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2024年受験用重大ニュース 8社の比較

割引あり

はじめに

いよいよ2024年受験も大詰め、社会では時事問題対策が始まりました。
大手塾では重大ニュースのテキストが配られ、それを使うのが基本です。ですが他社のテキストが気になったりしないでしょうか。志望校が求めるレベルに足りていない、という不安を持つ方もいるのではないでしょうか。塾で配ったテキストが難しすぎる、と感じる方もいるのではないでしょうか。また、塾に通わないで中学受験を目指している方は、どのテキストを選ぶべきか、迷うこともあるのではないでしょうか。そこで例年通り、各社のテキストを比較してみました。
昨年は学研、四谷、栄光、朝日新聞出版、読売新聞、サピックス、日能研の7社を取りあげましたが、今年は毎日新聞も加え、8社で比較してみました。順番はだいたいの発売日順です。

学研 「2024年入試用 時事問題に強くなる本」

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<基本データ>

総ページ数 142
価格 1650円
トピック項目数 18(うち理科3)
問題ページ数 51.66ページ(うち理科10)
付録 なし

<基本的な構成>

最初のページに、「塾の先生が考える重要度」が載っています。
①政治、②経済、③国際、④文化・社会、⑤理科・環境の5章構成です。
各章は、解説2ページ+問題2ページのトピックに分かれています。トピックは重要とされる順に並んでいます。問題は一問一答が1ページ、少し高度な問題が1ページです。全部で18トピックあります。
この他用語集、総合問題があります。毎年恒例の星占いもあります。

主な記事はカラーです。密度は高めです。

<昨年との違い>

本の高さはB5ですが、幅が一回り大きくなり、大幅に見やすくなりました。また「開きっぱなしにできる製本」になっていて、机に置いて読むのに適しています。

<問題レベル>

3(5段階)

<他社にない特徴>

・トピックの部分はほとんどカラーです。写真やイラストはわかりやすいですし、重要な言葉は赤で示されているので目立ちます。
・開きっぱなしにできる製本は他社では例がなく、実用性が高いです。

<利点>

カラーが基本なのは、他社より明らかに優位な点です。

<問題点>

・フォントが小さく、密度が高いため、他社より読みづらいです。
・スーダン紛争など、取りあげた理由がよく分からない項目があります。最も発売日が早いので、仕方ないことではありますが。

<こんな受験生へ>

・カラーがよいという人へ。
・それぞれのニュースをより深く知りたい人へ。

四谷大塚 「ニュース最前線2023」

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<基本データ>

総ページ数 100ページ(うちカード8ページ)
価格 1760円
トピック項目数 10(うち理科1)
問題ページ数 44ページ(理科とははっきり分かれていません)
付録 暗記カード(8ページ64枚)

残り時間に合わせた使い方があるのは大きな特徴です

<基本的な構成>

まずカラーページで今年の重要事項を簡単に紹介しています。
解説2ページ+演習問題2ページで一つのトピックです。問題は一問一答が1ページ、記述を含む予想問題が1ページです。全部で10トピックあります。
四谷ならではの特徴として、「あなたが生まれてから」という、12年間のニュースを紹介するページがあります。この他記述問題、総合問題があります。
巻末には暗記カードが8ページ、64枚付属します。

