2024年2月受験に出題されそうな「ブラタモリ」
はじめに
中学受験に役立つテレビ番組といえば、なんといっても「ブラタモリ」です。
この番組は、地質や地形をまず取りあげ、それがどのように歴史を作ってきたか、そして土地の産業や、人々のくらしとどのように関係しているかを説明します。これは「社会科」の視点と同じです。「ブラタモリ」は、社会科の方法論で作られているのですね。当然番組を見ることで、社会科の知識や考え方が身についていくわけです。
これまでも、「ブラタモリ」と中学受験の関係は話題になってきました。例えば1月に放送された内容が2月の受験に偶然出たり、数年前の放送で示されていたことが、ほぼまるごと出たりなど。出題する先生にとっても、「ブラタモリ」は使いやすいのだと思います。ですからこの番組は、見ておいた方が受験で「圧倒的に」有利になると考えています。
ただ、「ブラタモリ」にも、受験で出やすそうな回と、そうでない回があります。ここでは、2022年と23年に放送された一覧と、出やすそうな回を紹介したいと思います。
なお、面白い、役に立ったと思った方は、投げ銭をお願いします。
(ちなみにタイトル画は、DALL-Eに描いてもらった「ブラタモリ」です)
1 2022年放送分
例年ブラタモリは、受験年度の前の年の内容が出題されることはあまりなく、前々年の内容が出題されることが多いです。2024年受験では、2022年に放送された内容が出題される可能性が高いわけです。
この年で見ておきたい回を順番に見てみましょう。
#197「竹富島」
沖縄の家の造りは、「瓦をしっくいで固める」「石垣や防風林がある」と教わりますが、沖縄本島南部では見る機会が少なくなってしまいました。ですが竹富島は、それが残っているのです。塾や学校で学んだことを、直接見ることができるのです。
#205「町田」
「町田って神奈川じゃないの?」といつもネタにされますが、実は昔は本当に神奈川でしたし、今でも神奈川との県境が変わったりしています。それは河川改修により、県境になっている「境川」の流れが変わるためです。これは以前女子校で出題されましたし、今後も出る可能性があります。
#209、210「能登、輪島」
2024年1月1日の能登半島地震で、この地域は大きな被害を受けました。被害を受ける前のこの地域の自然や産業を見ることができます。七輪、製塩、輪島塗などが取りあげられていましたね。
#213「石見銀山」
石見銀山が世界遺産になった理由を、地質と歴史の両方から説明していました。日本の世界遺産の中ではマイナーな印象がありますが、実際に見てみると世界遺産になるのも納得です。
#218、219「対馬」
特に219回では、朝鮮通信使のことが細かく語られていました。秀吉の朝鮮出兵後、日本と朝鮮の外交は断絶しますが、それは対馬の宗氏にとっては死活問題でした。そこで国書を偽造して国交回復を図ったのです。朝鮮通信使を迎えるため、町並みを整えたことも説明されました。
#221「苫小牧」
掘込み港の説明が少なかったのは残念ですが、王子製紙の工場の様子は面白かったですね。ヤードに積まれた原木は、水路を使って工場に運ばれるのです。冬でも凍らない支笏湖の発電との関係もきちんと説明され、学びが深い回です。
#224「静岡」
「どうする家康」関係で、静岡、浜松、岡崎はよく出ると考えています。
この他、「構造線スペシャル」「鉄道スペシャル」#202「東京湾」#203「横浜・川崎」などが面白かったです。
2 2023年放送分
2023年放送分は直接出題されることはそう多くありませんが、「埼玉・行田」回に関連する問題が、西武文理と武南で出題されています。また10月以降は受験の範囲を外れることが多いですが、偶然テーマが一致することがあります。ですから6年生になっても、可能な限りブラタモリは見ておきたいです。
#225「大井川」
日本唯一の「アプト式鉄道」を見ることができます。大井川湖上駅も登場しますよ! また大井川流域は茶の産地として有名ですが、その成り立ちを知ることができます。現在リニア中央新幹線の建設が遅れているのは、大井川の水がなくなるのではないか、というおそれがあるからです。
#230「佐賀」
幕末の肥前藩は西南雄藩の一つでしたが、その発展の理由が「水路」にあったことが分かります。またこの地域の、昔ながらの「クリーク」を実際に見ることができます。
#235「屋久島」、#236「種子島」
屋久島は世界遺産、種子島は鉄砲と宇宙センターで知られています。二つの島は近いですが、でき方は全然違うのだとか。それが、二つの島の性格や産業の違いにつながっていることが分かります。
#240「木曽三川」
実際に輪中の中に入り、「輪中の中の様子」を映像で見せてくれるところが非常に重要です。輪中は学びますが、水屋や堀田の様子、川の水位と地面の関係などを直接見ることができるのです。
#246「燕三条」
三条市と燕市は強いライバル意識があることが知られています。まずその張り合いの様子が見られるのが面白いです(駅名、IC名などから)。ただそのライバル意識は、両者の産業が違っており、互いが互いを必要とするところから来ているのです。最後に開成の問題で出題された「弥彦山」(634m)に行くのも面白いところです。
#249、#250「北九州」
北九州市は5つの市が合併してできましたが、たまに出題されます。また5市は完全対等合併し、人口100万超えの政令指定都市になりますが(今は100万を切っています)、対等合併がなぜ行なわれたのかを、交通と産業から解き明かしていきます。この2回はスリリングでしたね。
#253「敦賀」
11月放送なので、出題範囲を外れそうですが、2024年受験では敦賀は多く出題されると思われます。3月に北陸新幹線の延伸があるためです。敦賀が行なってきた海上交通の様子を学ぶことができます。
番組では触れられませんでしたが、敦賀の北西にある敦賀半島は、「敦賀原発」「美浜原発」「高速増殖炉もんじゅ」「新型転換炉ふげん」があります(もんじゅとふげんは廃炉)。「原発銀座」の中でも、最も原子力施設が多いところです。これも覚えておきたいところです。
おわりに
現在のライフスタイルでは、「決まった時間に特定のテレビ番組を見る」ことは少なくなってきました。番組は配信や動画サイトで見るものになってきました。ただ、昔ながらのテレビ番組にも面白い番組や学びになる番組があり、特にブラタモリは社会の学びに非常に役立ちますし、家族で楽しむことができます。テレビを再評価してみるのもよいのではないでしょうか。
ただ、このようにもっともらしいことを書いてきましたが、ブラタモリは配信がないんですよね。NHK+の一週間見逃し配信をのがすと、その後見るチャンスがなくなってしまうのです。私は全て録画しているので見返すことができますが、ここに挙げた回を見られない方も多いと思います。NHKには、こうした優れた、学びになる番組を、積極的に再放送・配信してほしいと思います。また受験生を抱えるお家の方も、いつでも見られるように、録画予約をしておくことをおすすめします。
(投げ銭をいただいた方にはこの後が表示されますが、この後にあるのはお礼だけです。)
ここから先は
¥ 300
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?