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神回・母性のディストピア読書会の感想ログ

2017年、冬。どうも、神山です。

ちまちま月末読書会本を作っておりますが、母ディス回の感想をふせったー送りにしてたのを思い出したので、一式ざざっと流し込みます。2017年11月末なので、ハイロー例え話が多いですね。しれっと僕以外の参加者名も出てますが、まぁ、ログなので気にせず。

・・・・ここから2017年11月!

俺が読んだ本は一人で読むもんじゃねぇ。仲間と読むもんだった。
でもよ、仲間がいるだけじゃダメなんだ。てめぇが変わんなきゃ、どうやら読み方も変わんねぇみたいだわ。

「母性のディストピア」(母性/の/ディストピア)とはなにか?から始まって、正直母性とかそういう話が聞きたいわけではなく、かといって扱われている作品論を読みたかったわけでもなく、虚構がもつ力について読みたかったよね、という話をもっていったんですけど結果としてコンテンツ論とか作家論が中心になり続けてて「これもう本の話できないんじゃ?」くらい思ったんですよね読書会中盤。

なので「いやシン・ゴジラとかポケモンGOとかの話以後の方が(宇野さんの意図はわからないけれど)重要では?」というエクスキューズをしたんですが、そこででもシン・ゴジラ章で書かれていることって前段の押井章後半部から繋がっているよと繋がり、押井章後半部は如何に「母性のディストピア」から抜け出せたのかという話なので、その為にはその前の富野、宮崎が変奏しながらもループし続けていたという話が必要になるので、結果として僕がしたい話をするためには、それこそ『君の名は。』『シン・ゴジラ』のように、失敗し続けたループをスキップして最短攻略をするような読み方ではなくてまず母性のディストピアに囚われ、それを強化していく時代感を認識して、そこからどう抜け出していくのかという読み方が必要だった。

だからこういった構造になっているんだよ!というのを、途中をスキップして最後の「(センター国語的な)著者の言いたいこと」を読んだ僕と誠実にスキップせず、また作品についても知識のあるしゅがーさん他がいたことによって読書会中に全員が、思考をドライヴさせてちゃんと内部のループ構造を認識した上で(「母性のディストピア」の入れ子構造みたいなものも踏まえたりした上で)最後まで読み通す(正しいのか、予期されていたのかは兎も角として)ひとつの「型」が発見されたので、読書会として大成功だったと思うし、多分今年やった読書会の中では、密度もあるし途中からの熱量もあったしで、最高の読書会だった…。ホントに最初参加者わりとバラバラな読みで、意欲もそれぞれだったのが、発見によって「全体が見渡せた、誰も間違っていなかったんだ」と気付けたし…。

シン・ゴジラ章から読むのは間違ってるが、シン・ゴジラ章から読みたいという気持ちは間違ってない

筆者の書きぶりとか問題提起とか扱われているコンテンツに乗れる乗れないじゃなくて、そういったところから一つ高く跳んで「いま、ここで、この本じゃなければならなかった」みたいな発見に至れたの凄いと思うよ。

作品から読み取れない作家の話を作品論のなかでしない方がいい、切り分けた方が作品とは関係ないところで作者に何かがあったとしても「この作品が好きだ」を信じられるから、ということを煽り気味に言ってたし、男女の話が消耗なのは、僕は最後の一行までの文字列を読むことが第一目的、次に内容についての吟味なので、最初から後者をしてしまうと第一目的が達成されないから、なんですよ(これも「前に進む」が単にページ数の話であって社会の変化とか言葉の変遷みたいな話では全くなかった)

宇野さんの書きぶりが慎重で確認が多いからってのもあるとは思うんですけど各作家の章って同じことが繰り返されるので飽き飽きするので僕はそれを単に並列構造で因果としてはひとつ選びとればよいものと捉えてたんだよね。だから、いや、むしろこれは三作家分を読むよりも、頭と終わりからまず言いたいことを拾わないとならない→拾った結果「その三作家分要らなかったのでは」となってしまったんですよ。

参加者のアーカイブがある程度共通してるのでマウンティングみたいな(拳に対する銃みたいな)形じゃなくて、ちゃんと拳と拳での「殴り合い」が成立したからじゃないですかね。基本的にしゅがーさんのターンでテーマソングが流れ、ぼくのターンでテーマソングが流れっていうやりとりだったのが、ストンと止まってハイグラになったからな。

・・・・ここまで!

というわけで、楽しかったことは伝わったでしょうか。ではでは。

※読書会のときは文庫なかったので単行本版で話してました

時が経ってオンライン読書会で同じ宇野さんの本の話をした記事の議事録がこちら。K=私があまり実のある発言してない気もしますが(実のある発言をするのが読書会ではないからさ

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