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玉ねぎ炒め比較実験/カレーのなくならない家/バナナの花が予想以上にキモかった件:カレー哲学の視点(21/7/25〜7/31)

日曜日:玉ねぎ炒めの比較実験

炒め玉ねぎの比較実験をした。詳しくはこちらで。
結論、強火炒め玉ねぎと弱火炒め玉ねぎはうまいこと使い分けると幅が広がりそう。

カレー作りにおいて疑問に思っていながらやりすごしていることは無限にあり、玉ねぎ炒めもその一つだった。強火で直情的に炒めた玉ねぎと弱火でぐじぐじ炒めた玉ねぎは香りと味において全く違うということはなんとなくわかっていたけど、手続きを経てしっかり比較できたのでこの結果を今後のカレー作りに活かしていきたい。多分こうなんだろうなって予想した結果は実際にやってみても大概そんなに外れてはいないんだけど、それを実際にやってみるかどうかって結構違うと思う。

文章を書くリズムを作るため、何も考えずに毎週日記を書くことにした。主にカレーを食べた記録とカレーを作った記録、カレーについて考えた記録。

推敲も校正もせずに2000文字程度で気軽に更新するnoteです。
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バックナンバー


月曜日:スパイスジェラート

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dancyuに掲載されていたレシピを参考にしつつスパイスジェラートを作ってみた。焦がしマスタード豆腐、マンゴーペッパージェラート、シナモンカルダモンラッシー。夜に突発的に仕込んだのでほとんどかき混ぜないまま朝まで寝てしまい、粒子が大きくジャリジャリになってしまった。凍らせながら途中で空気を含ませないといけないので、ジェラートは育てるものなのだと思い知った。そういう意味ではジェラートも煮込み料理同様、在宅勤務に向いているものかもしれない。


火曜日:カレーのなくならない家

イナダさんのレシピ本に載っていた水アチャールがおいしいのだ。材料はお好みの野菜と塩4%、生ニンニクにんにくスライス、青唐辛子などにひたひたの水を入れるだけ。

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生のニンニクの風味が食欲をそそり、ついついすすんで食べてしまう。一週間も経つと味わいが変化するというので大量に仕込み少しずつ食べていくつもりだったのが、常に生野菜を求めている住民に見つかりあっという間に半量がなくなってしまっていた。怖い。

水アチャールはすぐなくなってしまうのに、持ち帰りカレーの影響などもあり一時的にカレーが増えすぎて、冷蔵庫のカレーが食べても食べても無くならなかった。カレーは人間を利用して繁殖し、目を離した隙にすぐ増えてしまう。カレーはコンスタントかつリズミカルにやっつけていかないとどんどん増えていって家を離れられない。カレーを退治することができず永遠に家に留まり続けなければならなくなった人。世にも奇妙な物語でそういう話がありそうである。


水曜日:ビリヤニの課題図書

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東京マサラ部室ではいままでネパール、バングラデシュ、パキスタン、マハラシュトラ、ゴア、カルナータカ、ケーララ、タミル、スリランカと一ヶ月ずつ研究テーマを変えて料理を作ってきたが、8月は地域別のテーマから一旦離れてビリヤニをテーマにしている。主な参考文献として、入手できたこれらのビリヤニ関連本を参照している。

最近出た水野さん監修の『ビリヤニ』という本では4人のシェフがレシピを紹介していて、ビリヤニとは何かという話に始まり、白ビリヤニなど少々マニアックなレシピまで知ることができる。15人前のマトンビリヤニを炊く機会なんて普通の人には一生来ないような気もするけど、今月中に一度やってみたい。


PRATHIBA KARANさんのBIRYANI本は友人から頂いたものだが、Amazonでも一応手に入るらしい。これはレシピが怪しいものが多く、マサレバートやキチュリ、プラオなどなんでもかんでもビリヤニと呼んでいるので注意したほうがよい部分もあるが、たくさんレシピが載っていて参考になる本。

『最速カレーとビリヤニ』は最近の需要を反映して時短と本格的な味わいを両立させたレシピ。

ビリヤニはできあがった瞬間と少し時間をおいたものとで香りや食感の印象がかなり変わってしまう料理のため、自分で作ってみるとお店で食べるものとはまた違う喜びが得られると思う。



木曜日:ゴーヤのカレー、ピピンニャのカレー

スリランカ料理としてゴーヤのカレー、ピピンニャのカレーを作った。ピピンニャはスリランカのキュウリなのだが、やたら苦い。先週茨城のスリランカ野菜農園で採れたてのものをランディワでサラダにしてもらったが、普通に苦かった。

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金:ワランを育てる

天気がいいのでスリランカの土鍋、ワランにポルテル(ココナッツオイル)を塗りたくった。その前に3日間水に沈めてあったものだ。

ワランを使い始める前の準備をまとめるとこのようになる。

・買ってくる
・よく洗う
・3日間水に漬ける
・完全に乾かす
・ココナッツオイルを塗る
・完全に吸収されるまで放置

ここまでしてやっと使えるようになるみたい。土鍋の中の気泡が割れる原因らしく、それを塞ぐためにお粥を煮たりとかするけど、ココナッツオイルもちゃんと吸収されると水を弾いて使えるようになるんですかね。

ワランを育てることでともに人間も育つ。

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土:バナナの花が予想以上にキモかった件

毎月の恒例行事となってきた月末の料理会。今月はスリランカ料理のためバナナの花のマッルン(ケセルムーワ・マッルン)を作った。

新大久保にはなんでも売っていてウケる。バナナの花房は肉のハナマサやアジアスーパーストアで売っている。意外と安い。

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どれがよいバナナの花なのかなんてわからなかったので、とりあえずつやつやしているやつを買った。

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川をめくると花がぎっしり整列していて、ひとつひとつがバナナのような形をしている。これのひとつひとつにおしべとめしべが入っていて、だんだんバナナの房が形成されていくらしい。

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分解して並べてみると想像以上にキモい。しかもなんかベトベトしている。

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切った蕎麦からターメリック、レモン、塩を溶かした水にさらす。放置するとすぐに変色していってしまう。水に晒すことは色の変化を防ぐとともにアク抜きの効果もある。

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ココナッツやスパイスを入れて作ったバナナの花のマッルンがこちら。特にうまくもまずくもない。キシキシして味をつけていないココナッツの繊維のようだ。たけのこのようだと表現する人もいる。



スリランカ月間ははじめて組織的にゼミ活動を実施して、専門家を招きつつ遠征も実施し、月末の料理会では合計16種類ほどの料理を作ることができた。引っ越し祝いでいただいたイディアッパンメーカーも無事に使うことができてよかった。

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・パリップ
・ゴラカポーク
・ゴダンバロティ
・ラトゥキャクル
・ササゲのデビル
・インディアーッパ
・ケセルムーワマッルン
・サバ缶カトレットゥ
・ビーツキラタ
・青バナナジャガイモホディ
・パパダム
・シーニサンボル
・ナスのモジュ
・フレッシュなポルサンボル
・ワタラッパン


登場したお店やレシピなど


ケセルムーワのマッルン

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