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2021.7.19_コロンビアの医療機関としてできること

こんにちは!
フィシスノア・クリニックです。

突然ですが、
「コロンビアにある医療機関として何ができるのだろう?」

ということを考える機会が最近とても多くあります。


私たちは、EPS(日本で言う健保組合)の傘下に属していません。
「自由診療」を行うクリニックです。

なぜ私たちがEPSの傘下に入らないかというと、
「ノルマがあるから」です。

一日に決められた数の患者さんを診なければなりません。
だいたい35~40人くらいで、一人あたりMAX20分。
働く医師の対価も低く、「使い捨て状態」になっています。

コロンビアは「ほぼ国民皆保険」ですが、
「民間の会社」が健康保険を実質的に運営しています。
国はそれを監督・統括するだけで実態はひどいものです。

例えば、保険適用で糖尿病の薬が必要な患者さんがいるとします。
加入しているEPSの傘下の指定された薬局でしか、薬が受け取れません。
3~4時間待ちなどザラです。

風邪で保険適用の病院へ行くと、数時間待って診察は5分。
医師も診察数ノルマに追われ、ちゃんと診られない。

こんなことは常態化しています。

また、保険適用外の私立の大病院もほぼ同じです。
皮膚に発疹が出た患者さんへ

「水ぼうそうの可能性があります」

その方、子供の頃に水ぼうそうに罹ったことがあります。
問診で確認できる基本的な事項も、確認せずにノルマに追われるのです。

救急外来でも同じことが起こります。
たとえば頭を切ってしまった方、夜遅くに必死の思いで病院につきました。

縫合の必要性はないという判断でしたが、消毒後ひざの切り傷に使うガーゼとシールをそのまま頭に貼り付け、しっかり傷口を繋ぐように貼り付けていない。傷自体は治りますが、ケロイド状になってしまう可能性もあります。
怠慢ともいえる処置のわりに、請求は一人前の金額です。

このようなことを耳にするたび、
「医療機関としてできることは何だろう?」と感じます。

私たちにできることは
徹底的にお知らせすること」
「教えること」

だと思います。

診察時はもちろんのこと、
診察後のアフターケアや患者さんが気になっていること、
どのような判断をしたのかを丁寧に伝えることです。
口頭で伝えるだけでなく、ログとして残すこと。
難しく言えば、医療情報の非対称性緩衝とインフォームドコンセントの徹底です。
正直言って、コロンビアの医療は上記の点が不十分です。

次に、「教えること」だと思います。
伝えたところで、わからなければ意味がありません。
治療の情報や処方した薬のことだけでなく、
「普段の生活でどのように予防するのか?」
「どのようなことを心がけるのか?」
「いざというときどうしたらいいのか?」
「ご家族のケアは?」

一見関係ないと思われることでも、全ては生命活動であり、あらゆることは密接につながっていると思います。

患者さんが気づきにくいが、大事な部分を「教えること」。
それをもとに、患者さん自身・ご家族の間で「気づき」「共有」され、生活の質を向上させることも医療機関として行うことでしょう。

このブログは、その「教えること」に重きを置いています。
みなさんのなじみがないこと、もっと発信していきます!


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