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PHPカンファレンス関西の再開に寄せて

PHPカンファレンス関西2024実行委員長の加納悠史です。
X(旧Twitter)やWebサイトで告知の通り、PHPカンファレンス関西2024を2024年の2月11日に開催することになりました。
これに合わせて、PHPカンファレンス関西の情報発信のため、公式noteを立ち上げました!!
今後はこちらのnoteも活用しながら、各種情報をお伝えしていければと思います。
初回の今回は、PHPカンファレンス関西2024のテーマとこのイベントに対する私自身の思いをお伝えできればと思います。


なぜ今地方技術カンファレンスなのか

パンデミックにより外出自粛が求められ、リモートでのコミュニケーションが当たり前になってきた昨今では、技術イベントも気軽にオンラインで参加できるようになりました。PHP界隈でもPHPカンファレンスやPHPerKaigiがオンラインでのイベントを行い、どこにいてもイベントの様子を視聴できるようになりました。
この状態で、なぜ今地方でわざわざオフラインの大規模イベントを行うのかと思う方もいるかもしれません。
これについて私は以下2点から、オフラインイベントには開催意義があると考えています。

一つ目は「双方向コミュニケーションによってより効率よく学ぶことができる点」です。
知識の定着にはいうまでもなくアウトプットが必要です。オフラインのイベントに参加した場合、登壇までしなくても、その場でそこにいる人と感想を言い合うだけでアウトプットとなります。また、画面越しでの視聴だけでは伝わらない聴衆の反応を感じたり、その後の意見交換の輪などに入ったりすることで、一方的な情報の受け取りだけでなく身をもってその知識がどのような位置付けなのかなどを"体感"することができると考えています。このような現地にいる参加者たちとのコミュニケーションによる知識の"体感"は、オフラインでしか実現できません。
(もしかすると、双方向コミュニケーションに対してハードルを感じる方もいるかもしれません。実行委員会としてはそのようなハードルは極力下げる努力をしますので、ぜひ一歩を踏み出していただきたいところです。)

二つ目は、「同じ体験を共有できる点」です。
オフラインのイベントはオンラインと比べて、参加者同士が同じ体験を共有することができ、これがコミュニティへ新しく参加するきっかけになります。
同じ経験をすると仲間意識ができ、その場で同じ経験をした人たちはその後もつながることがでるようになります。知り合った人たちとは情報交換を行いやすくなり、これが進むことで人と人のつながりが強くなり、コミュニティとなります。オフラインではどうしてもこの「体験の共有」が難しいのではないでしょうか?
「あの時のイベント楽しかったね」「次も一緒に行こうよ」と同じ体験を言い合える機会を提供するためにも、オフラインでのイベントは重要と考えています。
しかし、いくらオフラインのイベントにメリットが多いとしても、遠隔地で行われていては参加が難しくなってしまいます。近場で参加しやすい場所で開催される地方でカンファレンスを行う意義はここにあります。
もし、身近に技術の話題で盛り上がりたい、同じ体験をしてそこで得た知識を活かして一緒に仕事をしたい人がいるのであれば、地方技術カンファレンスがその解決策になります。

地方の技術カンファレンスが「近場でやるから行ってみよう/一緒に行ってみない?」「知り合いが登壇するらしいしちょっと行ってみるか」「まぁ暇だし行ってみるか」というイベントであり続けることが、コミュニティの参加者を増やし、みんなでレベルアップができる環境を作り出すと私は信じています。
これらの考えから、今回のPHPカンファレンス関西では、次に述べる「開催テーマ」を軸に各種コンテンツを用意することにしました。


開催テーマについて

今回のPHPカンファレンス関西は、2018年7月以来5年と7ヶ月ぶりの開催です。
この5年の間にCOVID-19の流行によって、関西で行われるオフラインでの技術イベントはかなり少なくなってしまっています。
おそらく、この5年間の間にPHPerになった方は、大規模な技術イベントへ参加したことがない人が多くなってしまっていることでしょう。
実際、呼びかけに応じてPHPカンファレンス関西の実行委員会をやってくださっているボランティアの皆さんの中にも、大規模技術イベントへ参加したことがないという方が少なくありません。
一方で、PHPカンファレンス関西のような大規模技術イベントをはじめとする技術コミュニティへの参加意義は、先に述べた通りですし、もはや周知のことと思います。
そこで、今回のPHPカンファレンス関西は「関西PHPエンジニアコミュニティの立ち上げ」を開催テーマに掲げ、「他地域に負けないエンジニア文化 を作り、技術を高め合える文化/場 をつくる」ことを目標とします。
これに基づき、以下の取り組みを行います。

