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猫に触れること、人間に触れること

かわいい猫ちゃん

今日知り合いの家に行ったんだが、そこにかわいい猫ちゃんがいた。かわいい。猫というのは大体の場合、警戒してすぐ逃げたり、触ると怒ったり、神経質だったり、人見知りだったりするわけだけど、この猫ちゃんは全然違っていて、すごく人懐っこくて全然触ってもいやそうじゃないしむしろ嬉しそうにしている。顔もきれいな顔している。まだ生まれて数か月くらいしかたってないみたいで身体もまだ小さいがすごく人間に慣れている。僕の横にヒーターがあって、そのヒーターのちかくに座布団があったから、そこにずっといた。あったかいからいいなぁと思ったんだろう。それもかわいい。んで、しばらくしたらその座布団に座って寝始めた。その時の写真。かわいい。手を伸ばせば猫ちゃんに触れられる距離に寝てるから、オレがときどき身体をなでるとゴロゴロ言ってめっちゃ嬉しそう。多分オレの手があったかいから気持ちいいんだろう。かわいい。

もうそんなのずっと見てたらだんだん猫じゃなくてこの子は甘えん坊の女の子なんじゃないかみたいな気になってきて、この子は人間の、特に10代後半から20代前半くらいの甘えたがりの女の子が実は猫に化けていて、その女の子が以前オレを見たときにこの人に甘えたいけど、甘えられないから猫になったら撫でてもらえるかなとか思って猫に化けて出てきて本当に撫でてもらえたうれしい、隣で寝ちゃおう、みたいなことを考えていたらすごくかわいいなとか思うっていうもはやただのオレの気持ちの悪い妄想を外に出しているだけだ。

ときどきかわいい女の子を見る感情とかわいい動物を見る感情、どちらもかわいいという言葉を使うけど、その感情はかなり違うものだし、でもどういうふうに違うのか具体的に言語化するのが難しかった。結局概念的に言語化することはできないんだよな。まぁ、する必要もないのかもしれないけど。でも、そういえば今日みたいに猫ちゃんを見て女の子みたいだなと思ったことは今までなかったし、というか何でこんなことを思ってしまったんだろうという不思議な気持ちのほうが大きい。

コミュニケーションと「触れる」こと

以前、動物とのコミュニケーションとは触れ合いを通じてなされる気がすると感じたことがある。犬とか猫とコミュニケーションするとき、それは、まず見たり、人によっては話しかけたりするけど、その次は大体その動物の体に直接触れるというあり方で、関わろうとする。コミュニケーションとはつまるところ「触れる」ということだと僕は思うのだが、目で触れる、耳で触れる、手で触れる、例えばこんな感じで。人間は多くの場合は、目と耳で触れるが主要なコミュニケーションのやり方になる、身体を触るのは少ない。動物には人間が使うような言語がないから容易に触れるコミュニケーションを行うということができるんだろう。もちろん今日オレが猫ちゃんと関わったのも、猫ちゃんの頭とか背中を優しくさするということが主要なコミュニケーションであった。しかし人間とコミュニケ―ションをとるとき、それはほとんどの場合、会話という形式になる。初めから女の子(別に女の子じゃなくていいのだけれど)の肩をポンとしたり、頭をなでたりするとか手を握ったりするというようなことはないし、動物にするように長時間さするということも、恋愛関係とかでない限りほとんどない。

しかし、僕みたいな人間はついつい、人間とのコミュニケーションにおいても身体に触れたいと思ってしまう。そういう意味ではコミュニケーションの取り方が幾分動物的なのかもしれない。そしてそれを気づいたらやってしまっていることがある。昔はそういうことができなかったのに、最近は年を追うごとにそういうことを普通にやっている自分がいる気がする。目や耳を飛ばした、身体に直接触れるというコミュニケーション。

猫ちゃんをなでなでするというコミュニケーションは身体に触れるということである。そしてそれを気づいたらやってしまう自分の性格が、最近はどんどん悪化している。だから猫ちゃんに触れただけで、女の子みたいだなとおもってしまうという変な発想が出てきてしまうのだ。そして僕自身も女性にとてもボディタッチされやすい性格である。肩とか腕を触れられるのは日常茶飯事だ。そしてそのことを不快に思うことがないし、お好きにどうぞと思っている。

日本はおそらく世界でもかなり身体に触れるというコミュニケーションが少ない国だと思う。外国の人と関わるとめっちゃボディタッチが多い。めっちゃハグしたがる。日本もこのくらいすればいいのにと思う。おそらく僕は言葉や発話だけのコミュニケーションが物足りなく思う性分なのだ。正直かわいい女の子見たら、「〇〇ちゃん、いつもかわいいね!今日もお疲れ!!」とか言ってハグしたりしようとする性格だなぁと思う。多分こういうことはしてはいけないだろうということで自分を抑えている。じつは普段から抑えている。そのような僕の性分を犬とか猫はかなり癒してくれるのだろう。身体に触れるというコミュニケーション。実はこういう性分の人間は、実はちょっとだけ母国の距離感が遠く感じてさみしいのかもしれない。そして女の子とかの肩に気づいたら軽く触れていたりするこの性分は、関係性が築かれてなければセクハラになるのだろう。そういう難しさを抱えながら過ごしているのが、猫ちゃんとのコミュニケーションで出てきたのかもしれない。というか、そもそもオレは彼女を毎日ベタベタベタベタ触りまくっている…

オレはいつからこんな身体的にボーダーレスな人間になってしまったんだ!!

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