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BUNGUBOX顔料インクを試してみる

先日の強色に続きまして、気になっていたBUNGUBOXさんの噂の顔料インク3種も全部試してみました。

BUNGUBOXオリジナルのヒールシェイプボトルが大変良すぎるので試筆どころかキャップを開ける前の時点で撮影会を始める奴。

BUNGUBOX顔料インク3種 
青系顔料『永遠の初恋』
赤系顔料『永遠の夕焼け』
黒系顔料『永遠の楽譜』


ヒールシェイプボトルのこの部分の光の通り方が良いのですよ


浮かび上がるBUNGUBOXの凸文字の存在感


永遠の初恋のキャップラベルイラスト お手紙はやはり恋文?


永遠の夕焼けのキャップラベルイラスト 日記でしょうか。美しい夕景。


永遠の楽譜のキャップラベルイラスト 作曲家の作譜風景のよう。

ではさっそく書いてみましょう。紙はバンクペーパーです。

ガラスペンにて



永遠の楽譜(紙:バンクペーパー)

永遠の楽譜(黒系)はかなり滑らかな書き味。ガラスペンで書いた時の筆記距離が気持ち長い印象を受けました。表面張力と粘度のバランスが素晴らしく、かなりの液量を出しても裏に抜けず、変なムラもできず。遮蔽力の高い黒で書けるので、サイン、宛名書きにかなり向いていそうです。

永遠の夕焼け(紙:バンクペーパー)

永遠の夕焼けは朱色が少し入った赤色で、まさに夕焼け色。バンクペーパーだと赤寄りの色が強く出て、普通のコピー用紙等だと少し朱色が強めに発色する印象です。僕は赤色系のインクはだいたい文書校正の類にばかり使っているので、よく見えるようにという意味で発色が命なんですが、永遠の夕焼けは見やすくて使いやすいです。ちょっとお見せできないような書類にも色々書いてみているのですが、チェック箇所が見やすいこと。

永遠の初恋(紙:バンクペーパー)

そして永遠の初恋。BUNGUBOX『初恋』の愛用者としてはかなり楽しみにしていた、顔料系の『初恋』がついに出てくれて歓喜しています。
元の『初恋』は、かの有名なParkerの『Penman Sapphire』のオマージュとして発案されたインクで、深くて発色の良い青が魅力的なインクなのですが、顔料になってもやはりPenman Sapphireに近い色になっています。ひとくちに青と言っても染料と顔料では組成が全然違うので、色味を合わせるのはさぞや苦労されたことと思われます・・
バンクペーパー・普通のA4用紙・情報カード・単なる付箋など、特に意識せずに普段どおりに書いてみましたが、いずれの紙でも抜けず、滲まず。発色がよくて遮蔽力もあるので、変に薄まってぼやけた色にもならず、安心して使えるインクです。(いい色だねと万年筆を使わない人にも言われた)
少しレッドフラッシュが出ますがそれほどギラッギラでもなく、青みの邪魔になることはなさそうです。フラッシュという現象は染料系で見かけることが多いのですが、万年筆顔料インクでは珍しい気がしますね。フラッシュを生じるということは、下記の過去記事に(ギッチリ)書いたような、650~700nmあたりに急峻な吸収スペクトルを持つ顔料が使われているのでしょう。以前ほど念入りには調べませんが(笑)。


永遠の初恋/Penman Sapphireの比較 近い!

耐水性も試してみました。普段使っている紙ということで、LiFEの情報カードを使いました。日常の様々な水濡れシーンを想定。

おかいものリストが雨で濡れた想定
タスクリストにコーヒーをこぼした想定
お勉強が難しすぎて涙が出た想定

いずれのインクも、日常的に液体がかかる場面で耐えてくれそうな十分な耐水性。僕のように紙や罫線の方向を無視して縦横無尽に書くフリーダムさんは、普通の染料インクだと手が当たっただけで手に移ったり字がツレたりするので、耐水性の高さは大変助かるんですよね。
なおPenman Sapphireは染料なので、耐水性はゼロです。水滴がかかっただけで余裕で溶け出します。悲しい。貴重品なのであまり遊ばないようにしよう(撫で回したのち密封して冷暗所にしまい込む)。

全面を霧吹きで湿らせた図 顔料3種はびくともせず。Penman Sapphireは溶出。

僕は普段、万年筆の話になると顔料の話しかしていませんが、元々は普通に染料系インクも使っていました。遍歴としては以下のようなものです。
①勉強用にプラチナの赤を使う
②ブルーブラックも色々試しだす(ここまで比較的お値打ちの万年筆)
③ParkerのSonnetを買ってしまう
④Parkerかっこいい Duofoldも買ってしまう
⑤Quinkよりもっと鮮やかな青がほしい
⑥Penman Sapphireというのが有るらしい
⑦とっくの昔に廃盤
⑧泣き崩れる
⑨(当時の話)御前崎にあるブングボックスというお店に再現した製品があるらしい
⑩ブングボックスが浜松に移転
⑪遠鉄百貨店のイベントにかおる店長(※現社長)が登場するらしい
⑫ちょうど浜松に用事ができる
⑬突撃
⑭初恋を買う。
⑮鮮やかな色に感激して使いまくる ※今も使ってます
⑯水濡れで消えては困る用事が出てくる ※仕事の都合で・・・
⑰Montblancパーマネントブルーに浮気する ※併用してます。初恋を忘れたわけではありません
⑱顔料版『初恋』が出てくる ←New!

色味が『初恋』で、消えない顔料となればもはや是非も無し。上の※がダメ男の言い訳にしか見えませんが、何というか浮気してすみませんでした。ありがたく使いまくります。
BUNGUBOXさんはオリジナルインク、ボトル、万年筆と相変わらず企画力が素晴らしいですね。万年筆を使ってみたいと言われた人にはまっさきに紹介してたりしますが、当の僕がしばらくこもりっきりで行けてなかったので、また感想を言いに遊びに行くとしよう!

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