必要な筋だけ残す

筋に何を期待しているのかは知りませんが
『オフシーズンの間にウエイトトレーニングをして筋をつけてシーズンが近づいたら競技練習を多くすることにより必要のない筋は落ち、必要な筋が残る』
という考え方があります。

妄想です。

というか、落としていいものなら最初からトレーニングなんてやらなくていいのです。
他のことに時間を使った方がいいです。

初めてこの考え方を見たのは30年以上前でした。
そのころはなるほどなんて思っていました。
でもこの考え方はいろいろなことが抜けています。

この時代だけではなく今でもウエイトトレーニング=筋肥大と思っている人がほとんどではないでしょうか。
ウエイトトレーニングで向上させたいものは筋力、パワー、RFDです。

筋肥大で終わっちゃってる人なら競技練習だけにしてもいいかもしれません。
必要のない筋は落ちます。
そうではなく、向上させた筋力、パワー、RFDも競技練習だけではどんどん落ちていきます。
シーズンが終わりに近づくにつれ弱くなるということです。

以前にオフシーズンだけウエイトトレーニングをやったアスリートが
「ウエイトトレーニングをしたらシーズン前半は調子が悪く、シーズン後半から動ける様になった」
と言ったことがありました。
これはそもそもウエイトトレーニングのやり方が悪かったのでしょう。
その人は「やっぱりウエイトはダメだ」という論調でしたが。
これは筋肥大トレーニングくらいで終わってた人なら起こりうると思います。
最初に述べた「必要のない筋が落ちた」的なものもあったでしょう。
間違ったトレーニング+競技練習に費やす時間が短かった人がトレーニングをやめて競技練習に全振りしたらそれはそれで上手になります。

そうではない場合、せっかく獲得した筋力、パワー、RFDならぜひ競技動作に活かしたいものです。
そのためには競技練習をすればいいです。

技は力の中にありです。
キネティックが変わらなければキネマティックは変わらないなのです。
キネティックが変わっちゃったらキネマティックは変わっちゃうのです。

トレーニングをやめたら調子が良くなったなんてのはそもそもトレーニングが間違っていたということです。
これは筋肥大トレーニングだけをしていたならありえます。
長期のゆっくりとした動きはRFDを低下させてしまうからです。 
わかってる風のおじさんが言う「筋トレすると遅くなる」はあながち間違ってはいなかったのです。
そうではなく、しっかりとデザインされたウエイトトレーニングは筋力、パワー、RFDを向上させます。
速く強く動けるってことです。
トレーニングをしていたら調子がいいというのが本来の姿です。
「必要のない筋」を「必要のない筋力、パワー、RFD」に置き換えるとおかしな文章になります。

そうは言っても、筋力、パワー、RFDを向上させるやり方を知っている人がシーズン中にやめることはないと思います。

反対にシーズン中にやらない人はオフシーズンから間違っていることがほとんどです。

どーせなら正しく努力しましょう。

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