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食べていい肉と食べてはいけない肉の境界はどこにあるのだろうか:カレー哲学の視点(22/1/23〜22/1/29)

京都はインドだ。

直近、京都で『カレーZINE』Vol.3の制作プロジェクトの合宿をしていました。今回のテーマは『カレーと遊び』であり、カレーのボードゲームも並行して作っています。合宿でカレーとボードゲームの知識を詰め込み、なんとかゲームのプロトタイプができあがりました。しょうもないゲームですが、インド料理ファンに刺さりそう。乞うご期待。

今週更新した記事

福岡のインディアンスパイスファクトリーというお店の方に、西ベンガル料理についてあれこれ聞いてみました。

今週のニュースレターは一部過激な内容を含みますので、購読者限定パートを多めに設定しています。

ナガランド料理

新年になってからの一ヶ月間、ずっとインド北東部ナガランド州の料理を研究していた。ともすればスパイス過多になりそうなインド料理において全くと言っていいほどスパイスを使っていないし、北インド料理にも南インド料理にも当てはまらない料理はインドという国の多様性をそのまま表しているとも言える。

ナガランド州はいまでこそインドという国の領土に入れられてしまっているものの、歴史的にも宗教的にも全然インドではない地域であり、地理的にも文化的にもミャンマーや中国に近い。当のナガ人たち自身もあまりインドにアイデンティティを置いていないため、独立運動がずっと続いている。

動画や写真を見る限りだが彼ら彼女らのモンゴロイド系の顔立ちは日本人にそっくりだ。主食は米だし魚も食べるし、ナガと日本には共通している食文化がたくさんある。だけどやっぱり、共通しないような食文化もたくさんある。例えば、ナガランドでは中国や韓国のように犬の肉を食べるという。

インドにあんなにたくさんいる野犬だが、ナガにはあまりいないらしい。食べられてしまうから人間を怖がって近寄ってこないという。もちろんペットとして家庭でも飼われているが、市場では食用の犬が500円〜1000円程度で売られていて、多い家庭ではチキンやマトンと同じように週に一回程度の頻度で食べているという。

美味しいのだろうか。悪い癖だが、食べたことないものはなんでも食べてみたくなってしまう。
自分自身は犬は好きだが、いままで食肉という目で見たことがなかった。

犬肉を使ったカレーのレシピもあるので、一度料理してみようと思って日本で犬肉が手に入るところを探してみた。

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