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営業課長のJust Do It!

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取次担当のサトウ課長が、日々の読書体験で得た ノウハウやスキルを即実践。結末やいかに……。 流行りの本のエッセンスも詰まった読書ガイド。
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記事一覧

<第27回>「夢の国」のリーダー論

❶イントロダクション~ディズニーを再び創業した男 本書は2020年に発刊された、ウォルト・ディズニー・カンパニー会長・元CEO、ロバート・A・アイガー(1951年~/愛称はボブ・アイガー)の著作です。著者は1974年、ABCに入社。スタジオ雑務の仕事から昇進を続け、41歳で社長に就任。ディズニーによるABC買収(1995年)を経て、2000年にディズニー社長に就任した、まさに叩き上げの経営者です。ピクサー・アニメーション・スタジオ(2006年)や21世紀フォックス(2019

<第26回>「ほうっておいても成果を挙げる」部下をつくる法

❶イントロダクション~「指示待ち人間製造機」だった過去 本書は2016年に発刊された、国立研究開発法人「農業・食品産業技術総合研究機構」上級研究員、篠原信氏の初の著作です。著者は世界でも類を見ない技術である有機物由来の無機肥料製造技術や、土壌を人工的に創出する技術を開発し、2012年度「農林水産研究成果10大トピックス」を受賞されています。 執筆のきっかけは、著者の「なぜ人は指示待ちになってしまうのだろう?」という疑問の考察結果をtogetter(Twitterまとめサイト

<第25回>超一流の著者が超やさしく紐解く戦略論

❶イントロダクション~よい戦略vs.悪い戦略、その決定的な違いとは? 本書はいまから10年ほど前、2012年に発刊された英経済誌『エコノミスト』の、「マネジメント・コンセプトと企業プラクティスに対して最も影響力のある25人」にも選ばれた戦略論の世界的権威、リチャード・P・ルメルト氏の著作です。世界的な権威の著作と聞くと、難解な本をイメージしてしまうかもしれませんが、まったくそんなことはありません。読みやすいだけでなく、戦略的な対人術も、じつは学ぶことができます。メルカリCE

<第24回>会社の存在意義は、浸透させてこそ意味がある

❶イントロダクション~面白すぎて一気読み! 「ソニー再生」の舞台裏 本書は2021年に発刊された、ソニー(現ソニーグループ)前社長の平井一夫氏の著作です。平井氏は現在、ソニーグループのシニアアドバイザーに就任されています。日本を代表する大企業、ソニーを立て直した前社長の初の著作ということもあり、発売後すぐに5万部を突破しました。 今回も、本書の「はじめに」から、気になった部分を抜粋してみます。 本書は、平井氏がなぜ、上記のような考え方に至ったのか、これまでの生い立ち、仕

<第23回>「できるリーダー」は、部下を迷わせない

❶イントロダクション~「海軍一のダメ軍艦」がなぜNO.1になれたのか? 本書は2008年に『即戦力の人心術』として発刊、2015年に改題のうえ文庫化されたロングセラーです。原書の『It's Your Ship: Management Techniques from the Best Damn Ship in the Navy』は2002年に刊行され、全米で90万部突破のベストセラーになっています。 今回は、本書の「訳者のことば」から、気になった部分を抜粋してみます。 本

<第22回>‟世界最強のゲーマー経営者”のビジネス・テクニック

❶イントロダクション~岩田聡さんを知っていますか? 本書は2019年に発刊された任天堂㈱の元社長、岩田聡さんの「ことば」をまとめた一冊です。 岩田さんは世界に大きな影響を与えた日本人の一人、と言ってもいいでしょう。2015年7月11日に亡くなられたとき、世界中で大きく報道されたことを覚えている方も多いのではないでしょうか。 この本には、天才プログラマーとして、また任天堂の社長として、「ニンテンドーDS」や「Wii」といった革新的なゲーム機をプロデュースした岩田さんの、クリ

<第21回>世界のエリートは‟逆張りの教養”を学ぶ

❶イントロダクション~ビジネスパーソンに「美意識」が必要な理由 本書は2017年に発刊された山口周氏の代表作であり、20万部突破のベストセラーです。山口氏には著作もたくさんありますが、コンサルタントとしても有名です。刊行から5年が経過しましたが、いまなお売れ続けているビジネスパーソンの必読書といえるでしょう。日本の人事部「HRアワード2018」書籍部門・最優秀賞も受賞しています。 今回は本書の「はじめに」と「おわりに」から、気になった部分を抜粋してみます。 さて、みなさ

