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PLEN.D争奪戦の無残な敗北者がホームロボットの可能性について語る

2020年6月1日午前0時。

場所は Yahoo!ショッピング。たいへん過酷で、血で血を洗う凄惨な戦いが繰り広げられていたという…。勝者は「PLEN.D」という二足歩行ロボットが破格の値段(95%OFF!)で購入できるというのだ。

筆者もこの戦いに参加したのだが、無残にも敗れ去った。 R.I.P

しかし、この争奪戦の前後の期間の中で、筆者は充分にドキドキワクワクと妄想を浮かべたりして 幸せ を感じていたのは確かだった。こんなにもロボットというものに夢中になったのは、遠い昔に 高専ロボットコンテスト に出場して以来である(注:地区予選一回戦負け(ノ∀`)

今の筆者はエンジニアなどではなく、普通の農夫である。twitterやgithubなどで他愛もないマイコン遊びとMakerごっこのようなことをして「いいね」を貰えれば喜んでいる単純な人間だ。そんな人間がロボットに対する情熱を再び呼び覚ましたいきさつなども含めていろいろ語りたいと思ったのでした。

…敗者のため、やや「酸っぱいブドウ」的な文章があるでしょう。あらかじめ乱文乱筆のゆえ、ご容赦願います。。。

PLEN.Dとは

オープンソースハードな 二足歩行ロボット プロジェクトのひとつです。くわしくは下記リンクをご覧ください。

筆者は Arduino などのマイコン遊びを通してオープンソースハードの面白さに取り憑かれている人なので、自分のtwitter-TL には3Dプリンターで色々吐き出したり、ロボットを動かして喜んでいるクラスタのお兄ちゃんや、おねーさんがよくいる。そのためかPLENの話題は時々流れていたのですよ。

し ・ か ・ し !

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まあ…お高いですね…

ワイには関係ないブルジョワのオモチャや〜!」 などと…などと…、なぜか猛虎弁も出てしまうのである。

そして、ロボットなんてヨチヨチ歩いてるの見てるだけで、すぐ飽きてしまうやろ〜。って 先入観 もありました。正直。

と・こ・ろ・が!

8,800円ですってよ。奥さん…

このテのロボットというのは品質の高いサーボモータが使われているらしく、そのサーボが18個も入っていて、サーボセットというだけでも破格の値段でしょう

この「組み立てキット」が発表される前日には 完成品が2万円 で公開されていて、そこそこ話題にもなっていたのですが、まだ自分の中では「買ってもすぐ 積み やろ〜」と思いを払拭できずにいたのです。

…でも、このキット見た瞬間、本当に目の色が変わりましたね…!

組み立てキットって……そっちの方が絶対面白いに決まってるやん!

むしろ完成品とか、お金だけではなく楽しさも毟り取っていると思います!

それでもまだ悩んでしまう。組みたてて、ひととおり動かしたら、二度目にスイッチを入れることはなく飽きちゃうんじゃないかな…とも思いながらWeb上にあるPLENの動画も漁ってみたのですよ。

↑ これ…!1!!11!!11! ↑

…ヤバいですよね…。ローラースケートはいて滑ってるだけで…心奪われるなんて…心奪われたらこっちもロボットだよな…でも心奪われるなんて…(もうワケわからなくなってる)

光GENJIかよ!(歳バレるw)

俺…この戦いが終わったらPLEN.Dを妻にプレゼントしてやろうと思いましてね…

すでに死亡フラグがピンピンと立つような心境になっていたのだ\(^o^)/

どうして、そんなに安く売ってくれるのさ?

…やっぱり気になるところです。早速我々は、この販売企画の仕掛け元である「ロボットゆうえんち」のブログの奥地に向かうのであった!

