オーバーヘッドスクワット

バーベル最強の理由が他にもありました。
オーバーヘッドスクワットです。
オーバーヘッドスクワットはスナッチの幅でシャフトを持ち、頭上に挙げてスクワットをするものです。
なぜこれがいいのかと言うと、可動域の評価、アライメントの評価、筋力の評価が都合良くできる点です。
もちろん強くもなります。

可動域の評価ですが、オーバーヘッドスクワットは身体が硬いとできません。
よく見られるものにしゃがむにつれておじぎをしちゃうというものがあります。
その前段階としてそもそも頭の上に上がらないことも。
他にはしゃがめないとか。
大まかに見ればこんなところです。
頭の上にシャフトを持っていくためには肩関節の屈曲の可動域が必要です。
肩関節の屈曲に伴い脊柱の伸展も必要です。
脊柱と言っても全体で伸展するのではなく、胸椎の伸展可動域が必要です。
他には股関節の外転可動域、屈曲可動域、脚関節の背屈可動域等があります。
これらが足りないとしゃがむにつれておじぎをします。
膝関節は屈曲だけなら問題になる人は少ないです。
もし膝関節の屈曲に問題があるのならスクワット以外の方法で改善することが望ましいです。

アライメントの評価は大まかなものだと前額面ではシャフトが傾いていないか、
矢状面では足の真上にシャフトがあるか。
水平面ではシャフトの回旋を見ます。
それらがどこで崩れているかを見る必要があります。
足からなのか、脚からなのか、膝からなのか、股関節からなのか等を見ます。
さらに細かくとなると、距骨下関節、下腿の内外旋等、キリがないといえばないのですがスルーでOKのことも。
細かいところばかり修正していつになったら強化するの?というのはよくあることです。

筋力の評価は、単純に挙上質量で評価することもあれば、局所の動きで推察することもあります。

スナッチのキャッチやオーバーヘッドスクワットはバックスクワットの約60%の重さでできるとされています。
できなければ弱いということになります。
これには注意が必要で下手なだけなこともあります。
局所の評価としては、例えばシャフトを持つとシャフトが傾く人がいた場合、前鋸筋の機能不全があるかもしれません。
その人が前鋸筋の機能不全のせいで肩甲骨だけ下がっているのか、肩甲骨の位置は悪くないけど体幹部が側屈しているせいで低いのか、上半身に問題はなくて下半身の問題なのかを見ます。

真っ直ぐしゃがめてないことも多いです。
お尻が真っ直ぐ降りないとか。
これは肩甲骨は関係無さそうです。
わざわざ難しい見方をする人が見れば関係あるかもしれませんが。
これも体幹部のせいなのか、股関節のせいなのか、脚なのか、足なのか。
筋力がない場合もあれば、力を伝えるには不利なアライメントのこともります。
必要に応じてインソール等で矯正します。

通常だと静的なアライメントが悪ければ動的なアライメントも悪いのですが、静的はよくて動的だと悪くなる人もいます。
動的は良くて静的は悪いというのはあると言えばありますが、とるに足らないアラだったということでしょう。
めちゃくちゃ細かく見ればそもそも静的でも崩れていることが多いですが、現場でそれをやっている時間はないし、大まかに見て動的が崩れてなければヨシとしてます。
これには反対意見もあるかもしれません。
ですが、完璧を求めていると負荷をかける時間がなくなってしまうのです。
なのでそこそことしてます。
そこそこも人それぞれですが。
ただ放ったらかしでいいというわけではなく、ウォーミングアップに組み込んだり、コレクティブエクササイズを適宜入れて改善を図ります。

負荷が弱ければ真っ直ぐしゃがんでも強くなると曲がるもあります。
ただオーバーヘッドスクワットをやったことがなければそもそも上手くできないので、評価もクソもないです。
それも評価と言えば評価ですが、そのうち直るものはスルーのことも多いです。

あれこれ便利なので、可及的速やかにオーバーヘッドスクワットを取り入れることをお勧めします。

毎日やらなくてもウエイトトレーニングのときに確認をすればいいです。

可動域の評価、アライメントの評価、筋力の評価を日頃からやる様にしておけば競技のパフォーマンスも安定するし、余計な怪我等も防げるでしょう。



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