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産業保健でよく聞く「風が吹くとき」って、どんなこと?その前にできることは?

こんにちは。産業保健師サロンGrowth です。
つい先日、宇都宮で開催された第96回日本産業衛生学会へ参加してまいりました。
コロナ禍や育児に追われていたので、現地参加は2019年の全国協議会以来のひさびさの参加で、リアル開催の活気や産業保健の専門家が集まる刺激と熱意が会場中に充満しておりました。

さて、産業保健看護部会シンポジウムを聴講し、表題にもある「風が吹くときがある」というキーワードについて、考えてみました。


1.産業保健の界隈で「風が吹く」「時機を待つ」ってよく聞く。これって何?

産業保健のフィールド、企業にとって「健康」に関しては、二の次・三の次。経営者にとって重要なのは「まずは、モノ・カネの経営」
もちろん「ヒト」も資産であることに代わりませんが、ヒトの中でも「働き方改革・生産性や育成・教育、評価」は人事戦略の重要なキーワードですから、そこには注目をしています。

なぜならば、「健康」に投資をしてもいつリターンがどのように返ってくるかは不明だから、そこにコストをかけて投資する、という意思決定としては多忙な経営者にとっては、優先順位が低いのです。

そんな環境ですから、保健師が1名体制でいくら多忙だろうと、経営者からすると正直「たいしたことない」です。残念ながら。
経営者目線で考えると、「保健師1名雇用しているのだから、十分でしょ」が本音です。現場では業務量が多く疲弊していること、それがどう影響するかは、現場から共有されていない限り、「見えない・見えづらい」のです。

ただ、上記のような経営者や管理職が「健康に目が向く」ときが、ふとした瞬間や、出来事がきっかけで「健康に投資する」という風が吹くときが来るのですよね。不思議と。

例えば、健康経営はよい例。同業他社が健康経営の評価を保有しているから、自社も健康経営に取り組もう。とトップダウンで健康経営をスタートする企業は少なくないです。

あとは、経営課題に直結して健康の課題が挙がったとき。
・現職死亡が継続的に発生(労災事故も同様)
・メンタルヘルス休職者の増加で事業運営が停滞
(重要なポジションの管理職がうつ病で休職も)
・法令違反の指摘事項やそれに準ずることが発生した
など、さまざま。

要は経営者が「従業員の健康を経営課題や自分事としてとらえたとき」の
変化で”健康管理室や保健師の業務に興味を持った”のとき、が
「風が吹くとき」「時機」と言われています。
増員やシステム導入などを希望している保健師からすると、
その時は”チャンス”でしかありません。

2.「そのチャンス」はどうやってつかむの?

私も実際経験した事例です。(複数の事例をMIXして加工してます)
5-6年、「保健師さんは法令遵守だけでOK」というスタンスの人事担当者の方が、「禁煙施策」「健康増進イベント」はどうしたらいいか。
を質問されてきました。

→ ・まずは自社の健康課題の共有(ファクト)
  :喫煙率(同業他社比較)や健康診断集計から得た課題
  ・(人事の希望は禁煙・健康増進なので)
   自社でできる禁煙施策の例を2-3つ提案
   健康増進イベントも同様。

  ・出来そうなものを人事に選択してもらい具体的な企画に入る・・

□ 保健師増員 について
・  保健師の業務分掌を作っておく
・  保健計画を工数を踏まえて策定し、増員により可能となるBestな成果は 
   関係者へは共有し、「どうしたら実現できるか」は定期的に伝えておく

これはあくまで一例ですが。
ちょっと聞かれたときに、すぐ「現状の数値からの課題」「施策の例」は出せるよう、毎年のデータまとめや、他社施策の資料は”いざ”という時のために揃えておいたことに越したことはないです。
(保健師の業務分掌や年間の計画や実績の見える化も必要な材料です)

毎年報告しても「今年も反応薄かったなー」と手ごたえが
少ないときがあたりまえ、と思っておく方が、経験上だいじです。
人事のほうにも残っていて、社内の動きがあったときに相手の頭に残る・
浮かぶよう、しつこく「見せる」ことで、その”風”を吹かせることが
できるのです。

3.先輩保健師の「風の吹かせ方・チャンスのつかみ方」を聞くチャンスがあります!

風が吹く・時機がくる”その時” に、すぐに風や波に乗れるようにするには、どうしたらいいのでしょうか。

そんな下地や地道な草の根運動を、コツコツ積み重ねられた結果、
周囲の協力や信頼を得て、人事と楽しみながら連携されている保健師3名の先輩から「人事連携のコツ」エピソードをお伺いします!

2023/6/14 wed. 19:00-20:30 @zoom 開催!
産業保健師サロンGrowth  
『先輩保健師に聞いてみよう! 産業保健の課題解決の肝!?関係者連携のわたしなりのコツや工夫』
 異なる立場からのエピソード ~大企業・業務委託・開業~

働くフィールドの異なるお3方の先輩から貴重なエピソードをお伺いし、皆さんのヒントになれば幸いです。

こんな方におすすめ!

✓周囲の理解に忸怩たる思いを抱えている方

✓1人職場で人事連携のコツを知りたい方

✓後輩へ人事連携のコツをレクチャーしたい先輩保健師

✓産業保健をめざしたい看護師さんや学生さん

▼お申込みはこちら

http://ptix.at/opCE5Z

お3方の貴重なエピソードをお伺いしますので、敬意を表して、有料チケットとなります。ご容赦ください。

皆様のご参加をお待ちしております!






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