\\☆。「一家に一体ロボット」+.・☆//

非常に美しいお言葉です…。燦然と輝いておりますな…。

まさに 胸熱 ですよ。

考えてみれば、パソコンというものも、かつては20〜40万円という高嶺の花の存在でした。 「どうせゲームにしか使わない」とか、何をするのかよくわからない(インターネットもありませんでしたからね!)…といったモノに、普通のご家庭では沢山のお金をつぎ込むことはできなかったでしょう。…そんなところに「ファミコン」が14,800円という値段で売出されたからこそ、「とりあえず買ってみようか」という気持ちになって、ファミコンは爆発的に普及したのでしょう。

そこで、こんな素晴らしい PLEN.D が2万円、組み立てキットに至っては、一万円以下ともなれば、

ウチだって家族として迎えたいじゃないですか…!

さっそく筆者も我が家の財務省(ヨメさん)に予算請求である。

ウチ、子供もいないし、ペットも飼わないから…ロボット、買おうよ〜。
今のロボットってローラースケートも乗れたりしてすごいんだよ〜

日本の国家財政ほどではないと思いますが、我が家の予算もなかなか厳しいモノがありまして、このような完全に「夫の趣味モノ」に理解を示してくださるのか厳しい所だと思いましたが…

「いいんじゃない?欲しければ買ってみれば?」

オーケー。さすがワイの嫁\(^o^)/

届いたら、どんな風に遊ぼうか?、名前はど〜ぉしよぉ〜かな〜?…なんて、しょーもないことを考えてはニヤニヤしていたのでした。怪しさ大爆発な顔だったので、職質されたらアウトだったでしょう。危ないところでした。

参戦

かくて、戰ひの火蓋は切って落とされる。

世界的に流行した感染症による陰鬱な日々も終わろうとしていた。

筆者は眠気とも戦いながらパソコンの前でスタンバイして、時計の針を追う。おそらく勝負は一瞬。獲物を取り逃がさないために獰猛なライオンのように全感覚を研ぎ澄ます。

ここで意外な出来事が。…Y!ショッピングを開くと、PLEN.Dの予約取扱ショップは2つに増えていたのです。

前述の「ロボットゆうえんち」と…「テクノロジア」である。大変失礼ではあるが「テクノロジアなんてケッタイな名前やなあ〜。ロシアあたりから送ってくるんかぁ」なんて怪しげな匂いを感じ取っていたのですが、ショップの評価は良いものだったし、きちんとロボットを取り扱っているお店でした。おそらく「ロボットゆうえんち」の協力ショップということでしょう。

筆者は先の「ロボットゆうえんち」のブログを読んで、たいへんいたく感動したのでココから買おうと思ったのだけど

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5%還元がつくのですよ。そして意外と本家(ロボットゆうえんち)より競争率が低いのではないかと思って、こちらのショップの方を選択。

しかし筆者はYahoo!ショッピングをあまり使う機会が無くて、どうしても注文に手間取ってしまう。ログインしなおしたり、画像文字認証(いわゆるbot避け)を間違えて何度か再送したりしている間に、早々にtwitter から「売り切れた…」などの情報が届きはじめると余計に焦って、間違えてしまう… そうこうしているうちにやっとorderが通って、カードからも金額が引き落とされた…のですが…ですが…

この時点で、嫌な予感はしていましたね。その後も続々と「テクノロジアで注文できた!」というtweetがあったので、

「あ〜、テクノロジアさん、やらかしたな…」

もう、この時点で半分諦め… そして、次の日の朝。

案の定である。

…一番顔真っ青になっていたのは店主さんの方でしょうね…。これからのキャンセル&返金対応のコストを考えると、こちらも胃が痛くなります。そのまま現実逃避でロシアあたりに亡命したくなりそうな勢いです。これが本当のテクノロ(以下略)、おそロシ(もう、いいってば!)

