GLドラマ『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる』スペシャルトークショー、公式レポート【PIAMYフェス2024】
レズビアン・セクマイが出会えるSNS型マッチングアプリ「PIAMY」が手がける、ユーザー限定の大型イベント「PIAMYフェス2024」が7月14日(日)、新宿LUMINE0にて初開催。会場には600人もの来場者が訪れ、コンセプトである「レズビアン・セクマイのつながる世界、広がる未来」を実現。
「つながり」をキーワードとしたオフ会、トークショー、セクマイライフ相談ブースなど、さまざまなコンテンツを体験していただきました。その中でも特に反響があったのが、現在放送中のGLドラマ『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる』のスペシャルトークショー。
『あやひろ』こと『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる』は、オフィスを舞台にしたガールズラブコメディであり、原作者のSal Jiangさんによる漫画シリーズからドラマ化が決定。7月4日から放送が開始されました。
実はPIAMY運営チームの山﨑が、第一話の主人公・弘子先輩がビアンイベントで女性たちに囲まれるシーンに呼んでいただいたことからプロデューサーさんと会話を交わし、レズビアンの西原啓子さんが経営するバーにレズビアンインフルエンサー当事者が登場していること、キャストさんがLGBTQ+について勉強されていること、プロデューサーさんがコミュニティとの繋がりを大切にされていることなど、知られざる丁寧な作品作りについて知りました。
この撮影の裏側や作品にかける想いをもっと多くの当事者に知ってもらいたいとの思いから、PIAMYフェスに参加いただけないか熱いラブコールをお送りしたところ、なんと主演の森カンナさん、原作者のSal Jiangさん、さらにプロデューサーの上浦さん、大杉さんが快く参加してくださることになりました。
PIAMYフェス当日、トーク前の打ち合わせで「GL作品とリアルなレズビアン・セクマイコミュニティを繋げていただき感謝しています」とお伝えしたところ、森さんは「とんでもないです。こちらこそ、このようなイベントに呼んでいただきありがとうございます」と答えてくださいました。
ステージ前の客席は超満員で立ち見も何列にも連なり、これまでに体験したことのないような一体感ある期待が充満する中で、トークショーが始まりました。司会の一ノ瀬文香さんがゲストを呼びこむと、お馴染みのOP主題歌とともに4名が登場。会場は盛大な拍手と歓声に包まれ、すでに『あやひろ』が当事者に愛されている素晴らしい作品であることを表しているようでした。
PIAMYフェスが開催された7月14日は、ドラマの初回放送から10日目。森さんとSal Jiangさんは「想像以上の声をいただいていて嬉しいです。びっくりしています」と心境を明かしました。さらに、ドラマ化の話を受けた原作者のSal Jiangさんは「次元を超えて弘子と彩香が出てくることにドキドキ感でいっぱいでした」と話しました。
ドラマの生みの親であるSal Jiangさんは、撮影現場では「お母さん」と呼ばれているそう。トーク中、森さんがSal Jiangさんを「お母さん」と呼びかけると、会場内は笑いが起こりました。それに対し、森さんは「お母さんって呼んでるんですよ。この言葉は現場で生み出されました」と説明。
そして、Sal Jiangさんが作り出した『あやひろ』については真剣な面持ちで「”お母さん”が魂を削って一生懸命書いた作品です。しかも、プロデューサーの上浦さん
が4年間温めてやっと話を通していただいたとか。レズビアンの話を描くこともそうだし、覚悟を持って向き合いたいという気持ちがあったので、緊張感がありましたね」と語りました。
司会の一ノ瀬さんが会場の声を反映するように「4年間も!」と強調すると、プロデューサーの上浦さんは「(隣にいる)大杉さんとは2年間、ドラマシャワーでBL作品をやっていたのですが、GLをやりたいとの思いがありまして。やっとここまでこれたという感じです」とコメント。来場者からは大きな感謝と「待っていました!」と言わんばかりの拍手が送られました。
PIAMYアプリ内でも『あやひろ』が放送されると、「このシーンが最高だった!」「弘子先輩にドキッとした」など、多くの感想が投稿されています。さまざまな魅力的なシーンがある中で、森さんは特にエンディングがお気に入りだと話しました。弘子先輩と彩香ちゃんが一緒に夜の一本道を歩くシーンです。だんだん遠ざかって行く2人の後ろ姿が印象的なこのシーン、実は一本撮りとのこと。さらに「実は毎話使いどころが違うんですよ」と見どころを教えてくれました。