<第20回>クーポンはたんなる値引き商法にあらず

『Hot Pepper ミラクル・ストーリー』  平尾勇司著(東洋経済新報社) ❶イントロダクション~ホットペッパーのCMを覚えていますか? 本書は2008年の発刊、ホットペッパー事業の立ち上げ部長が書いた、実践ビジネス読本です。また、著者はリクルートを退社後、楽天㈱の執行役員や㈱ワールドインテック(総合人材ビジネス業)の代表取締役社長を歴任されたプロ経営者でもあります。 ホットペッパーといえば、クーポンですよね。お得に予約できるので、私も学生のころ、1冊もらってきて自

<第19回>文章をロジカルに考えて書くコツ

❶イントロダクション~日本語はロジカル表現に不向き 本書は、2011年に発刊されたロジカルシンキングとライティングの入門書です。1995年の発売から売れ続けている、バーバラ・ミント氏の定番書 『考える技術・書く技術』(ダイヤモンド社)の副読本として、よく紹介されています。 じつは、本書の著者である山﨑康司氏は、『考える技術・書く技術』の訳者でもあります。その点において、本書は『考える技術・書く技術』を“日本人向けにアレンジした一冊”ともいえるでしょう。『考える技術・書く技

<第18回>なぜ相手にうまく意思を伝えられないのか?

❶イントロダクション~1963年に発刊された対人術の名著 本書は全米で半世紀以上にわたり読み継がれてきた、まさに古典的名著です。1963年に原書が発刊され、2005年に日本語訳が刊行、2017年に文庫化されました。 著者はアメリカの産業心理学者で、心理学博士でもあり、ニューヨーク大学などで心理学の教鞭を執るかたわら、企業人のカウンセラーとしても活躍された人物です。 "話し方"と言えば、定期的にベストセラーになっているテーマ、と思われる人も多いのではないでしょうか。ビジネス書

<第17回>なぜ決算書は、入門書を何冊読んでもわからないのか?

『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる  世界一楽しい決算書の読み方』 著:大手町のランダムウォーカー/イラスト:わかる(KADOKAWA) ❶イントロダクション~決算書は最高にシビれる“謎解き”だ! 本書は2020年に発刊された、累計25万部突破の決算書の解説本です。「第12回 啓文堂書店ビジネス書大賞」も受賞しています。 著者の大手町のランダムウォーカーさんは、公認会計士試験合格後、大手監査法人勤務を経て独立。「日本人全員が財務諸表を読める世界を創る」を合言葉に、現在

<第16回>嵐はただのジャニーズグループにあらず!?

『「嵐」に学ぶマーケティングの本質』   射場 瞬著(日経BP) ❶イントロダクション~マーケティングは「企業活動全般」のことなのだ 本書は2021年に発刊された、IBAカンパニー代表取締役CEO、射場瞬氏の初の著作です。著者はグローバル企業(Colgate- Palmolive、Kraft、American Express、Fila)のアメリカ本社勤務を中心に約15年間、マーケティングや事業開発のマネジメントを経験。その後、日本コカ・コーラ社のマーケティング本部副社長を経

<第15回>リモートワーク時代の到来を予言した書

『ワーク・シフト~孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉』  リンダ・グラットン著 (プレジデント社) ❶イントロダクション~10年前に予測された2025年の世界とは? 本書は2012年に発刊された、リンダ・グラットン氏初の翻訳本です。著者は2012年当時、「今後10年で、未来に最もインパクトを与えるビジネス理論家」と賞されただけでなく、経営組織論の世界的権威であり、英タイムズ紙の選ぶ「世界のトップビジネス思想家15人」の一人でもあります。 リンダ・グラット

<第14回>日本のデジタル化の「未来」と、今後の「世界基準」がわかる

『アフターデジタル~オフラインのない時代に生き残る』  藤井保文&尾原和啓著(日経BP社) ❶イントロダクション~「デジタル化」の本質を理解していますか? 本書は2019年に発刊された、まさに「デジタル化」がよくわかる本です。主に中国の事例を中心に、日本の状況も、中国と比較しながらよくわかる構成となっています。とくに、前半の見学ツアーでの質疑応答などからは、リアルな「デジタル化できない日本」も見えてきます。 また、2020年には続編が発刊されており(『アフターデジタル2