やがて、夕方ごろから「ウチにキャンセルメール来た(泣」といった、tweet報告がチラホラとやってきたのですが、まだ筆者の所には届いておらず、そこに一縷の望みを託すことに。…メールが届くたびにビクビクしたりして、まるで死刑囚 の気持ちであるw (キャンセルされるなら一斉メールでやってくれよ…)

しかし、現実とは無情なものです。必死の祈りも届かず。

速攻でカードのお金もポイントも返されましたよ。ええ。

あっけなく、筆者のささやかな夢は霧散に至ったのである…。

筆者がorderした時刻には、すでに売り切れていた。ということだったのでしょう。中には「素振り」といって、わざわざ他の商品を購入してまでオーダーのイメージトレーニングまでしていた方もいるらしく、twitterを脇見しながらやってたワイにはそこまで覚悟が足らなかった。ということでしょうなヽ(´ー`)ノ

ホームロボットの可能性

今回の件を通してわかったのは、日本にはホームロボット(産業用ではなく、あくまでも愛玩用)の潜在的需要が結構ある。ということでしょうね。twitterをみる限りでもかなりの方が参戦していた。と思います。

やはり日本人(特に団塊ジュニア世代)はおそらく、「ロボット好き」というのがDNAに刷り込まれているのでしょう。だからこそ、スパイダーマンなのに、原作には無い巨大ロボを出してくるアレンジを加えたり(笑)、いい大人になっても「ガンダムに喩えると…」なんてのが平気で某匿名掲示板に書かれたりする。

これまでも AIBO といった犬型のロボットペットもありましたが、ヒューマノイド(人間型)ロボットはメカメカしさと「不気味の壁(あまりにも人間に近すぎることによる嫌悪感)」のバランスが難しくて、愛玩用というのは難しかったのではないかと思います。そこにン十万円↑のお金をつぎ込むことには、なかなか価値を見出しづらかったかもしれません。

筆者も、ホビー用の二足歩行ロボットなんて、ギッチョンバッチョン…とかいいながら、いかにもメカメカっていう動きしかしない…なんて思ったのですが、目から鱗でした。

PLENのような愛らしいデザインや運動能力で2万円くらいなら、欲しい! という方がたくさんいる…ということですね。(中には通常販売価格が15万円程度なので転売目的の方もいるのかもしれませんが^^;

普通に動画に取れば SNS映え することでしょう。もう猫動画ではなくて、ロボ動画で「かわい〜♪」ってなって「いいね」を稼ぎましょうよ! そして「次はどんなポーズやモーションやダンスをさせようかな〜(それも簡単にプログラミングできる!)」などなど妄想は尽きないでしょうね。

これくらい関節数が少なくなると、動きがメカメカしくなってしまいますが、見せ方によっては充分 Kawaii…ですね!

なによりも人間って「他人がせっせと動いて働いているのを見る」のが好きなんでしょうね…。だからこそ、一日中ずーーーーっと工事現場を見ているオッチャンもいるし、こたつでみかん食いながら箱根駅伝見たり、クーラーの効いた部屋で灼熱の甲子園を見て「痛烈〜」とか言って喜んでいるのである。

PLENにもいろいろ動いてもらって、それを見てるだけでも楽しい…普通に人生のひとときを共有できるロボットだと思いました。

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(脇道にそれましたが)、DIYキットをそのまま売り出しても、むしろそっちの方が人気が出る。ということもわかりましたね。安いだけでなく、自分で作ってこそ 愛着も湧いたり、ロボットの構造というものを学んだりできると思います。

ショップ側としてはきちんと組み立てて、お客さんのところに届けてあげたいという気持ちがあるでしょうけどね…^^;

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今回は高性能なロボットを非常に手頃な値段でゲットできる千載一遇のチャンスを逃してしまって大変残念なのですが、いつの日にか、自分もこのような愛玩用ロボットを低価格で手に入れられる機会があることでしょう。それまで待とうホトトギスなのです。

いずれ今のペット産業のように、マイロボット用の服だとか、カスタムパーツだとか、大きな市場にもなったりしてるかも…かも…。

そ〜んな勝手な妄想も含まらせて胸熱になりながら、今回のお祭りからトボトボと帰路につくのでした。

買えた方は筆者のぶんまで思う存分楽しんでください…!

[了]


※ tweetを引用させてくださった方に感謝申し上げます。
※ アイキャッチ画像は robots.dmm.com からの引用です。

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