本文は2色です。密度は低めです。

<昨年との違い>

特にありません。

<問題レベル>

1

<他社にない特徴>

・「あなたが生まれてから」を大きく取りあげているのは、他社にはない特徴です。
記述問題対策のページが独立している点も大きな特徴です。

記述問題は5ページあります

<利点>

トピック数が他社に比べかなり少ないです。また演習問題の難度も低いです。そのため短時間で時事問題の対策をとることができます。

<問題点>

・利点は同時に問題点でもあります。分量、問題の難度は明らかに他社に劣ります。こうした本はコスパを考えるべきではありませんが、さすがに気になってしまいます。

<こんな受験生へ>

・「使い方」にも書いてあるのですが、社会の時間が取れない受験生に向いています。
・偏差値が高くなく、時事問題の出題数が少ない学校を受ける人へ。

栄光ゼミナール 「重大ニュース2024中学入試用」

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<基本データ>

総ページ数 144
価格 1815円
トピック項目数 26(うち理科・社会が2、理科のみが6)
問題ページ数 40ページ(うち理科10ページ)
付録 なし

特色と活用法です。理科の割合が多いことが書かれています。

<基本的な構成>

最初にカラーページでトピックの紹介と、「グローバル化」「特定外来生物」「地球環境問題」について説明しています。
2色刷りページでは、栄光が重要と考えている順にトピックが並んでいます。特に重要な事柄(関東大震災、G7サミット、各国の宇宙開発など)は、4ページ、6ページを使って説明しています。合計で26トピックあります。
その後にはノーベル賞受賞者などの資料ページがあり、予想問題が社会10種類、理科3種類あります。
巻末には用語集が9ページあります。資料はかなり充実しています。

本文は2色です。A4になり見やすくなりました。

<昨年との違い>

昨年と比べて最も変化したのが栄光です。
まずB5だったのが、A4に大型化しました。またフォントと余白が大きくなり、大幅に読みやすくなりました。
昨年までは中国を脅威ととらえる姿勢が明確でしたが、今年は記述が中立的で、客観的な説明になっています。
予想問題の量は昨年と変わりませんが、「このように出題された」という実例はなくなっています。

<問題レベル>

2

<他社にない特徴>

・考古学に関するトピックが2つあり(富雄丸山古墳、吉野ヶ里遺跡)、他社より歴史が手厚いです。
理科の割合が他社より高いです。

<利点>

・サピほどではありませんが、思考力を育てようとする姿勢が見られます。特にページ数が多いトピックに顕著です。
・資料ページが比較的充実しています。

<問題点>

・内容的にはほぼ問題なく、受験にはじゅうぶん対応できます。強いて挙げるならサピより100円、日能研より200円高いところです。

<こんな受験生へ>

・理科に力を入れたい人へ。

朝日新聞出版 「中学受験2024 時事ニュース完全版」

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<基本データ>

総ページ数 130
価格 1760円
トピック項目数 23(うち理科4)
問題ページ数 9(うち理科0)
付録 なし

<基本的な構成>

この本は他の会社とはコンセプトが違います。月刊誌「ジュニアエラ」に載った情報のうち、受験に出そうなものをまとめています。
まず例年おなじみのインタビューがあります。今年は松丸亮吾です。
次に社会のトピックがあり、「過去1年の重大ニュース14項目」「5大テーマを深掘り」を、ジュニアエラのレイアウトで、カラーで説明しています。理科のトピックは2色ページにあります。
他社と違い、問題は「昨年の出題例」が示されているだけです。
最後に「1年間のニュースカレンダー」が、各月4ページで載っています。ここが非常に充実しています。

基本的に見開きで1トピックです

<昨年との違い>

特にありません。

<問題レベル>

オリジナル問題を作っている他社との比較が難しいですが、4程度でしょう。
SFC、早稲田など上位校の過去問なので、難易度は高いです。「試しにやってみる」形式で、問題を解いて力をつける、というものではありません。

<他社にない特徴>

・全体的に記述の分量が多く、詳しいです。特に「5大テーマを深掘り」は説明の量が多く、イラストも豊富で、深く理解できます。
「ニュースカレンダー」の量が多く、昨年1年間で何が起こったかを幅広く理解することができます。これがメインコンテンツといっても過言ではありません。
・問題演習が大きな割合を占めている他社と違い、「読む」テキストです。

「5大テーマを深掘り」のひとつです。カラーで、イラスト、写真も豊富です。

<利点>

・他社があまり着目しないトピックを深く学ぶことができます。また雑誌がベースなので、読みやすくなる工夫がなされています。
カレンダーが非常に充実しており、昨年一年間、何が起こったかを時系列で確認できます。

<問題点>

・「5大テーマを深掘り」は、毎年そうなのですが、ピントがずれています。関東大震災や生成AIは適切だと思います。ですが「世界の人口爆発」を取りあげる一方、「日本の急激な少子化」の原因は示されていません。もっと優先度の高いトピックはたくさんあります。
・総ルビで、低学年のお子さんにも読みやすいのですが、ジュニアエラのレイアウトをもとにしているせいもあってか、全体的に読みづらいです。

