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劇場版SPY×FAMILYと光の跡※ネタバレ有

昨年12月22日に公開された
「劇場版SPY×FAMILY CODE: White」

公開日前日に匂わせポストがSPY×FAMILY公式と星野源さん公式から同時投稿され、それまで謎に謎で包まれていた星野さんの新曲がこれはもう作品に関係あるでしょう!?となり急遽公開初日にチケットを購入したのでした。

最初にお断りしておきますが、ここからの感想は非常に偏った内容になると思います。本作への入り口が星野源さんの楽曲なのでどうしてもそちらに片寄ってしまう、、、すみません。
悪しからずご了承ください。

公開初日に星野さんの新曲「光の跡」がエンディング主題歌に決定したと正式にアナウンスされ、ティザー映像も公開された。

私はこの30秒で流れる音楽を聞いただけで涙が止まらなくなった。
なんてこった・・・・
これは映画の内容ももちろんだが主題歌がどう流されるのか非常に気になる。気になりすぎてその日の仕事は全く手につかなかった。
お昼休みも延々とこの30秒を聞いては涙して気持ちを高ぶらせていた。

そして終業後にドキドキしながら劇場へ向かった。
・・・
鑑賞後しばらく立てなかった。

あの本編が終わったあとにあのエンディング主題歌は控えめに言ってもやばかった。
作品の内容と楽曲とのリンク具合がすごくて、光の跡が単に主題歌でなくここも作品の一部というかもうエピローグと言ってもいいのではないかとすら思った。
(本当に言い過ぎでしたらごめんなさい、あくまで個人の感想ですので目くじらはオッ立てないで)

もっと驚いたのが後日星野さんがラジオでおっしゃっていた、簡単に言うと歌詞はがっつり作中のシーンに寄せにいったわけではないという発言。

もちろんフォージャー家が旅をするといった基本設定は押さえてあるけれど、そうなの?めちゃくちゃ映画のシーンとリンクしていましたよ。
飛行艇が湖に不時着して水面がキラキラしているシーンや夕方に家族3人と1匹が黄昏の中を一緒に帰るシーンはどうしても光の跡の歌詞とメロディと重なる。

さらに星野さんがラジオで映画の内容に触れその際に、アーニャが心の声を聴いた時にあえてそれを無音の台詞にした(そういう芝居を登場人物にさせた)のがすごいとおっしゃっていて、私はそれを聞いて鳥肌が立った。
確かに1か所は、アレ?ここ声優さんの声当ててないんだと気づいたのだけどそういう演出だったのか!いやぁ~本当にすごい。

因みにその場面は、
・ロイドとヨルが二人で観覧車に乗って激しめのイチャイチャ(笑)をアーニャに指摘されたとき
・ロイドが地下室に閉じ込められていたアーニャを助けに行き、そこでアーニャがなぜ黙って外に出てしまったのか理由を知ったとき
の二つだと思います。他にもあったのかな?

そんな話を聞いたらもう一度確かめに行きたくなるじゃないですか。
年明けすぐにまた見に行きました。
そして気づいたら今日までに4回も見ていた!

声優の皆さんの声のお芝居がさすがです。
ストレスなく耳に入ってくるから視聴者も安心できる。
アニメーションには詳しくないけれど映像も音も声優さんの声と同様に自然と体が受け入れられるので、私にとってはセラピーを受けているのと同義の作品です。

また物語の展開が最初から最後まで飽きさせないし、コメディとシリアスとアクションのバランスが素晴らしく、社会への問題提起もふんわりとだけどでもしっかりと含まれていて観る度に必ず心にお土産を残してくれる。

うんこの神様のシーンはまるでミュージカルを見ているようで本当に楽しい。妄想の世界ってあんな感じだと思うからあながち突拍子もないとは感じなくてひたすら微笑ましく面白い。
ただアーニャには早くうんこさせてあげたかった(笑)
あそこの種﨑敦美さんの声のお芝居素晴らしかったな。

私のお気に入りのシーンはラスト近く、ようやくフォージャー家三人が揃ってそこでアーニャがマイクロチップ入りのチョコを無断で食べてしまったことを告白したところ。
ロイドもヨルもきちんと正しく大人が子供を叱るところがとても良かった。
あそこは仮初めの家族が本物の家族と同じになった瞬間だったと私は感じた。

そして冒頭に書いた通り、鑑賞後しばらく立てなかったのは映画本編のラストシーン(エンドロールの後におまけがあるのでこういう書き方をしています)、フォージャー家が次の旅行先を南の方、海がある街へ行こうと言い出しそんな楽しい未来をボンドが予知するところで終わったあとに続くエンディング主題歌の歌詞に衝撃を受けたからです。

人はやがて
消え去るの
すべてを残さずに
綺麗にいなくなり
愛も傷も
海の砂に混ざり
きらきら波間に反射する
今のうち
旅をしよう 僕らは

光の跡/ 星野源

それまで映画を観ていた私たちも分かっている。
あんなふうに楽しそうに次の旅行の計画をしていてもしょせん彼らは仮初めの家族であることを。

でも映画と一緒に彼らと旅をした私たちは、もう少し余韻に浸って出来れば知らないふりをしたいのに、いきなり冒頭から人は消え去り全てを残さずいなくなると現実を突きつけられるわけですよ。
愛も傷も海の砂に混ざっちゃうわけですよ。
非常に切ない。

あの家族には終わりがある。
当然あの家族に限らず生きているものには終わりがある。
ここで突然諸行無常を説かれて受け身が取れずに私は撃沈しました。

でもただ現実を突き詰めるだけでないのが星野さんの楽曲で、最後はこの歌詞で締めくくっている。

笑いあうのは なぜ
ただ 朽ちるしかないこの時を
僕ら燃える命の跡
消えてゆくのに なぜ
ただ 忘れたくない思い出を
増やすのだろう
ほら 出会いは
未来だ

光の跡/ 星野源

フォージャー家の三人にとってはこの出会いは間違いなく未来だったし未来であろう。
この先原作がどのように終わりに向かっていくのか分からないけど私はどんな結末になってもきっと光の跡を思い出すことになる。

劇場で本編を堪能した後に流れる光の跡は本当に最高だった。
星野さんの優しい歌声が劇場内に響き渡り映画の余韻を深めてくれるようで先にも書いたようにこれ以上ないエンタメセラピーであった。

最後になりましたが本作の大ヒットおめでとうございます。
これからのフォージャー家の活躍も期待しています。





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