝える力

何はともあれ音楽を味わって楽しむ力が大切になります。

コンクールを目指して必死で練習するのも時には必要ですが(だからって長時間ただ弾いているだけでは意味はないと個人的には思います)、それよりも音楽を心で感じ取って、自分のものにする力が欲しいですね。それがあれば、上記3つの力は自ずからついてきます。
言い換えれば、上記3つがあってもこの最後の力がないと、生徒さんにフォルマシオン・ミュジカルを教えても伝わらないのではないかなと考えています。
そして、この最後の力は教えることがほぼできません。上記3つは講座を受講して知識、経験をためていくことでついていきますが、それらを総合して音楽を楽しみつつ、生徒さんも楽しめるように伝える力は一筋縄ではいかない、そう感じています。

フォルマシオン・ミュジカルを取り入れるための講座

そんな講座を企画しています。近日中にこちらでご案内できると思いますが、前回のバルトーク講座同様、メルマガ先行で募集したいと思っています。
興味があるという方、こちらのリンクからご登録をお願いいたします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?