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動く

今日も羽生君の話から。Twitterのおかげで多分今までだったらそんなことを知らなくて買わなかった物を買ったりテレビを見たりすることが増えたのですが、その一つがCSでのフィギュアスケート関連の番組。

今日見たのもそんな一つなのですが、その中で羽生君が準備運動をしていました。彼のスケーティングを中心に見るのが普通なんでしょうが、私は彼の準備運動に興味があります。体の動かし方への真摯な探求。彼の準備運動にはそれが感じられます。今回も耳石を鍛える運動など初めてでした。

どんな運動もただ動くのではなく体の隅々まで注意を向けて動いているかによって違ってきます。太極拳的な言い方をすれば意念を向けることが大事。

これは完全に私個人の考え方なので間違っているかもしれませんが、太極拳論の冒頭部分。

太極は無極にして生ず。動静の機、陰陽の母なり。 動けば則ち分かれ、静まれば則ち合す。 過ぎること及ばざることなく、曲に随い伸に就く。

套路を演じる前に呼吸を整え体を静めます。この時は体の中では動きがあったとはいえ外から見たら双重。この双重は双重の病などと言いますが、両足に同じ程度に体重が乗っているのでそこを攻められたら体がよろめきます。

ですが、演武。そこは考えずに立っていて、そして動き出したら最後まで双重にならないように開いて閉じて開いて閉じて、開(かい)と合(ごう)を繰り返し、円を描くように動いていきます。

今日は中秋の名月。上の写真は先ほど私が家から撮ったものですが、この月も私の立つ大地も絶え間なく円運動を続けています。私は中国の小説やドラマなどが好きなのですが、その中でも「初めが終わりになり終わりが初めになる」というような内容がたまに見受けられます。

動き出したらあとは套路を演じていくのですが、その動きはまず意念があってその意念に導かれるように実(じつ)となる足の足の裏に接している大地の気を受けて、腰が体全体の動きを制御し、手の指先まで動かしていきます。その時に円運動なので滑らかな動きが必要になってきます。

今日の番組の中で羽生君はダンスをするには身体の柔軟性、関節の柔らかさが必要と言っていましたが、太極拳でもまさにそれです。身体の隅々まで意念を通して動くを実践するにはある程度の筋力も大事ですが、柔軟性もまた大事な要素になってきます。かといって、YOGAほどん柔軟性入りません。

私が習っているのは武術としての太極拳ではなく健康になるための太極拳なので、まずは簡化二十四式太極拳ときっちりと演じられるようにとそこを重点的に教わっていますが、このきちんと円運動を行いながら套路を演じられるための柔軟性をどう得るのか。今の私の最大の課題です。

ただ、ちょっとだけですが、羽生君の準備運動を見ていると学びや気づきが多く出来たらそれだけの番組が見てみたいです。

動く。それも絶え間なく繰り返す円運動。悩みこむことも多いのですが、悩みこんでいると先生が一言、「まずは動きなさい。そこから始めるのが大事」。たった二十四式でも極めようとすると本当に難しいです。

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