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ソルフェージュ教育今昔

日本から戻ってきたばかりなので、今回も手短に。

ここ数日、現在のソルフェージュ教育について知見を広げる機会がいくつかありました。
某一流音大付属の音楽教室で行われているソルフェージュ教育を垣間見させていただいたり、国立の一流大学付属高校のソルフェージュ体験授業の様子をYouTubeで拝見したり。小学生で合奏のスコアを読ませたり、中学生に実際の楽曲での聴音を試みるなど、いずれもフランスのフォルマシオン・ミュジカルに通じるものがあるなと感じさせるものでした。

一方で別のところで知った、中井正子先生著のドビュッシーと歩くパリを日本で購入し、中井先生が幼少時に受けたソルフェージュ教育の内容を読んで「そう、私もそれだった」と同意してました。留学当時のフランスのソルフェージュ教育と比べて雲泥の差だったとのことです。その頃のフランスと現在のフランスでも違いはあるはずですが(フォルマシオン・ミュジカルにはなっていなかった時代と思われます)、日本のソルフェージュ教育も変わって欲しいと書かれていました。
確かに、私が藝大で受けたソルフェージュ教育は「アクロバティック」とも言いたくなるような側面があったことは否定しません。高度な譜読み能力、演奏能力が求められるのはともかくとして、実際の楽曲演奏にどれだけ結びつくのか、となるとはっきりしたことは言えないな、と個人的には感じています。

変えようとしてもなかなか変えられない、変わらないというのは世の常ですが(我が身を振り返っても、生活習慣など変えたいと思うことをなかなか変えられないので)、冒頭に記したように、少しずつ変わってきてはいます。
小学生に合奏スコアを見せるというのは、自分が演奏している楽器以外のことを知るきっかけになりますよね。
音高受験生を対象にした体験授業では、30分程度の時間である楽曲の冒頭9小節を取り扱っているのですが、メロディーを聴き取って覚えて歌ってって、温厚を受けようとする中学生なら能力的にはできるはずのこととはいえ、実際にやったことがある生徒さんはどれくらいいるのだろう? と思いつつ見せていただきました。

こういった経験を若いうちにしておくことで、音楽に対する視野が広がるはず。日本の音楽教育もまだまだ捨てたものではないな、と感じました。

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