見出し画像

「それは屁理屈だ!」←この最強カード禁止にしろ

社会人になり十数年、恐らくこの言葉を浴びたのは初めてだ。

他業種の事は知らないが、我々システムエンジニアは、理屈屋だ。
抽象的な世界や森羅万象を具体化するには、色々な想像や妄想が必要だ。

地球上の砂粒の数を数えるプロジェクトが立ち上がったとしよう。
なんか壮大なファンタジーでかっこよくてエモくてイカすのだが、
我々システムエンジニアは次の瞬間こう言うだろう。

「そもそも『砂粒』ってなんですか?」

悪気はないんだ、許してくれ。

理屈屋同士の議論というのは一見すると荒れそうであるが、俺の経験では一度も荒れたことは無い。双方の主張が正しいパターンなんて山ほどあるが、荒れることなく無事に着地する。理屈が間違っていることをロジカルに指摘されて折れない奴なんて見たことが無いし、俺はむしろ自分の理屈が間違っていることに気づかせてくれたら感謝するくらいだ。

そういう文化に十数年どっぷり浸かっていて、これが普通だと思っていたのだが...


つい先日、詳細は省くが、ある議論中に相手の矛盾を突くと「それは屁理屈だ」と言われてしまった。相手はエンジニアではない人で、矛盾を突くと拒絶反応が出る人のようだった。

社会人になり初めてこの言葉を浴びて、俺は固まってしまった。

・そもそも屁理屈ってナニ?
・屁理屈ではないことの説明がこの人に理屈で通じるのか?
・サーセンwwwと矛盾を黙認して実装してエラーにしてしまうか
・この人は俺になんて言って欲しいのか?
・ていうか俺が何を言っても「屁理屈」でリターン可能なので議論にならない
・この人はこの言葉が議論にならないことを知った上で敢えて使っているのか?
・だと仮定したらこの議論の目的や着地点はそもそも...

などなど、思考回路はショート寸前である。これはもう月に代わっておしおきが必要だ。余談だが俺はタキシード仮面とかいうもやしっ子程度ならワンパンできるくらいにディップスをやり込んでいる。おまえはどうだ?

画像1


パンチラしている場合ではない。

とにかく、俺は一旦その場を切り抜けるために「ゴメンネ 素直じゃなくって」感を出しつつ(素直じゃないのは相手の方なのだが)、何も話が進まない議論を死んだ目で三角筋をモミモミしながら臨戦態勢を取りつつ続けたのであった。この日は幸いにも、会議室を次の利用者が予約していたため時間と共に解散することができた。なお、執筆時点で事態は好転していない。

「それは屁理屈だ!」←これはあらゆる局面で攻守最強カードである。封印されしエクゾディアだ。発動した時点で議論を強制終了させてしまう。この最強カード禁止にしてくれ。その術は俺に効く。

現場からは以上です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?