<こんな受験生へ>

・直前に急いで対策する、という受験生には向きません。
・受験を控えた5年生、4年生へ

読売新聞 「入試に勝つ新聞記事2024」

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<基本データ>

総ページ数 122(うち暗記カード8ページ)
価格 1595円
トピック項目数 34(うち理科8)
問題ページ数 30ページ(理科とは明確に分けられていません)
付録 暗記カード8ページ84枚

活用法が具体的に書かれています。

<基本的な構成>

①政治と社会、②経済と暮らし、③海外の出来事、④文化とスポーツ、⑤自然と化学の5章構成です。それぞれ重要とされるトピック順に並んでいます。基本は見開き2ページで、1ページのトピックもあります。
各トピックでは、実際の読売新聞の紙面が示されているのが大きな特徴です。紙面をもとに、関連する項目を簡単に説明しています。全部で34トピックあります。
各章の終わりに練習問題が6ページあります。うち1ページは記述中心の「適性検査・表現型問題」です。
巻末には暗記カードが付属します。

新聞記事が中心になって構成されています。

<昨年との違い>

特にありません。

<問題レベル>

3
「適性検査・表現型問題」は4

適性検査・表現型問題は記述問題です。

<他社にない特徴>

実際の新聞紙面が示されているのは、他社にない大きな特徴です。朝日新聞出版の本も、毎日新聞の本も、実際の紙面は示されません。
「適性検査・表現型問題」はかなりレベルが高く、記述問題対策になります。
・読売新聞がベースなので、中国に対する反対の姿勢が明確です。

<利点>

・各トピックは情報量が少なく、時間がない人もさっと理解できます。この点は四谷と似ています。
・一方問題はレベルが高めです。また「適性検査・表現型問題」はさらにレベルが高く、記述問題の対策になります。

<問題点>

・これも四谷と同様で、情報量が少ないです。8社の中では最も少ないです。
店頭に並ぶことが少ないのが、最大の問題点かもしれません。大きな書店でようやく見つけることができます。ネット書店でもすぐに売り切れになってしまいます。

<こんな受験生へ>

・時間はないが、レベルの高い学校を受ける人へ。
・公立中高一貫校や、長い記述問題がある学校を受ける人へ。

サピックス 「2024年中学受験用サピックス重大ニュース」

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<基本データ>

総ページ数 168(うちカード8)
価格 1760円
トピック項目数 19(うち理科4)
問題ページ数 32ページ(うち理科6)
付録 暗記カード8ページ84枚

使い方は抽象的です。「はじめに」がいい文章です。

<基本的な構成>

最初にカラーページで、重要な順に出来事を紹介しています。「G7広島サミット」には多くのページが割かれています。
①政治・経済の動き、②激動する国際社会、③災害への備えと環境問題、④社会の動き、⑤理科ニュースの5章構成です。①と③の最初には「みんなで話し合ってみよう!」というページがあり、時事問題をもとに「どのように考えるか」の例が示されています。重要とされる順にトピックが並んでいます。全部で19トピックあります。
予想問題は「政治・経済」「国際」「○周年・その他」「理科」の4セクションあります。記述問題が非常に多くなっています。
最後にニュースマップ、カレンダー、用語集などの資料ページがあります。巻末に暗記カードが8ページ、84枚あります。

サミットはカラーページですが、基本は2色です。

<昨年との違い>

特にありません。

<問題レベル>

5
記述が中心で、容赦なく難しいです。

<他社にない特徴>

・「はじめに」には、「本書は、あふれる情報のなかから重要性の高いものを見極める力がつくように作られています。こうした力を養って、どうするのが正解かわからない事態が次々に発生する、困難な時代を生き抜いていける人間になってください」とあります。本全体が、思考力が育つように構成されています。
・一つの章全体が一つの読み物になるよう構成されています。また各トピックも読み物と読めるようになっており、学びながら考えられるようになっています。

「みんなで話し合ってみよう!」がサピらしいです。

<利点>

・読んでいくなかで「考える」仕掛けがなされており、思考力がつきます。
・予想問題に記述が多く、記述問題への対策ができます。
最上位校や記述が多い学校に対しては、サピ一択といっても過言ではありません。