Sal Jiangさんは「やっぱり彩香ちゃんのアピールが可愛くてキュンキュンします。これから可愛いシーンが続くので注目していただきたいです」と話すと、森さんは「彩香ちゃん可愛い。喰らってます」と心の声を漏らし、会場は今日何度目かの歓声が上がります。
世間一般に「GL」と聞くと、「尊い恋愛ファンタジー」というイメージを持つ人も少なくなく、実在するコミュニティと乖離があることも。トーク中盤には、GLという女性同士の物語を描く作品と向き合うことについてプロデューサーの2人が語りました。上浦さんは「あやひろをドラマ化するにあたって、エンタメの中でガールズラブコメディをやりたいという気持ちが根幹にありました」と話し、「今あるリアルをドラマにしたいという強い想いに賛同した人たちが集まった作品です」と語りました。
続けて大杉さんは「上浦さんとGLドラマを作りたいという思いで原作を探している中でSal Jiangさんが書かれた『あやひろ』という作品に出会いました。そこには、レズビアンやセクマイ女性のあるあるがエンタメとして描かれていたんです。ただ、私たちのあるあるという視点だけではなく、女性同士の恋愛に触れたことのない広い層にも届くように作っていこうねという話を上浦さんとしてきました」と加えました。
後半は、急遽来場者からの質問を受け付けることに。来場者から「女性同士で近い距離で撮影することについて、特に大変だと感じたこと」について聞かれると、森さんは「撮影現場では、最初は緊張感がありました。けど私は(弘子先輩の役柄上)慣れてないといけないと思っていたのでそこが難しかったです。最初は『よしっ、いくで!』と気持ちを切り替える瞬間はありましたね」と役作りについても話してくれました。
実は司会の一ノ瀬さんも、第一話のビアンイベントのシーンに登場しており、そこで弘子先輩が一ノ瀬さんの肩に手を回す描写がありました。「森さんはしっかりされているので、カメラが回る前に触れていいですか、と確認していただいたんですよ」と、当時の撮影での出来事を振り返ると、森さんの行き届いた配慮に来場者から拍手が起きました。
そして、一ノ瀬さんは「実はSal Jiangさんも第一話に登場していまして」とバトンタッチすると、Sal Jiangさんは「今回は許される限り自分も参加していこうと思っていました。みなさんと一緒に作っていけたらなという気持ちがあったので、脚本入りから撮影まで参加させていただいたんです」と、ドラマ化にあたっての意気込みを話しました。
最後に森さんは、自身の言葉でレズビアン・セクマイコミュニティに向けての想いを語りました。
「この作品が決まる前、日本人女性カップルがカナダで難民認定を受けたというニュースを見ました。私はアメリカに留学しに行った時、女の子同士で手を繋いで歩いてるところなどを見ていたので、日本はまだまだ法整備等が遅れていて生きづらい思いをしているレズビアンの方たちがいっぱいいると感じました。なのでこの話を受けて、エンタメの力でいろんなことがもっと良くなるんだろうな、私がこれを受ける意味はそこにあるんだろうなって思いました。とにかくこの作品の力で少しでも息がしやすい世の中にしていきたい。という気持ちで作りました。面白いなと思ってくださったら、広めていただけたらなと思います。ありがとうございます」
続けて、Sal Jiangさんは「いろんなことを感じると思うのですが、ラブコメとして結果的に笑って楽しんでもらえたら私としては大成功だと思っています」と話してくれました。
参加者の皆さんからの感想をピックアップ!
女性同士の関係性を描いたガールズラブコメディであり、レズビアン・セクマイコミュニティの存在を可視化するGL作品『あやひろ』。最後に「この会場のエネルギーがすんごいっ!」と森さんが口にしたように、レズビアン・セクマイコミュニティの未来が明るくハツラツとしたものになるのは、そう遠くないのかもしれません。
レズビアン・セクマイが出会えるSNS型マッチングアプリPIAMYでは、つながるためのタグ「ピアリング」に『あやひろ』『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる』があり、毎週感想をシェアしている人がたくさん!みなさんも『あやひろ』の誰かに話したい感想をぜひPIAMYに投稿してくださいね!
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