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【防災知識】「避難場所」と「避難所」の違いとは?突然の災害、どこを目指すか確認できていますか?

扉-避難所

新型コロナウイルスの自粛期間中、気分転換と運動不足の解消にウォーキングを始め、ウォーキングのついでに地域の避難場所の確認をしてみることにしました。

歩いていると普段は気づかないこともあり地元の学校や図書館でよく似たマークを見かけたので、違いを調べてみました。

以下の2つのマークは「避難場所(左)」と「避難所(右)」です。

①避難場所

一見、似たように見えますが、調べてみるとまたっく違う機能の場所だということがわかりました。

身を守るための「避難場所」

②避難場所

地域住民が避難生活をするための「避難所」

③避難所

より詳しく違いを確認していきたいと思います。

避難場所(広域避難場所、緊急避難場所)とは?
広域避難場所や緊急避難場所と呼ばれています。
広域避難場所とは災害時、地域全体が危険になったときに身を守るために避難する場所です。

大きな公園や緑地などの屋外が広域避難場所として設定されています。
一時的に避難することを想定しているため、飲料水や食料の備蓄はされていません。

こちらが実際の学校の校庭にある避難場所のマークです。

④避難所

避難所(収容避難場所、指定緊急避難場所)とは?
収容避難場所とは広域避難場所と同様、身を守るために避難する場所です。
災害対策基本法に用語が定められ、指定緊急避難場所と呼ばれています。

避難所は災害で住む家を失った人が一時的な避難生活を送るための場所です。
そこで生活を送る必要があるため屋内の公民館や小・中学校に設定されており食料や水、毛布などの備蓄をするための防災倉庫が併設されトイレなどの施設があります。


大阪府岸和田市では災害時のために防災機能をもった公園があります。
普段は地元住民が憩える公園として、災害時には防災拠点としての公園となります。

公園の防災機能とは、このようなものです。

<ベンチかまど>
普段は公園の景観を損なわないベンチとして利用でき、災害時は座面を外して炊き出しのできるかまどとして使用します。

⑤防災拠点ベンチ

⑥防災拠点かまど

(上記図は岸和田市より提供)

かまどが使えたら暖が取れたり温かい食事ができ、災害直後に活躍が期待される便利な防災アイテムです。

このベンチかまどは阪神大震災や東日本大震災を教訓に全国に普及しています。
また自治体の公園だけでなく民間マンションの敷地などにも設けられる例も増えているようです。

<災害用トイレ>
災害トイレはマンホール型のトイレです。

⑦災害用トイレ

⑧トイレテント

(上記写真は岸和田市より提供)

災害時は食事の確保だけでなく、トイレ問題が大きな問題となっています。
排泄を我慢するために飲食制限をし健康被害の事例が報告されています。
トイレ対策の重要性が認識され岸和田の中島池公園では8基の仮設トイレが設置可能です。


<テント>
普段は休憩場として使用し、災害時はテントを設置して利用します。
雨風を凌ぐとこともできます。
災害時には収納縁台からテントシートを取出し、テントシートを囲うことで
救護室や倉庫に変わります。
支援拠点や救援物資の仕分け場にもなり災害時には多目的な利用が可能です。

⑨防災拠点テント

⑩防災拠点テント

(上記図は岸和田市より提供)


<備蓄倉庫、ソーラー照明>
備蓄倉庫は避難生活に必要な物品等を備蓄することを目的として設置されています。
防災倉庫の中身は地域ごとの環境により多少違うようですが、
備蓄食料・水、発電機、救急箱、救助工具、毛布、懐中電灯、ラジオなどが
備蓄されています。
ソーラー照明は停電時でも点灯し、災害時には公園の目印にもなります。

⑪備蓄倉庫

<ハザードマップ>
岸和田市内のハザードマップです
災害時は防災用総合案内板として利用します。

⑫ハザードマップ

このハザードマップには
①「避難時の持ち物」「避難時要注意個所」
②「大雨、洪水に関する注意報・警報について」
③「避難時の心得」
④「情報の伝達経路」など
災害時に役立つたくさんの情報が書かれています。

⑬ハザードマップ

みなさんの市町村でもこのような防災機能を備えた公園や広場があると思います。
この機会に防災機能を備えた公園や広場を確認してみませんか。

内閣官房 国民保護ポータルサイトでは、都道府県ごとの避難場所、避難所のリストを確認することができます。
http://www.kokuminhogo.go.jp/hinan/

各市町村では、あらかじめ災害時の避難場所を定めています。
いざというときに慌てないように自宅と職場近くにある避難場所と安全経路の確認をしておいてはいかがでしょうか。

最後にこちらが国土交通省国土地理院の地図記号です。

⑭地図記号

突然の災害で家族が離れてしまった場合でも避難場所を決めておけば安心です。
避難勧告や避難指示が出たときには、慌てずに避難場所に移動できるよう市町村のホームページなどで確認しておきましょう。
ご自身との大切な人の命を守るためにもご自宅近くの避難場所についてぜひ調べてみてください。


制作協力 岸和田市

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