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モチベーションと安心に責任を持つ

#一人じゃ気づけなかったこと 』というテーマで何を書こうかと考えた時、ふと浮かんだのは上司と新卒の子から気付かされたことだった。

チームで仕事することの難しさ

最近僕は自分のチームを持つようになった。自分も含め3名という少数のチームだけど、リーダーシップを発揮してチームが進む方向性を定めたり、メンバーのマネジメントをしたりしている。

これまでは自分が主体となって取り組む仕事が多かったけれど、一人で出来る仕事量に限界を感じて、最近は「仕事を任せる」機会が増えてきた。

メンバーのうち1名は新卒入社(以後Mさん)なので、まだまだできることは限られているし、実際にお客様から電話やメールが来るだけで慌てふためいている姿をよく見る。

「仕事を任せる」という行為は非常に難しく、特にMさんに対してはどんな仕事を任せるか、どこまでは僕が自分でやるのかをよく悩む。

そうして悩んでいることを上司に相談したところ言われたのは、

「『新卒だからこそ最高難度の仕事を任せる』という指針を持って仕事をしてみれば?」

というアドバイス。

これまで僕は、メンバーの能力に対して少し難しめな案件を任せて、徐々に成長を促す形で仕事をしてきた。だから本当にそんなことが可能なのか、正直なところ疑っていた。

思い切って任せてみる

そんな折お客様から難しい案件の相談をもらった。最近の僕は仕事量が多くて、自分でその案件を対応するのは実質不可能な状態だったのでどうしたものかと思い悩んでいた。

そんな時に「新卒だからこそ最高難度の仕事を任せる」という言葉が頭に浮かび、思い切ってその飛びきり難しい仕事をMさんに任せることにした。

仕事を任されたころは、その高難度な仕事にわくわくしていたMさん。ただし、実際に準備を始めるとたくさんの障壁があり、Mさんは何度も心がくじけそうになっていた。

「もう無理です。」
「心折れそうです。」

と言うMさんの姿を見ていると僕も心苦しかったし不安だった。

苦しいと思っているMさんの気持ちも理解しつつ、どうしたものかと思い悩む......。

色々考えた結果、「一時的に苦しんだとしてもMさん自身の力でこの案件をやりきること」こそが将来的にはMさん自身、ひいてはお客様のためになるはずだと結論が出た。

ここでMさんに代わって僕自身がやるという決断をすることは簡単ではある。しかし、僕も余裕があるわけではない。「僕が自分でその案件に対応する」という決断をすると、自分自身およびMさんの成長にも繋がらない。

ただ、何より「Mさんならこの案件をきっとやり遂げられるはず。」という直感が決断できた一番の要因かもしれない。

だから、僕はMさんにこの案件を最後まで任せると決断して託した。

その後Mさんは心折れそうになりながらも準備を頑張り、結果としてその案件をやりきって成果を残してくれた。

それだけでも本当に嬉しかった。今でも自分のことのように嬉しい。

苦しかった時間を振り返って

この案件が終わった後にMさんは、

「何度も心が折れそうになった。」
「だけど、先輩(僕のこと)が『最悪俺が何とかするから大丈夫。もう少し頑張ってみて。』と言ってくれたおかげで、安心して頑張り続けられた。」
「わくわくする仕事を任せてくださってありがとうございます。」

と感謝を述べてくれた。

上司のアドバイスがあったからこそ最高難度の仕事をMさんに任せられたし、僕の意図を理解し期待に応えてくれたMさんの頑張りがあったからこそ僕自身もこれまでと違った仕事の仕方ができるのだと気付いた。

人はわくわくするからこそ頑張れるが、安心感がないとチャレンジすることことはできない。

これからチームで仕事をしていくうえで、メンバーに能力を120%発揮してもらうことは必要不可欠だと思う。

じゃあそのために何が重要かというと「モチベーション」と「安心」であり、リーダーたるものはその2つに責任を持つことが大事なんじゃないかなと気付きを得た出来事だった。

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