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オフグリッド小屋をふりかえり

少し前にLifull home'sさんが運営するウェブメディアに取材してもらいました。公開された記事はこちらです。

さすがの編集力、とてもいい記事にしてくださって、ありがたいです。

コロナ禍によってリモートワークが一般的になるまでは、小屋ライフは土日だけでした。インタビューで小屋を建てはじめたのは何年前かなど聞かれ、全然覚えてなかったので、いい機会なので振り返ってみます。

2018年1月〜 土地取得、テント生活開始

当時少し前に始めた念願のサーフィンにのめり込むようになって、よく訪れていた千葉南に拠点が欲しいと考えていました。友人とランチで寄った定食屋の主人に土地を探しているという話をしたのがきっかけで、2018年の1月に土地を取得しました。耕作放棄地でした。

ここでまずは週末テント生活をはじめました。キャンプ道具は現地に置いた簡易物置のなかに入れてあるので、サーフキャリアをつけたバイクで息子と2ケツでいったりもしてました。今考えるとすごい。

2018年5月〜  上棟、セルフビルド開始

これは外壁を張っているところ。この当時は杉材がまだ真新しくて新鮮です、現在はシルバー色になってきてまさしく、いぶし銀です。

小屋のコンセプト

小屋のコンセプトはオフグリッドです。電気・水道・ガス、上下水道のライフラインには一切つなげていません。小屋の隣に自宅を建てた今でも、繋げられるのに”あえて”繋げていません。

2拠点生活を始めてからというもの、この南房総ではインフラが機能しなくなることが発生しています。昨年は台風被害で電気と水道が止まりました。今年は小向ダムの貯水不足問題で断水の懸念があります。

地球環境の変化はますます大きくなっています、これからの地球を生きるためにはインフラに依存せずに機能するオフグリッド小屋の価値はこれからどんどん上がってくるでしょう。

オフグリッド:電力

小屋をつくってまず着手したのは太陽光発電システムです。

これが当初の太陽光発電システム。大工道具はすべてバッテリー駆動のもので揃えたので、このシステムさえあれば、いつまでも作業し続けられます。入植したての土地開拓には必須のシステムです。

オフグリッド:水

水は雨水を貯めて使います。雨樋のパイプに簡単なスポンジフィルターを通してタンクに給水し、タンクに直接蛇口をつけただけのシンプルなものです。

オフグリッド:火力

火力は焚き火・薪ストーブに加えて、新富士バーナーのMUKAストーブが活躍しています。時間がない朝は薪を焚いている暇はありません。
ガソリンでワークするので、OD缶やカセットボンベのようにゴミがでないのが大きな価値です。火力も強く、かなり頼れます!
※ちなみにハイオクはすぐにノズルが詰まってしまうので、使ってはいけません。私はこれにはまり交換ノズルを3つぐらい買ってしまいました。

期限を決めずにゆっくり作る

波がいいときには波乗りをしたいし、休日でも仕事を頑張らないといけないこともあります。小屋作りはあくまでも楽しむためのもの、として残しておきたい。

実際に小屋を作り始めてみたら、これが想像以上に楽しい。自分の設計通りに空間が、機能が、グレードアップしていく心地よさがたまりません。急いで作業して、すぐに小屋を完成させてしまうのがもったいない。ゆっくり、じっくり楽しみながら、できることならずっと小屋作りをしようと思います。

体感しながら決める

取得した土地のいろんな場所にテントを張ってみて、陽の差し方、風の入り方を研究して、小屋を建てる場所と方向を決めました。

このテントは長い間、土日テント生活をともにしたnordisk アルフェイム19.6、煙突出し仕様です。薪ストーブの火が消えるととたんに寒くなり、息子と大変な思いをしたのはいい思い出です。

窓の位置も光の入り方と風向きを実際に確かめてから決めました。ロフトの窓は東風も西風も取り込めるように、それぞれの方向にすべり出す窓を2つ設置し、自然の風を取り込めるようにななってます。

ポイントは将来、持たせたい機能と場所をリンクさせることです。トイレを置こうとしている場所で実際に用をたしてみる/調理作業スペースにスパイスを並べてみる/寝たい場所にコットをおいて寝てみるなどです。

断熱にこだわる

せっかく小さいのでちゃんと一つ一つのものにこだわって作りたいと思います。

例えば、窓はすべて断熱性能が高いものにしました。通常はアルミになっている枠が樹脂製になっていて、ガラス部分は2重構造で中空にはガスが充填されているため、高い断熱性を持っています。陽が長くあたる窓には更に遮光ガラスにしています。

タイベックシートも陽が当たる側は遮光仕様のタイベックシルバーにしています。

また、断熱材は調湿性能が高い、羊毛断熱材にしました。さらにこの羊毛にはセラミックが混ぜ込んであるため、暖炉からの輻射熱をしっかりと受け取ります。

小さいからこそ贅沢な部材を使います。

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