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複数曲のマスタリングとDDPについて(マスタリング虎の巻2)

こんにちは!トラックメイカー/エンジニアのPIANO FLAVAです。

第二回目の今回は、アルバムなどの複数曲のマスタリングと、DDPについて解説します。それではぞうぞ!

アルバムのマスタリングの流れ

1. DAWで1曲ずつマスタリング
2. DDPを作成できるソフト(WaveLabなど)にアルバム全曲を読み込み
3. 曲間調整
4. ISRC、JANコード、曲名などの入力
5. DDP&PQシート書き出し

となります。1の作業がいわゆるプリマスタリング、2から5がオーサリング(=音以外の仕上げ)ですね。

例えばWaveLabで、各曲ごとに別々のプリマスタリングを施していってもいいんですけど、CPUのパワーが足りなくなることも多いと思うので、DAWで一曲ずつマスタリングしていきましょう。

アルバム全体をマスタリングする場合、各曲のラウドネスはもちろん周波数バランスや曲の雰囲気が曲ごとに大きく異ならないように注意しながら、でもクリエイティビティを持ってマスタリングに臨むのがいいと思います。

DDPとは

「Disc Description Protocol」の略。米国DCA社が開発したCD用マスターデータのフォーマットです。

曲間は何秒?とかISRC(曲固有の国際的識別コード)JANコード(別名POSコード。いわゆるバーコードのこと)が、音源と一緒に入ったファイル形式というわけですね。

作成ソフトによっても異なりますが、

1:音楽イメージ(.DAT)
2:識別子(DDPID)
3:ストリーム記述子(DDPMS)
4:サブコード記述子 (PQDESCR)

の4つが最低でも含まれます。

中身はこんな感じ

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DDPを作成できるソフト

DDPを作成できるソフトには以下のようなものがあります(Windows用が多い)。

Eclipse Image Encoder
HOFA CD Burn & DDP
Magix Sequoia
Merging Pyramix
PreSonus Studio One Professional
SADiE
Sonoris DDP Creator
Steinberg WaveLab
など。

参考:https://en.wikipedia.org/wiki/Disc_Description_Protocol

PQシートについて

CDプレス業者さんに納品するときに必須なDDPですが、このときPQシートと呼ばれる、以下のようなトラックリストも一緒に提出します。

プレス業者さんが、DDPファイルに間違いがないか確認するための一覧表ですね!

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上記は実際のSaint Vega「能動的Silece」のDDPファイルからPQシートを書き出したものです。ISRCが連番になっているのがわかると思います。

オーサリングの注意点

できる限り、レーベル・コピー(レコード会社が発行する、アルバムに関する様々なデータが記載されたシート)をもらいましょう。

ISRCなどのタグ入力は、手入力ではなくコピー&ペーストの方が間違いが少ないです。

レーベルコピー

画像:「マスタリングについてのいろいろなお話」Vol.2

すべてのタグ入力が終わってDDPを書き出したら、念のため、書き出したDDPをまた読みこんで、最初から最後まで通して再生してみましょう。

ノイズや曲順など問題なければ完了です!!

まとめ

というわけで、マスタリング虎の巻の第二回目でした。

1曲1曲のマスタリングも楽しいですが、アルバムのマスタリングも、曲の流れなどを意識しながらマスタリングすることができてとても楽しいですよ。

それではまた!PIANO FLAVAでした。

参考リンク

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