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遊び心を忘れられないまま小さな子供を飼い続けている:カレー哲学の視点(1/9〜1/15)

成人の日の朝、起きてまず目に飛び込んできたのは知らない天井であった。いや、天井というには明らかに低くて頼りない。

よく見ればそれはテントであった。さらに足元がやけに寒い。思い出した。昨夜、経済的な困窮から家を追い出されて哲学堂公園で仕方なくキャンプをしたわけではなく、特に理由はないが独りで盛り上がり、意味もなくベランダにモンベルのクロノスドームを張って寝たのだった。

キャンプを想定してちゃんと風呂に入らず、ノースフェイスのシェルを着用した上でテントに入り、寝袋とマットに加えて毛布も動員したがやはり寒くて、かなり早い時間に目が醒めてしまった。

昨日の自分は、起きてすぐにコーヒーが飲めるようにヤカンとキャンプ用のガスコンロ、コーヒーミルまで用意していた。今日の自分はもうそんな気分ではなかったが、せっかくなので昨日の自分にツッコミをいれつつ、寒さに震えながらコーヒーを淹れることにした。しかしガスが途中で切れ、結果として生ぬるいコーヒーを飲んだ。

人生ってそんなもんである。


成人してから随分経ったが中味は全く変わらないままで、むしろ遊びに多少お金をかけられるようになった分だけ遊びの性質としては悪化しているような気がする。

成人式の朝にこんなことをしていることが自分の今年の行く末を暗喩しているようでなんだか恐ろしいのだが、こんなほんの小さな試みひとつでいつもの家が少し違った風に見えた。キッチンはキャンプ場の共同炊事場のように見えたし、外気温とほぼ気温が変わらないこの家はテントみたいなものかもしれない。

遊びというのは人間が人間である限りやめられないものだ。それは無謀な故に破壊と創造につながる。理由も意味もなくたってよいのだ。いつだって面白い方に賭けていればよいのだ。

最近、ダルバートチャレンジというひとり遊びをしている。ダルバートがメニューにないインド・ネパール料理店に行ってダルバートを頼むというだけの無謀な遊びだ。

前情報がないところにあえていくので当然負けることもある。
勝率は五割といったところで、負けた俺は久しぶりにふかふかナンを食べた。敗北のカレーはとても甘かった。


発酵食品やノンベジが充実しているナガ料理

1月からはインド北東部ナガランド州の料理を中心にリサーチをしています。ゼミ活動の結果レポートは概論として別途まとめます。

ナガランドはあまりレストラン文化も発達しておらず、基本的には家庭料理を中心に発達している食文化のようです。さらに民族や村によっても料理が違うので基本的にはナガ料理として一つに括れるようなものはなかなかないようですが、大きな特徴としては肉や魚などのノンベジの充実、魚の干物や納豆、発酵筍などの発酵食品の使用などが特徴的です。

基本的にスパイスの使用量は最低限、材料を入れてただ煮るだけのような物が多くて、いわゆる典型的なインド料理とは大きくかけ離れています。

いくつかブログにレシピをまとめてみましたのでよろしければ御覧ください。


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