偈頌:呼吸と完全性


空気が身体に入ってきて

肺が膨らむのを感じる

完全性のなかで 時が流れている

この地球の上で 私が与えられる


この世界は完全性によって成り立っていると信じることは、もしかすると難しいかもしれません。しかし、どんなに嫌なことがあろうと辛いことがあろうと、呼吸をしていて、私は生きているという完全性だけは否定されません。この身体は実によくできていると思います。しかし、人間の感情や情念や理性など、精神的な部分は実にうまくできていないと思います。精神的な部分をコントロールするのは本当に難しい。けれども、身体は実によくできている。ならば、よくできている身体に意識を向けることで、人は豊かになれる。つまりは完全性に意識を向けることができる。そうすれば自然と、身体はこの世界と調和して、豊かさを感じることができる。私という感覚は、なぜか身体を忘れたときに、悪い方向へ暴走してしまいます。身体を忘れるとは、世界を忘れて宇宙を忘れて不完全性に墜落することになってしまう。これは理論的な帰結ではなくて、経験的なものです。それは全人類の経験的なものでしょう。呼吸は身体に戻してくれます。いつでも完全性へ連れ戻してくれる。難しいことではない、けれども訓練が必要です。

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