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石臼で イドゥリを作りまくつてゐる/ゴングラという怪しい草を食べた/TRANSIT 53号が濃い:カレー哲学の視点(21/9/12〜9/18)

インドの観光ビザが近々発給開始されるらしい。しかし、すぐにでも旅に出たいという気持ちと、いま行ったところで以前のように何も考えずに旅を楽しめる状況ではないんだろうなという気持ちとがせめぎあっている。もう少し様子見かなあ。もう少しインド料理のリサーチをしながら語学力を磨いて、十分に旅の準備を進めておきたい。

また、この一年ほどのカレーシェアハウスでの暮らしの中で、たとえ一つの場所に留まっていても、お金を使わなくても、ちょっとした工夫や考え方次第で動かない旅はできるのだと改めてわかった。旅は単なる物理的な移動じゃない。

では、今週のニュースレターと更新記事です。


B&Bさんイベントの文章公開

9月30日クミンの日のオンライントークイベントに関連して、『カレーZINE』に掲載された文章が特別に公開されています。よろしければ御覧ください。

「我々はカレーでもって繋がりあえる」

今から100年後、君はどんなカレーを作るのか。我々はカレーを介してのみつながり合うことができる。
料理に不慣れな女学生がお母さんに電話で教えてもらいながら一生懸命作ってくれたビーフカレー、高熱にうなされた時に作ってくれた優しいキチュリ。そんな心のカレーの思い出を綴ったエッセイ。


「時代の変遷に不確実なカレーを作りましょう」

今あるカレーも、元々は不確実なカレーだった。不要なものと不確実なものは違う。冒険をしないことで世界を徐々に小さくなってしまう。冒険とは、危険で、主体的で、無謀なものだ。言われてないことをどんどんやって、誰に頼まれてもいないカレーを作り続けよう。


ぼくはけふも石臼で イドゥリを作りまくつてゐる

家に石臼があると年収が上がるというデータは特にありませんが、ウェットグラインダーでのイドゥリ作りはテンション上がります。大きな機械をゴウンゴウン回す行為というのは、何か得体の知れなさや危なさがあって、何歳になっても心躍るんだ。

浸水したウラド豆と米を挽いた後、イドゥリの生地は必ず手で混ぜる。そのときの生暖かいぬるぬるとした感触は、なんとも生き物っぽい。さらに卵を孵化させるように温かいところで発酵させ、香りが変わったらできあがり。

どこに需要があるのかわからないけど、ウェットグラインダーを愛でる記事を書きました。



玉ねぎ実験レポート

月に一回、Wacca さんとカレーの研究会を実施しています。

主な課題は玉ねぎを炒めるときに塩を入れることで時短になるのかということ。結論としては炒める時点で塩を入れても時短効果はなく、香ばしさや食味への影響はありそう。しかし、分量が少なすぎるため追試を行おうと思っています。


ガネーシャは宇宙へ帰ったらしい


ゴングラという怪しい草を食べた

インドのアーンドラ州の料理ではゴングラという酸っぱい葉っぱを使います。それを新大久保のミャンマー料理店で怪しい草を買って食べた話。フレッシュなゴングラの情報もちょいちょい見かけますが未だ入手はできていない。


TRANSIT 53号が濃い

今回のTRANSITの内容は濃かった。スパイスの基礎知識もそうだが、あらゆる方面からの魅力について掘り下げていて、カレーやスパイスが全ての学問につながるということがわかりやすく示されていて大変よかった。


東京マサラ部室は引き続き住民募集中

カレーをシェアする家ではなく、カレーと人間が同じ家をシェアしています。人生狂うこと間違いなし。



編集後記(購読者限定)

先月30歳になってから、年齢のことでいじられたり、自分でそれを自虐ネタの一つとして使うようなことが増えたのだが、これって日本特有のまあまあ異常なことだと思う。自分と他人は永遠に分かり合えないのに、同じような時間軸で生きているという前提で考えちゃってはいないか。

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