<問題点>

・中位校以下を受ける人にとっては、本文の書き方も、予想問題も、難しすぎです。こうした学校にとってはこの本は明らかにオーバースペックです。
・各トピックは読み物になっているため、一つのトピックに関連する事柄が複数盛り込まれており、戸惑うことがあります。他社のようにトピックを簡潔に理解するのが難しいです。

<こんな受験生へ>

・長い記述がある学校の受験生へ
・思考力が問われる上位校の受験生へ

日能研 重大ニュース2023(2024年度中学受験用)

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<基本データ>

総ページ数 200 
価格 1650
トピック項目数 24(うち理科0)
問題ページ数 46ページ(うち理科0)
付録 なし

使い方は抽象的です。

<基本的な構成>

カラーページでは一年間の主な出来事を写真で紹介しています。また重要人物を写真で示しています。
前半6トピックは4ページ構成、残り18トピックは1ページか半ページです。合わせて24トピックあります。
すべてのトピックに穴あき問題が用意されています。また最初の6トピックには長い応用問題があります。
本の後半は資料集です。歴代総理大臣、世界のデータなどの資料が22ページ、用語集がなんと41ページもあります。

トピックは2色刷りです。

<昨年との違い>

特にありません。

<問題レベル>

2
記述問題が少なく、ちょっと簡単です。

<他社にない特徴>

・各トピックが独立しているので、他者で感じるような「無理矢理盛り込んだ」感じはありません。
資料ページや用語集は完全に他社を圧倒しています。ここを読むためだけに買っても損はありません。
・純粋なB5は日能研だけになってしまいました。

<利点>

・知識の幅の広さ、資料ページの情報量はダントツです。
・24のトピックすべてに問題が用意されており、幅広い知識を確認できます。

<問題点>

・毎年のことですが、理科がありません。

<こんな受験生へ>

・幅広い知識や生活体験が求められる学校を受験する人へ。
・サピは難しすぎる感があるので、どれか一冊選ぶとするなら、日能研が無難です。

毎日新聞 「Newsがわかる総集編 2024年版」

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<基本データ>

総ページ数 112 
価格 1100円
トピック項目数 28(うち理科0)
問題ページ数 0ページ(うち理科0)
付録 なし

<基本的な構成>

コンセプトは朝日新聞出版と同様で、月刊誌「Newsがわかる」から、受験で取りあげられそうなトピックをまとめたものです。
巻頭に、池上彰、TOMAS教務部へのインタビューがあります。
①環境・SDGs、②科学・技術、③日本のニュース、④海外のニュースの4章構成です。各トピックは2-6ページから成り立っています。全部で28トピックあります。
他社にある予想問題、資料ページはありません。また同コンセプトの朝日新聞とは違い、ニュースカレンダーはありません。出版社が重要だと考えるトピックだけを集めた本です。

総ルビです。また密度も低めで読みやすいです。

<昨年との違い>

昨年は取り上げていません。

<問題レベル>

問題のページはありません。

<他社にない特徴>

・トピックだけで、資料もカレンダーもない割り切った構成です。その分安いです。
完全フルカラーなのはこの本だけです。

<利点>

・本文は総ルビで、記述は4年生でもわかるように簡単になっています。イラスト・写真も豊富です。
・子ども向けニュース雑誌がベースなので、読ませる工夫がなされています。

<問題点>

・見出しのフォントが凝っていますが、これは正直見づらいです。目を惹くためと思いますが、読みにくいのでは意味がありません。
・予想問題、資料が一切ありません。

<こんな受験生へ>

・朝日新聞出版同様、6年生が急いで時事問題対策をするのには向きません。
・受験を控えた4年生、5年生へ

8社の比較

<比較表>

8社の情報を表にまとめました。最もよいものを5、最もよくないものを1として、必ず1~5までの数字が入るように5段階で評価しています。

黄色は評価5のものです

<比較した結果>

単純にページ数と内容で求めたコスパは、日能研が最高、四谷が最低となります。ただこの手の本は、単純にコスパだけでは判断できません。
また情報量は日能研がダントツです。思考力を育てる力と、問題の難しさは、サピがトップです。ですがサピか日能研を買えばそれで安心かといえば、そうともいえません。

