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ハードル走の授業

 ハードル走の授業は、個人的にはお気に入りで、記録が目に見えて伸びていくのが、良いところだと思います。様々な教え方があるかと思いますが、意識しているポイントは、なるべくたくさんハードルを跳ぶこととハードル走に興味を持たせることです。
 7~8時間程度の授業で、50mハードル(ハードル5台)のタイムを、クラス平均で2秒ほど伸ばすことができました。以下はその流れになります。


オリエンテーション

 まずは、50m走のタイムとためしの50mハードル走の測定しました。50mハードルのタイムと比べることで、ハードルの技能の向上を実感できます。以下のような、指標を設定しておくと、足が速くない子も、目標を立てやすいと思います。

インターバル走

 インターバルとは、ハードルとハードルの間の距離のことです。通常、3歩で走りますが、授業でも同様に3歩を目標にします。5歩でもいけますが、ハードル走の醍醐味である、疾走感のハードリングを体感するためにも、3歩が理想だと考えています。授業では、走力差が大きいため、インターバルの距離を様々設定する必要があります。だいたい、3歩で走れるインターバルは、6.5m~8mくらいの幅はありました。
発問「ハードルとハードルの間は何歩でいくとよいでしょうか。」
説明「インターバル走は、すべてのハードルを同じ側の脚で踏み切れるよう、3歩で走るとリズムにのって気持ちよく走ることができます。3歩のリズムを調子よく刻むことのできるインターバルの間隔は、個々の走力等によって異なるため、自分に合ったインターバルを見つけよう。
 インターバルを3歩で走ることを覚えるため、ミニハードル走をしました。通常のハードルと走り方は異なりますが、イメージづくりにはなると思います。

ハードリング

 ハードリングに関しては、細かい指導はしません。タイムが向上していく過程で、自然とそれらしい形になっていきます。ただ、1点、振り上げ足の足の裏が前から見えるようにしなさい。と指導する場合があります。振り上げ脚の足の裏が完全に下を向いて跳ぶ子がいます。ハードルにひっかけることが多いため安全性を考えても、足の裏が前から見えるように跳びます。
発問「正しいハードリングはどちらでしょうか。
1.ハードルに対し、遠くから踏切近くに着地する
2.ハードルに対し、近くから踏切遠くに着地する」
説明「タイムを向上させるためには、ハードルを低く越えることが重要になります。ハードリングごとに高く跳び越えていては、前へ進む上で効率が悪いためです。そのため、ハードルに対し、遠くから踏切近くに着地できるようにしよう。踏切側の距離は、各自の足長で6から7足長、着地側は4から5足長を目安にしましょう。」
 理想的な踏切位置に、マーカを置いたり、白線を引いておき、ハードルを跳びます。ハードルは2台程度でよいでしょう。インターバル3歩で走れる場を選び、何度も練習します。

アプローチ(1台目まで助走)

 実際に、記録を向上させるために、最も重要な練習がアプロ―チになります。インターバルの距離は、異なる場を設定しますが、1台目までは、共通にしました。(11m)通常は、8歩で行きたいのですが、走力によっては、9歩や10歩の場合もあります。歩数が偶数か奇数かによって、スタートを構えた時の足の前後が変わります。自分に合った歩数を見つけるのがこの時間の課題となります。アプロ―チに関しては、別の記事で詳しく記載します。

発問「スタートから1台目までの歩数はいくつでしょうか。また、スタート時どちらの足が前になりますか。」
説明「ハードル走全体のタイムに大きく影響する要因が、1台目から2台目付近で出現する最大疾走スピードです。ハードルへのアプローチは、この最大疾走スピードを生み出す重要な局面となります。」

まとめ

このように、時間ごとにテーマをつくり、何度もハードルを跳びます。実際には、局面を切り取って練習する方法が有効かは微妙なところですが、興味関心を持たせるという意味ではよいです。あまり、教わったことがないと思われるためです。以下が単元の流れになります。
第1時 オリエンテーション 50mTT ためしの記録会①
 第2時 踏切足の決定 インターバル走の学習
 第3時 インターバル走の学習 記録会②
 第4時 前時の復習 ハードリングの学習
 第5時 前時の復習 アプローチの学習
 第6時 アプローチの学習 記録会③
 第7時 ズタートの学習  各自の練習
 第8時 まとめの記録会④

 


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