新たなコミュニティ参画者の発掘

関西でコミュニティを起こすためには、まず参加してくれるメンバーを増やす必要があります。
そのため、最も重視する取り組みとして「関西で新しくコミュニティへ参加してくれる人を増やす」ことを目標にします。
具体的には、「関西のPHPエンジニアが登壇したくなる施策」や「関西のPHPエンジニアが参加したくなる施策」、「初心者と上級者の溝を埋めるためのトーク募集施策」、「今まで技術イベントに行ったことがない人がコミュニティに参加するきっかけになるための施策」を考えています。
語弊がないよう申し上げておくと、この取り組みは決して「関西以外の人や初参加ではない人に遠慮してもらいたい」という意図ではありません。
他地方の技術イベントに慣れている方々に参加いただいて、より深い技術知識の共有や、文化の共有を行なっていただくことは、関西での文化醸成にとって重要な意味があるため、私としてもぜひお願いしたいところです。
また、イベント参加によって、普段接することがない他地域のエンジニアと交流することも、大規模技術イベントの醍醐味の一つと考えています。
ただ、どうしても、慣れている方より初参加者の方がイベント参加/登壇へのハードルが高く、そのような方に参加いただくためにはある程度のインセンティブが必要ですし、できればこれから関西のコミュニティを担うであろう参加者には、自信につながるような何かを持って帰ってもらい、関西での文化醸成につなげてほしいのです。
「関西のPHPエンジニアが登壇したくなる施策」というと一見他地域を軽視したように捉えられるかもしれませんが、あくまで関西でのPHPエンジニアコミュニティを立ち上げることが目的であり、けっしてそのようなことはありません。


関西での技術情報共有の場となる

関西において、PHPの情報共有を行う場はあまり多くありません。
オフラインで双方向のコミュニケーションが行え、初心者からベテランまで幅広く集まれる場となるとなおさらです。
PHPカンファレンス関西は、幅広いエンジニアが一堂に会し、お互いに知識を共有し合うことで、お互いの知識をアップデートできる場を目指します。
そのために、「参加したエンジニア同士がコミュニケーションを行いやすくする施策」などを検討します。


持続可能な運営体制

前述した2つの取り組みは、PHPカンファレンス関西が「定期的に行われるイベント」であることが前提条件です。
新たなコミュニティ参画者が参加できるイベントを維持し、常に開催されることで「次のPHPカンファレンス関西で共有しよう」と思われるイベントであることが求められます。
そのため、取り組みの一つとして「今後も定期的に開催するための運営体制強化」を行います。
これは主に実行委員側の目標でもあるのですが、今回の開催をきっかけに実行委員会へ興味をもってもらい、来年以降お手伝いをしてくださる方を増やしたいとの思いもあります。


さいごに

私が初めて参加した技術カンファレンスが、職場の先輩に誘われて参加した「PHPカンファレンス関西2017」でした。翌年の「PHPカンファレンス関西2018」では、職場の同期が会社として初めての登壇を行い、その日は応援に駆けつけた先輩や同期と発表を聞いてまわりました。
このような技術カンファレンスへの参加が会社として推奨され、2019年は他の人も誘って参加しようとしていましたが、年が明けても開催される気配がなく、焦った私は、東京で開催された「Laravel JP Conference 2019」にて、当時の Laravel JP Conference の実行委員長に「関西での予定はないのか。なんとか開催してもらえないか。」とお願いしに行ったことを覚えています。(当時の私はPHP関連コミュニティの構造がよくわかっておらず、Laravel JP Conference もPHPカンファレンス関西も同じ団体が主催しているものと思っていました。)
そんなときに、会社の先輩からPHPカンファレンス関西のスタッフ一般募集を紹介してもらい、そこで実行委員長に手をあげたのが、パンデミックが起こる直前の2019年11月でした。
COVID-19によって開催を断念してからは、ずっと「自分が止めたままだ」という気持ちと「2018年のように開催したい」との思いが強く、自分がいつか動かさないとと考えながら他のPHP関連イベントに参加していました。スマホのメモアプリには他のカンファレンス出席時に思いつくたび書き足していたアイディアがたくさん溜まっていきましたが、COVID-19によって先が見えない中、ずっとチャンスを狙うだけでした。
しかし、パンデミックが落ち着き、各地のオフラインイベントも再開され始め、今度こそ、やっと、動ける時が来たのです。
随分と時間が空いたので、自分も自分の周りも2018年当時とは状況が変わってしまいました。また、間が空いたことで本当にどこまでできるのかの見通しもつきづらい状態になってしまっています。それでも、呼びかけに応じて30人弱のボランティアに集まっていただくことができました。ここからまた始めて、関西でのコミュニティを動かし、次の人たちに繋いでいけるよう、2月の開催まで実行委員会全員で走り切ります。
2019年の自分に「次の主催はおまえだよ」と伝えたらどんな顔をするでしょう。当時の自分と同じように、次回の開催を待ち望み、周りの人も誘って継続して参加しようと思う人がいるようなイベントにしていければと思います。


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