<本の選び方(朝日新聞、毎日新聞以外)>

重大ニュースの本は、基本的にどれを買っても大はずれはありません。どの本を買っても、どのレベルの学校に対しても、おおむね受験には対応できます(ただ朝日新聞と毎日新聞はコンセプトが違い、使い方も違うので、次に説明します)。
それぞれの本には役割があります。ページ数や情報量などで五段階評価をしましたが、「8冊で比べるとこの数字」でしかないことに注意してください。
では何を基準に選ぶべきでしょうか。それは志望校の、時事問題の出題傾向です。

過去問で判断する必要があります

一般に、上位校になるほど時事問題や、時事問題を元に答えさせる問題の量が増えます。聖光、東邦大東邦のように、毎年幅広い社会経験をもとに考えさせる問題を出す学校もあります。こうした学校は、表の上側の本を使う必要があります。一方最上位校であっても、時事問題の割合が低い学校もあります。その場合は真ん中ぐらいの本で十分だったりします。
一方、時事問題の割合が少ない学校もあります。その場合は、サピや日能研はオーバースペックで、四谷や読売の方が適しています
また一般的に、偏差値が下がるほど、時事問題の割合は下がる傾向にあります。ですがそうした学校の中にも、時事問題の割合が高い学校があります。また系属校になったなど、受験状況が急変した学校も、時事問題が増える傾向があります。
ですから重要なのは、過去問演習と情報収集です。学校によって、必要とされる時事問題対策の質と量は変わります。また学校の変化によっても変わります。サピか日能研を買えば安心かといえば、そうとは限らないのです。
過去問をきちんと研究して、本を選ぶとよいでしょう。

<朝日と毎日について>

朝日新聞と毎日新聞の本は、予想問題がないため、問題を解いて対策をするのには向いていません。問題演習をしなくても受験生が覚えられる場合、または受験校がそれほど多くの時事問題を出題しない場合は、選ぶのもよいでしょう。この場合、「ざっと見て/読んで学ぶ」という形になります。「コアプラス」的な使い方です。
また、これから受験を迎える現5年生、4年生には、この2冊は向いています。いずれも子どもが一人で読んでも理解できるように作られています。ここで社会の動きに興味を持つようになれば、「しめたもの」です。これをきっかけに、朝日の雑誌「ジュニアエラ」、または毎日の「Newsがわかる」を購読し、読むようになれば、時事問題に関してはかなり強くなりますし、今後の社会を「生き抜く力」もついていくと思います。

おわりに

今年は栄光の判型が大きくなり、大幅に読みやすくなりました。ただ、思考力のサピ、物量の日能研という2強は変わりません。大きさがB5なのは日能研だけになってしまったので、来年の日能研の動きには注目です。
どの本にも書いてありますが、時事問題対策は、単にテストで得点を増やすためだけのものではありません。私立中学が求めているのは、「社会の問題を知っており、その問題について考えることができ、解決策を探ることができる人」です。そういう人であるかどうかを測るために、時事問題が出題されるのです。
そして、社会の問題に対して何も考えなかったり、受け身であったりする人と、能動的に行動できる人では、どちらがこれからの「先が見えない社会」に対応しやすいでしょうか。時事問題対策をするということは、受験生本人の「サバイバル力」を高めることになるのです。
ですから、日常的に世の中の動きに触れておく必要があります。テレビのニュースは非常に役に立ちます。新聞を読むのもよいでしょう。ネットの記事もよいですが、ネットは一つの情報源に偏らないように気をつける必要があります。そうしてあらかじめ情報を得ていた上で、テキストを使って時事問題の知識をまとめておくとよいでしょう。そして中学入学後も、常に情報を入手し、考える習慣をつけるとよいでしょう。(下に続きます)

本記事をまとめるに際して、各社の重大ニュースを購入しております。この記事が有益であると感じましたら、ぜひ購入をお願いします。
(購入いただけた方には、「どのテキストがお子さんに向いているか」アドバイスをいたします。またできる範囲ではありますが、相談や質問にも応じます。)←入院治療のため、このサービスを継続することは不可能になりました。申し訳ありません。
この記事が皆様のお役に立つよう、お祈りしています。

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